少年院にはケーキを等分できない子どもたちがいる――。それは罪を犯したかれらだけの問題ではありません。非行の原因となったのは、「見る力」「聞く力」が弱く「目標を立てることが苦手」で「等身大の自分がわからない」、その認知力の低さだと著者は言います。対人関係がうまくいかないのは隠れた知的障害のせいかもしれない。一歩引いて、自分と他者のふるまいを見つめ直してみませんか。
上司にどう伝えても提案を受け入れてもらえない……。組織のなかで多くの人が抱える「わかりあえなさ」の背後には、スキルでは解決できない4つの「適応課題」がある、と著者は書きます。これは他者同士における関係性の問題であり、お互いが大事にしているものがかち合っているときに発生する。そんなとき、まずはあなた自身が変わってみること。そのためには、「わかりあえなさ」の地点から対話を開いていく必要があります。
最後に、少し俯瞰的に「人を愛すること」とは何かを語る名著を紹介します。多くの人は「愛」を「愛されることの問題」だと捉え、人に好かれるふるまいをしようと心がけます。そうした人は集団生活を円滑に営めるかもしれません。しかしフロムは、これを「商品化された人格」であるとし、本当の孤独を癒すものではないとします。「愛すること」は、かけがえのない「あなた」が豊かに他者と生きるために、習練をして手に入れる技術なのです。
他人と生きていくためには、自分自身をも深く知ることが大切――。それがわかっていても、自分を見つめ直すことはなかなか難しいです。ひとりで悩む前に、まずはこうした本たちの声に耳を傾けてみませんか。