【週間ランキング】
あなた自身の「思考地図」を描けますか?
2021/3/1 〜 3/7

「ちゃんと考えましたか?」とだけ問われるとなんとなくムッとしますが、「ちゃんと考える」とは何かを考えると、なかなかの難題であることに気づく。
めまぐるしく変化する世の中にただ流されるばかりにならないためには、自分の足でしっかりと立ち、地図を描けるようになる必要があります。その能力は今後ますます求められることでしょう。図らずも、ゆるく連関した「思考」の3冊が今週のベスト3となりました。
第1位 『具体⇄抽象トレーニング』


2週連続で1位は『具体⇄抽象トレーニング』でした! 書店でも長く注目されている本ですが、「思考力」と「トレーニング」のマッシュアップはやはり目を引くようです。
本書では「抽象化はWhy、具体化はHow」と説きます。「そもそもこの問題は何なのか」と全体を俯瞰することと、「どうやって解決するのか」と細部に入り込むこと。前者がなければ場当たり的な解決ばかりになるし、後者がなければ個別の事情を理解することができない。本書の29の演習問題を使って、両方の視座を往復できるようになりましょう!
高橋真哉さん(@takahashisny)の学びメモ
抽象化する事は大事ではあるが、抽象化して伝えるだけでは伝わらない。そのロジックをどのように共有するかが大事ということか。
確かに議論が噛み合わない理由としてレベル感がズレている事が原因ということが思い返せる。
自分は抽象化されており、相手は具体で捉えている事が原因というのは、これまで理解出来ていなかった。
確かに相手には具体で話せと求めるのに、自分は抽象的な話をしてそのギャップが上手く進まないことの理由である。
その事をコミュニケーションでどうにかしてきたが、今後どうにもならなくならので自分変わらないとヤバいですね。
購入して実践します。
toshiokunさん(@1a741b77a0b217e9)の学びメモ
自分のことは個別具体的に捉えるのに、他人のことは一般的にレッテル貼りしてしまうのは本当によくあることである。
できる限り自分のことはむしろ一般的な事象と捉えて課題解決し、他人の悩みは個別具体的に捉えて真摯に向き合う姿勢が大事だと気付かされた。
第2位 『対比思考』


2位にランクインしたのは、『対比思考』です。1位の本の提示する「具体化」について、こちらの本はイノベーションのアイデアを生む「対比」という「型」でアプローチしているといえるでしょう。
たとえば、ガリガリ君コーンポタージュ味に代表される、正反対のものを取り入れる「対極的対比」。もちろん、こうした自分の考えを「垂直的対比」によって抽象化することも大事であるとしています。
対比思考のメガネでものごとを見られるようになれば、無用なパターナリズムに陥ることを避け、豊かな視点を得られることでしょう。
ukaさん(@1a9bbcdb2b9d16e4)の学びメモ
思考にも型があり、型を学んで型を意識したアウトプットをすることで、自らの嗜好やその発言が整うというのはイメージができる。
対比思考はわかりやすく、アウトプットの実践もしやすそうだが、その前提として、ここでも指摘されている意見と人格を切り分けるという点の徹底が必要で、意見を純粋に意見として受け止めてもらえる土壌がない限りは、日本人的な思考と発言からの脱却が難しいだろう。米国ではこの点が小学校教育から徹底して伝えられていると感じているので、少なくとも家庭内では意識してやっていきたいところ。
第3位 『エマニュエル・トッドの思考地図』


そして第3位は、『エマニュエル・トッドの思考地図』でした。一人の現代の知性が世界を捉える思考法の一端をのぞいてみましょう。
トッド氏によると、思考とは創造的知性のこと。そのためには、思考モデルの基礎となる知識をインプットし続けることが大切です。そうしてひたすらにデータを蓄積していくと、ある日突然ひらめきがやってくる。それは、ある現象と現象との間に存在する関係性の「発見」であり、それが思考の本質。本書ではこの思考法をさまざまな個別具体的な事象に当てはめて説明していきます。
Whyの抽象化と対比思考は、日々の入力の果てに引かれる補助線であることがわかります。
てるこさん(@terukokkoppp)の学びメモ
改めて「思考」の大切さを感じた。最近はアウトプットありきで、インプットよりアウトプットの量を増やす、というアウトプット術をよく見聞きしていたように思う。それを受けて私は「思考」のフェーズをないがしろにしてしまっていた。反省。
また、著者は大量のデータの蓄積が結びついて大きな発見につながる、と言う。仕事ではどうしても短期的な成果のためのインプットになってしまうが、これを積み重ねることで、歴史的とは言わずとも、著者と似たような「昔インプットしたあれと結びついて新しいアイディアを思いついた!」という体験ができるだろうか。してみたい。
以上、2021年3月1日~3月7日のベスト3を紹介しました。次週もお楽しみに!