親が子どもに贈りたい本5冊
7月第4日曜日は「親子の日」!


ご存知でしたか? 7月の第4日曜日は「親子の日」です。
「親と子の関係を見つめ、生をうけたことを感謝できる社会を築こう」と、写真家のブルース・オズボーン氏が発案した記念日だそうです(日本記念日協会HPより)。
この記念日にちなみ、TSUTAYAなどの書店で、全国的に「親子の日」に″本を贈ろう″というフェアも展開されています。(特設サイトはこちら)
というわけで、今回は「親が子どもに贈りたい本」をテーマにして選書してみたいと思います。中高生以上の子どもさんを想定して、フライヤーで紹介されているノンフィクション作品を中心に集めてみました。
とはいえどの本も、大人が読んでも読みごたえのあるものばかり。実際に親であってもなくても、年少の方におすすめしたり、ご自分で楽しんだり……というふうにお役立ていただければうれしいです。


通勤・通学のとき、ほとんどの方が毎日のように目にしているであろう、雑草。たくましいイメージがある雑草ですが、じつは植物の世界では生存競争に負けてしまう弱者なのだそうです。そのため、強者たちが集まる森を逃げ出して、道端や畑で繁栄しているのだといいます。
雑草が生き抜くための工夫を植物学的に解説しつつ、さらに発展させて人間社会における一人ひとりの「生き方」までも語る本書は、期待を上回る大きな感動を与えてくれます!


身近な存在を科学する心をもった人たちがいなければ、今日の科学技術の発展もなかったでしょう。そして視点を未来に向けてみれば、今の子どもたちが大人になった頃には、どのような技術が私たちの生活を変えているのか、気になるところです。
本書は、iPS細胞の発見で著名な山中伸弥氏と「永世七冠」の棋士羽生善治氏が、最先端の生命科学やAIの世界について対談する一冊です。親子でいっしょに読んで、未来についてアレコレ想像するのも楽しいかもしれません。


こちらも、未来の方を向いた書籍です。意見や立場が異なる人たちが共に暮らしていくにはどうすればいいか、ということを出発点に、政治という営みについて考えます。豊島岡女子学園中学・高等学校において行われた、著者の5回の講義がもとになっています。
未来への希望は人や社会を変えていく。そうした希望の種をこれからの社会を担う人に届けたい。本書にはそうした熱い思いが込められています。18歳から選挙に参加できるようになった今、若い方たちによきガイドとして手渡したい一冊です。


大人たちの社会が抱える課題は、子どもたちの身の周りにも地続きに存在しています。英国在住の著者が描き出す「息子」の中学校生活には、貧困や人種差別などが当たり前にあります。タイトルは、アイルランド人と日本人のハーフである「息子」が、ノートの端に落書きしていたという言葉です。
けれど、「息子」と友人たちは、たくましく爽やかにスクールライフをエンジョイします。海の向こうの同世代の奮闘ぶりは、必ず子どもたちに勇気と共感を与えてくれるはず。おすすめです。


こちらはまさに、「親が子どもに贈りたい本」というテーマにおいて定番中の定番、ど真ん中の作品といえるでしょう。先にご紹介した『未来をはじめる』のあとがきにも、著者の宇野重規氏が「この本は、私なりの『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)の続編なのです」と述べておられます。近年漫画版が大ヒットしたので、タイトルをご存知の方も多いかもしれません。
内容は、コペル君というあだ名の15歳の少年の日常と、彼に向けた叔父さんの「ノート」が交互に展開していくというものです。コペル君が、友人や叔父さんとの交流を重ねながら精神的に成熟していく様子は、読み手の心に強く訴えるものがあります。
いかがでしょうか。実際に手渡してみたいという本が見つかりましたら、そして本が若い方との絆を深めるきっかけになりましたら、とてもうれしいです!
「親子の日」についてもっと知りたい!という方は、こちらもぜひご参照ください。
