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【検証】アップルウォッチは「買い」か?
本から占うポスト・ジョブズ時代のアップル

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苅田明史
【検証】アップルウォッチは「買い」か?

米アップルの腕時計型のウェアラブル端末、アップルウォッチが2015年4月24日にいよいよ発売となる。

タブレット端末のときと同じように、発表直後は「スマートフォンがあるから要らない」などの声も聞かれたが、蓋をあけてみると予約が殺到。商品の出荷まで1カ月以上待たされる状況になっているという。

とは言え、現段階では流行りもの好きの一部のアップルマニアが購入しているのも事実。「一体どうやって使えばいいか分からない」「アップルも今回ばかりは成功できないのでは」という見方をする人も少なくない。

特にアップルウォッチはジョブズ亡きあとのアップルが市場に送り込む、まったく新しいデバイスだ。iPhoneやiPadとは異なり、すでに成功した製品のブラッシュアップではない点が、消費者に不安を抱かせている面もあるだろう。

果たして、ジョブズ亡きあとのアップルは、これからも世界を変えていけるのだろうか。

今回はこれまでアップルについて書かれた書籍の歴史を辿ることで、アップルウォッチの成否を占ってみたい。

william87/iStock Editorial/Thinkstock

アップル本の歴史を紐解く

まずご紹介したいのが、アップル社内を無制限で取材できた唯一のジャーナリストであり、世界的なベンチャーキャピタリストでもあるマイケル・モーリッツが著した、アップル本の「原点」であり「原典」。

アップルⅠ・Ⅱなど既にレガシーとなった製品の開発までを中心に描いているが、「世界を変えてやる」と意気込むジョブズのベンチャースピリットが表れており、アップル本のなかでも最も熱量が感じられる一冊。

スティーブ・ジョブズの王国
スティーブ・ジョブズの王国
マイケル・モーリッツ,林信行(監修),青木榮一(訳)
プレジデント社
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スティーブ・ジョブズの王国
スティーブ・ジョブズの王国
著者
マイケル・モーリッツ林信行(監修)青木榮一(訳)
出版社
プレジデント社
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ジョブズ本の登場

一度はアップルを追放されたジョブズだったが、同社の危機的状況を救うべく、1996年に復帰。その後、アップルはiMacやiPodのヒットによって驚異的な回復を見せ、ジョブズ個人の創造性やプレゼンテーションスキルなどに注目が集まった。

スティーブ・ジョブズ I
スティーブ・ジョブズ I
ウォルター・アイザックソン 井口耕二(訳)
講談社
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スティーブ・ジョブズ I
スティーブ・ジョブズ I
著者
ウォルター・アイザックソン 井口耕二(訳)
出版社
講談社
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発明の天才と称されるジョブズはけっして聖人ではない。他人を完膚なきまでに罵倒するなど荒々しい一面も持つ。尖ったキャラクターを持つジョブズは、なんとマンガにもなっている。

スティーブ・ジョブズ(1) (KCデラックス)
スティーブ・ジョブズ(1) (KCデラックス)
ヤマザキマリ ウォルター・アイザックソン(原著)
講談社
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スティーブ・ジョブズ(1) (KCデラックス)
スティーブ・ジョブズ(1) (KCデラックス)
著者
ヤマザキマリ ウォルター・アイザックソン(原著)
出版社
講談社
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ポスト・ジョブズ本

2011年にジョブズが膵臓がんで亡くなると、世界一のイノベーターを失ったアップルの将来を悲観する書籍が多数発表されるようになった。

かつては経営者同士も仲が良かったとされるグーグルとは、スマートフォン市場で争うようになってから関係が悪化。サムスンとの法廷闘争も続くなか、Android陣営の優勢を伝える本が増えていく。

実はアップル製品には日本企業が供給する部品がかなりの割合を占めている。日本企業にとってアップルと手を組むメリット、そしてリスクとは?

アップル帝国の正体
アップル帝国の正体
後藤直義,森川潤
文藝春秋
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アップル帝国の正体
アップル帝国の正体
著者
後藤直義森川潤
出版社
文藝春秋
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伝説的なジョブズのiPhone発表プレゼンを受け、グーグルのアンドロイド開発チームは打ちひしがれるも、そこからiPhoneに肩を並べるまでに成長。熾烈なドッグファイトが繰り広げられる。

アップルvs.グーグル
アップルvs.グーグル
フレッド・ボーゲルスタイン,依田卓巳(訳)
新潮社
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アップルvs.グーグル
アップルvs.グーグル
著者
フレッド・ボーゲルスタイン依田卓巳(訳)
出版社
新潮社
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アップルの現CEOティム・クックが「寝言だ」と名指しで批判したと言われる本書。しかし本書の細部にわたる調査や分析は現経営陣が陥っている苦境を白日の下に晒している。

沈みゆく帝国
沈みゆく帝国
ケイン岩谷ゆかり,井口耕二(訳),外村仁(解説)
日経BP
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沈みゆく帝国
沈みゆく帝国
著者
ケイン岩谷ゆかり井口耕二(訳)外村仁(解説)
出版社
日経BP
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本当に残したもの、組織・製品・デザイン

ジョブズ亡きあと、いくつかの本が指摘していたような失速の傾向は確かに見られたものの、相変わらず業績は好調で株価も最高値を更新している。ジョブズが残した遺産、アップルの組織としての優位性、という切り口の書籍が相次いで出版されるようになった。

なかでもアップルの天才デザイナー、ジョナサン・アイブはジョブズの精神を理解しているだけでなく、いまやジョブズよりも欠かせない重要人物としてますます注目が集まっている。

インサイド・アップル
インサイド・アップル
アダム・ラシンスキー,依田卓巳(訳)
早川書房
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インサイド・アップル
インサイド・アップル
著者
アダム・ラシンスキー依田卓巳(訳)
出版社
早川書房
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スティーブ・ジョブズがデザインしていた未来
スティーブ・ジョブズがデザインしていた未来
川北蒼
総合法令出版
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スティーブ・ジョブズがデザインしていた未来
スティーブ・ジョブズがデザインしていた未来
著者
川北蒼
出版社
総合法令出版
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ジョナサン・アイブ
ジョナサン・アイブ
リーアンダー・ケイニー,関美和(訳),林信行日本語版(序文)
日経BP
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ジョナサン・アイブ
ジョナサン・アイブ
著者
リーアンダー・ケイニー関美和(訳)林信行日本語版(序文)
出版社
日経BP
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結論「アップルウォッチ」は期待を裏切らない

AdrianHancu/iStock Editorial/Thinkstock

ジョブズの後を継いだ現アップルCEOのティム・クックは、ジョブズを超えられないのではないかと多くのメディアが疑問を投げかけている。元々管理畑の人間で、多くの人が彼は計数に強いこととゲイであることしか知らない。

しかし、デザインには素晴らしいデザイナー、アイブがいる。先の『ジョナサン・アイブ』を読めば分かるとおり、デザイン主導で生み出されたアップル製品は単なる電子機器を超えた芸術品であり、その開発を担う社内外の組織は十分に整備されている。ゆえに、今ではジョブズ後もアップルは世界を変える製品を産み出せるはず、という見方も強くなってきた。

アップルウォッチを手にした人がそのことを再証明してくれると期待したい。

公開日:2015/04/23