いかにアーティストの思考を得るのか『アート思考』
【NetGalley Japan】


内容紹介
これまでビジネスの世界では、 ロジカルシンキング(論理的思考)、 クリティカルシンキング(批判的思考)が 最重要視されてきました。 また、現存の課題を解決するためのデザイン思考も脚光を浴びています。
「VUCA」の時代、すなわち Volatility(変動性・不安定さ)、 Uncertainty(不確実性・不確定さ)、 Complexity(複雑性)、 Ambiguity(曖昧性・不明確さ) の時代には、 今までの思考法は通用しません。
そこで、既存の仕組みに囚われず、 アーティストのように思考し、行動することが重要になります。 では、どうすればアーティストのような思考を得ることができるのか。
このテーマを追求すべく企画されたのが同書『アート思考』です。 書き手は、香川県の直島アートプロジェクト、 石川県の金沢21世紀美術館などを成功に導き、 現在は東京藝術大学大学美術館館長・教授、 練馬美術館館長として活動する秋元雄史氏で、 アートとビジネスの関係性を知り尽くしたプロです。
付録「注目すべき現代アーティストたち」を含め、 ビジネスパーソンが教養として知るべき「アートの最前線」がわかる1冊です。 まずはアート思考の特徴を一部紹介します。
○アートは「最先端の思考」と「感性の技術」である
○シリコンバレーのCEOたちが実践している
○イノベーティブな発想を生む 「問い」の立て方がわかる
○直感、感性はトレーニングで高めることができる
○社会をサバイブする知性を獲得する方法である
アップルの故スティーブ・ジョブズ、旧ヤフーのマリッサ・メイヤーなどテクノロジーを牽引する経営者は、アートから多くのヒントを得て、仕事に生かしていました。
現代アートの最前線で活躍する著者が、 ビジネスとアートをつなげるこれからの新しい思考法を提示します。


NetGalley会員レビュー
アーティストの視点、考え方、そして表現。どれをとっても自分には理解できないかもしれないと考え、敷居が高いどころか遠い世界と捉えていました。
しかしこの本で著者は、それをどう考えたら良いのか導いてくれます。まさにアート思考の道標のような一冊です。また、ビジネスへの転換においても、切り口や着眼点の固定化からの脱却に悩むビジネスパーソンの脳に効く一冊ともいえるでしょう。
まずは野に出て、凝り固まった考え癖のようなものから抜け出すために、自分の心を解放して現代アートと向き合いたくなりました。
なぜいまアート思考なのか?
昨今、問題提供や問題解決の二面性で取り組むデザイン思考が何かと取り上げられている。メリットやベネフィット、ペルソナなど、多角的な角度から思考するデザインはアートと言えるだろうか?
私が本を読み進めた見解を噛み砕けば、答えはNOである。著者によると、アートは本来、自由な交流の場であるという。
アートとは場である。どこの場で生きているかが問われる。そして、置かれた場所で咲かなくてもいい!
そんな強烈なメッセージと孤独のマインドに生きるアーティストの生き様や表現が印象的だ。
ビジネスの中にアートがあるのか? アートの中にビジネスを見るのか? あなたはどっち? そんなメッセージを突きつけられる1冊である。
冒頭から「アートとビジネスは異なるもの」「実利的には直結しない」と断言されていて、一気に引き込まれた。
それを踏まえた上で、アート思考とは何か、ビジネスとどうつながるのか、と掘り下げていく。
目まぐるしく変わる価値観に対応しながらサービスを提供するということは、いわば頻繁にクライアントが変わるということ。その時、個々のクライアントから投げられる問題をデザインして解いていくのには限界が来る。
ならば、クライアントたちに共通する問題を先回りして考えて作りだせばいい。その考え方が、自分を取り巻く社会や環境の問題点を探り、孤独にひたすら自己探求を続ける「炭鉱のカナリア」とも呼ばれるアーティストの思考と結びつく。
分析の時代は終わった。もっと内側にある、根本的で本質的な問いを立てようと提案する。もっとも、この作業はそんなに簡単に得られるものではないから往々にして困難を伴う。そうしたなかで、著者は、わからないものに対して自分なりに粘り強く考え続ける態度がアート思考の本質であると断言する。
アートもビジネスも一日にしてならず。ため息が出そうになるが、それが現代アートに深く触れることで鍛えられるという著者の主張を読んで希望が湧いた。そして、現代アートを鑑賞することが楽しいという思いでアートにふれたいと思った。
ロジカルに考えてもデザインしても越えられない壁は、アートで飛び越えろ。
本書を読むだけで、既に1つブレイクスルーできる本。ビジネスと美術、両方の目が養えて素晴らしかったです。
アートに情熱を捧げるビジネスパーソンが増加し、商用的価値を提唱する者もいる。作品に交換価値を認め、投資目的で購入する場として、アート市場は成長し続けているが、アート自体にビジネス要素は含まれていない。
現代アートについて考える時、思想や文化などを背景に、鑑賞者は作者や作品と対話し、アートの本質的な価値を見極める作業を何度も重ねる。交換価値としてのアートから投資対象へ変化しつつあるマーケットの作品にも、人々がその作品を美術品・芸術品として捉えることで、新しいものの考え方や視点が発見できることを、この本は教えてくれるだろう。


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