【本の要約サービスflier×日経ビジネス 記事をより深く知るための3冊】
あなたの会社は大丈夫? 会社の将来性は「社風」次第?!

要約を通してビジネストレンドに気軽に触れることができる、flier×日経ビジネスの「現代をより深く知るための3冊」。今回のテーマは、日経ビジネス読者の注目を集めた特集『「社風」とは何か』です。
「社風」や「カルチャー」は、企業の将来性を示すものとして注目を集めています。不祥事を起こした会社が、その原因として「あしき社風」をあげることも。会社の将来性も働きやすさも社風次第ならば、自分に合った社風の会社を見つける事はとても重要です。そして、今いる会社の良き社風を守り、会社のさらなる成長を目指すには——。フライヤー の要約からは、その会社ならではのカルチャーを育むためのヒントを与えてくれる3冊をピックアップしました。
日経ビジネスは特集『「社風」とは何か』で「社風」について考えました(週刊日経ビジネスでは8月16日号特集「良い社風 悪い社風」として掲載)。
企業などで働く中で、「うちの会社の社風は……」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。では社風とはいったいどういったものでしょうか。特集記事では社風を以下のように定義しています。
採用支援ツールを手掛けるミツカリ(東京・渋谷)によると、社風とは「従業員が感じる会社の雰囲気や特徴」を指すという。似たような意味で使われる組織風土は「従業員間で共通の認識とされる規則や価値観など」、企業文化は「従業員間で共有されている信念や前提条件、ルールなど」と定義されている。「社風は組織風土と企業文化から影響を受けている」(ミツカリ)という。
元日本銀行審議役で『“社風”の正体』の著者である植村修一氏は「社風は、時間の経過で何となく醸成される腸内細菌みたいなもの。善玉菌にも悪玉菌にもなる」と指摘する。
最近では不祥事が明らかになった企業が、その原因として「あしき社風」の存在をあげるケースが増えています。
例えば、今年6月、長崎製作所で鉄道車両向けの空調装置や空気圧縮機を対象に長期にわたる組織的な検査不正をしていたことが発覚した三菱電機もその1社です。社長を務めていた杉山武史氏が引責辞任する事態にまで発展しました。
日経ビジネスの特集では、不正の温床として「上にものが言えない」という同社の社風の存在が浮かび上がってくるとしています。
一方で「良い社風」を培ってきた企業の間でも、その社風を維持したり、より良い社風を追求したりする動きが広がっています。
戦後に成長してきた日本企業は年功序列と終身雇用という働き方によって、家族的な社風をつくり上げてきました。しかし、ジョブ制の採用など働き方が以前よりも多様になっている中で、改めて企業内にある雰囲気や文化を見直し、その企業が目指す目標と一致させる必要性が高まっているといえるでしょう。
日経ビジネスの特集では京セラやTOTOなど社風の改革や維持に力を注ぐ企業のケースを取り上げています。また自分と所属する組織の社風を知り、相性を診断する簡易的なテストも掲載しています。
では、良い文化を持つ組織をつくるにはどうすればいいのでしょうか。また、自分に合う社風を持つ組織を見つけるにはどうすればいいのでしょうか。そのヒントとなるのが、以下の2冊です。
併せて読みたい『カルチャーモデル最高の組織文化のつくり方』


併せて読みたい『THE CULTURE CODE』


日経ビジネスの特集ではスマホ決済事業を手掛けるpring(プリン、東京・港)の独特の社風についても紹介しています。今年7月、米グーグルが日本での金融事業参入の足掛かりとしてプリンを買収したことが話題を呼びました。同社の企業文化について荻原充彦CEO(最高経営責任者)は「目指すのはプロスポーツ選手のようなマインド。全員が『勝つ』という目的以外ない、そんな組織を目標にしている」と特集で語っています。
同社を買収したグーグルが重視しているのが、組織に参加している誰もが気兼ねなく意見を言い合える「心理的安全性」です。チームの心理的安全性をどのように構築するのかを紹介しているのが以下の書籍です。
併せて読みたい『心理的安全性のつくりかた』


「社風」は目に見えず、その存在が組織に及ぼす影響もはっきりとはしません。しかし、前述の働き方の変化に加えて、企業が従業員や地域社会など様々な利害関係者に配慮しなければならない時代になってきていることもあり、良い社風がなければ不祥事などが起きかねず、成長も難しくなってしまいます。より多くの人の幸福を追求する上でも、社風について考えることが不可欠になっているといえるでしょう。

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