人間、できれば失敗をせずに生きていきたいものです。
ですが、失敗がまったくない人生なんてありえないのも事実。
それならば、失敗をネガティブなものとしてとらえず、絶好の学びの機会として考えたほうが「お得」というものです。
今回の特集では、「失敗から多くを学ぶため」、そして「失敗に潰されないようにするため」の本を集めてみました。
人は自分の失敗からも、他人の失敗からも、多くを学べるようにできています。
過去の失敗をふりかえり、それを己の糧にすることができれば、気持ちの良い新年を迎えることができるはず。
年の瀬の今だからこそ、ぜひお目通しいただきたい5冊です。
「申し訳なかった。心底、そう思っている」という一文からはじまる本書は、現役コンサルタントの著者による懺悔の書であるとともに、彼らの掲げる経営理論の多くがまちがえていることを告発する、痛烈な一冊でもあります。
実りのある議論を行ない、結果に結びつけるために本当にすべきことは何なのか。
30年間、経営コンサルタントという「芝居」を続けてきた著者だからこそ書くことができた、
「コンサルティング業務の望ましいあり方」がここにあります。
FAILING FAST
ニコラス・カールソン,長谷川圭(訳)
KADOKAWA
かつて、インターネットといえばヤフーという時代がありました。
しかしグーグルやフェイスブックなどの台頭により、アメリカでのヤフーのプレゼンスは下がる一方。
2012年にCEOに就任したマリッサ・メイヤーも、ヤフーの復権のためにさまざまな手段を講じるのですが、ことごとく失敗に終わってしまいます。
それでも彼女の心が折れないのは、「失敗は悪ではない」という信条、そして「FAILING FAST」(失敗はできるだけ早く)という考えによるところが大きいのでしょう。
ヤフーの創業から今日にいたるまでの変遷が主な内容ではありますが、それと同時に、失敗に向き合う態度についても考えさせられる一冊です。
堀江貴文、通称「ホリエモン」。
一時は「時代の寵児」として持ち上げられた彼ですが、その後、証券取引法違反で逮捕され、懲役2年6カ月の実刑判決を受けたことはまだ記憶に新しいところ。
ですが、逮捕されて「ゼロ」の状態に戻ってしまっても、そこから再び「イチ」を積み上げていこうとする彼の生き方からは、きっとある種の清々しさと力強さが感じられるはずです。
信用の「ゼロからイチ」は、まず自分で自分を信じるところから。
本書を読むことで、信頼を積み上げていくことの重要性、そしてなによりも、自分で自分を信頼することの大切さが痛感できることでしょう。
チャレンジをするということは、それだけリスクを負うことでもあります。
だからこそ、経営者を志すものであれば、「倒産」に関する正しい知識が必要になります。
本書は、中小企業診断士・認定事業再生士である著者が、自身の夫が経営する会社の倒産に立ち会ったところから始まります。
経営者にとって本来は重要であるはずの「会社の終わらせ方」ですが、日本社会においてはタブーと見なされ、あまりおおっぴらには語られていません。
そんな現状に疑問を呈し、廃業と再起について積極的に考えるべきだと主張する本書は、中小企業経営者にとって必読の一冊だと言えるでしょう。
いくら「失敗は悪いことではない」と言われても、失敗すれば傷つきますし、ときには立ち直れなくなるほどショックを受けることもあります。
そんなときに求められるのが、失敗をひきずらず、つらい経験やストレスを糧に、前進していく力。
落ち込んだ心をもとの状態に回復させるだけではなく、いまよりさらに良い状態にしたいのであれば、ぜひとも本書を手にとってみてください。
高いパフォーマンスを、「長く維持する」ための秘密、ここに揃っています。