出版社のイチオシ#037


各出版社の「これはぜひ推したい!」という本を揃えたコーナー、「出版社のイチオシ」です。フライヤーで要約をご紹介しきれない書籍の中で、各出版社のオススメを記事形式でご紹介します!
明石書店

私はふだん京都のコワーキングスペースでひとり、編集の仕事をしているのですが、別の企業で働いているメンバーたちの話を聞いていると、なかにこんなことをいうIT業界の人がいてビックリさせられたのです。
彼によればコロナ禍以後、自分の会社では全社員がリモートで働いており、残業もなく、「複業」が許され、部署内の仕事はすべてチームを組んで行っていると。社長は給与の原資を示すだけで社員の評価には立ち入らず、評価は社員と対等なチームメンバーが行うのだと。
その彼に教えてもらったのが、社員の満足を会社の目標達成につなげるManagement3.0という方法論を提唱しているアペロさんです。そして調べるうちサザーランドさんという人が、このアペロの手法を取り入れたリモートワーク本を出していることを知りました。
その原書を取り寄せたことが、本書の企画のきっかけです。そうして『リモートワーク』は弊社でははじめて、チームを組んで作られた本となりました。
(編集部 赤瀬智彦)総合法令出版
『しくじり先生 俺みたいになるな!!』という番組をご存知でしょうか? 著名人が自らの失敗談を語って教訓を説く、「反面教師バラエティー」のコンセプトで人気を博しています。
本書で扱う「しくじり」は、日本史上の偉人たちによるもの。「三日天下の明智光秀」「財政悪化を招いた暴れん坊将軍」といった「しくじり」事例を60個ピックアップし、ビジネスパーソンに役立つ教訓を紹介しています。
著者は、元・歴史教師のスゴ腕経営コンサルタント。歴史解説がわかりやすいのはもちろんのこと、コンサルタントならではの視点で失敗の原因を分析しており、現代に通じる処世術・組織づくり・リーダーシップの学びが詰まっています。
また、それぞれのエピソードはすべて4ページ完結で、サクッと結論までたどり着くことができます。スキマ時間に読み進めやすいという点でも、忙しいビジネスパーソンにぴったりの一冊となるでしょう。
(編集担当 久保木勇耶)日本実業出版社
車椅子の天才物理学者――ホーキング博士に対して、自分はそれ以上の知識を待ち合わせていませんでしたが、2018年3月14日に博士の訃報を伝える新聞で、次の言葉を知りました。
「愛する人たちが住んでいなかったら、宇宙もたいしたところじゃない」(本書P13)
ALSという難病を患いながらも、自らの人生をかけて研究した「宇宙」に対して、「愛する人がいなかったら、たいしたところじゃない」とウイットの中に慈悲深さも垣間見える言葉に、ただの天才学者ではなく、底知れぬ人間的な魅力を感じたのです。そして、「博士の言葉をまとめた本をつくりたい」とも。
言葉の本はそれを解説する人が大事だと思い巡らせていたとき、たまたま「宇宙飛行士」というキーワードにたどり着きました。これまで2冊の本の編集を担当した宇宙飛行士の若田光一さんを調べると、なんとホーキング博士と若田さんは地上と国際宇宙士テーションで実際に対話をしているじゃないですか。そんな点と点の結びつきに興奮しながら若田さんにご依頼したところ快諾くださり、この本はスタートしました。
(編集 川上聡)自由国民社
「将来は何になりたい?」これは、誰もが子どもの頃から幾度となく投げかけられてきた質問ではないでしょうか。一方、大人になれば「自己実現」という輝かしい言葉の前で、「やりたいことが見つからない」という悩みを抱える人もまた、少なくないと思われます。
人は自ら考え、選ぶことを重ねて生きていきます。しかし、87歳になった現在まで精力的に仏の教えを伝える、日本を代表する尼僧が口にするのは、「選ぶ人生の他に、授かりとしていただく人生がある」ということ。自分の本意ではないことにも、仏からの授かりものに気づき、学ぶことがあるというのです。
そして「選ぶ人生」についても尼僧は、「目先の物に囚われず、本当に大切なものを選んでいるか」と問いかけます。日々の生活に追われ、ストレスにさらされる現代人へ投げかけられる問いと教えは一服の清涼剤のようです。天に活かされている有難さを感じることで、今より少し肩の力を抜き、幸せを身近に感じられるヒントが本書には詰まっています。
(編集部 上野茜)サンマーク出版
<発売たちまち重版決定!>
伝えることは同じでも、「使う言葉」次第で、まったく違った意味に取られることがあります。すんなり聞いてもらえることもあれば、イラッとされたりギクシャクした雰囲気になってしまったり……という経験、ありませんか?
著者の大野萌子先生は、カウンセラーとして、防衛省などの官公庁や企業などで、2万人以上の社会人にコミュニケーション指導をされてきた方。
「つい“よけいなひと言”を言ってしまうのですが……どういうふうに言いかえるといいでしょうか?」「感じのいい人って、どんなセリフを使っているのでしょう?」とおたずねしたところ、たくさんの例を挙げて、やさしく説明してくださいました。どれも「こういうこと、あるある」と実感できるものばかり。
そんな著者の実例をもとに、この本では、上司・部下、同僚、友だち、家族など、さまざまな場面で使える、人間関係がスムーズになる「言葉のかけ方」を15シーン別に分け、141例、紹介しています。対面での会話だけでなく、メール、チャット、SNSなどのコミュニケーションツールでも活用できます。
「無意識に使っている言葉が、あなたの印象をつくっています」という著者の言葉が、心に響きました。この本が、ポジティブなコミュニケーションの一助となりますように。
(編集部 桑島)きんざい
安定した人気就職先の金融機関――時代は変わり、テレビドラマの影響もあってか「古い体質で大変な仕事」というイメージも浸透したようにも思います。
私もかつては銀行員でしたが、離れて思うことは「銀行の仕事はやりがいがあって面白かった」ということ。でも、顧みれば忙しさに追われ視野が狭まり、出口の見えないトンネルを進んでいるような気持ちになることも多々ありました。
もし近い気持ちがある方は、本書にある、監修・冨田和成氏のメッセージを読んでみてほしいのです。現場で頑張っている人を応援するような書籍を作りたいと思いが制作陣みんなにありました。金融パーソンのモチベーションを上げる処方箋ともいえる本書ですが、金融業界以外の人にもきっと響くはずです。
では実際、どのようにすれば結果を出し、モチベーションを上げられるのか。今回は、金融営業の重要な分野である富裕層営業に着目し、冨田氏が実践していたものを中心に、結果につながるノウハウを集約しました。金融以外にも通用するものも盛りだくさんですので、営業の方は必見です。
(編集担当 西田侑加)