
基礎知識から有名事例まで
ビジネスの現場でよく聞かれる「ブランド」「ブランディング」という言葉。いずれも、自社や自社商品の知名度や売上を上げたりする施策を検討する際に不可欠な概念です。あなたはその意味を正確に理解していますか?
そこで本記事では、ブランディングの基本から応用、有名事例までを学べるおすすめの本をピックアップしました。気になるものがあったら、ぜひ手に取ってみてください。
ライター・フライヤー編集部


「そもそもブランディングって何?」「ブランディングを学びたいけれど、いったい何から始めればいいの?」という方には、まず『この1冊ですべてわかる 新版 ブランディングの基本』(安原智樹著)をおすすめします。
本書では、ブランディングを「利用者のブランドへの反響行動が、提供者のリターンとなって返ってくる仕組み」と定義しています。反響行動とは、少し価格が高くても利用する、知り合いに推奨する、今後も継続利用するといった「提供者に望ましい、ブランドに対する利用者の自発的な行動」のこと。
ブランディングについて知りたいなら、ブランディングの定義から実務に必要な知識まで学べる本書をぜひ手に取ってみてください。


ブランディングのお手本にしたい企業としてよく例に挙げられるスターバックス。「スターバックスはいったいなぜ、強いブランドを築くことができたのだろう?」という疑問を解消してくれるのが『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』です。
本書では、スターバックスのマーケティング担当だった著者、ジョン・ムーア氏が、スターバックスを成功に導いた46のルールを紹介してくれる一冊。これらのルールは、これまで文書化されることのなかった、いわば“秘伝”のノウハウで、マーケティング&ブランディング、サービス、人材育成の3つのカテゴリに分けられています。
強固なブランドがどのような信念のもとにつくられてきたのかを、楽しく学べる一冊です。


強いブランドが築かれた過程を知りたい方に、もう一冊おすすめしたいのは、『P&Gウェイ』(デーヴィス・ダイアー/フレデリック・ダルゼル/ロウェナ・オレガリオ著)。誰もが知るPGが、ブランド戦略を軸に据えて世界展開を進める過程を描いた本です。
P&Gが現在のような確固たるブランドを構築するきっかけとなったのは、アイボリーという石鹸でした。P&Gは、雑誌広告を通じてアイボリーを売り込み、消費者とコミュニケーションをとることにより、アイボリーと消費者との新しい関係性を構築したのです。この「ブランド力でマスマーケティングに切り込んでいく」手法はその後、P&G社の基本的な戦術となりました。
P&Gのストーリーを追いながら、ブランディングの考え方を学べる本書。事例から学びたい方におすすめのブランディング本です。


『「誘う」ブランド』(ダリル・ウェーバー著)は、ブランド戦略コンサルタントである著者が、神経科学の知見に基づいてブランディングを語る一冊。
著者によると、私たちは「なんとなく」意思決定をし、商品やサービスを選んでるそう。そして、その「なんとなく」の意思決定を行わせているものの正体は「ブランド・ファンタジー」であるとします。ブランドとは消費者の心の中にある連想の集まりであり、そうした連想を大量に寄せ集めたものが「ブランド・ファンタジー」なのです。
人に買わせる「『誘う』ブランド」をつくるにはどうすればいいのか――。本書はこの問いの答えをくれるとともに、あなたの知的好奇心を大いにくすぐることでしょう。


ブランディングとは、企業の指針を決める「経営戦略」であり、企業規模にかかわらず不可欠のものだ――。このメッセージが印象的なブランディングのおすすめ本は『ブランディング・ファースト』(宮村岳志著)です。
本書におけるブランドの定義は「柱」。プロダクトとともに企業という構造体を支える、経営者や企業の強い思いだとされています。一方で、企業の中にある、「柱にしたいもの」「柱になるべきもの」を、誰もが納得するようなブランドとして確立させるための施策が「ブランディング」です。
本書によると、ブランディングとは単に広告宣伝を行うことではありません。企業や組織の宝物をまずブランドに育て上げる「ブランディング・ファースト」こそが重要だとされています。
ブランディングとは何で、いかに重要なものなのかをまず理解したい方には、本書がおすすめです。本書で得た知識は、社内でブランディングプロジェクトを立ち上げたいときや、ブランディング施策に予算をかけたいときなどに、上司や同僚を説得する材料として大いに役立ってくれるはずです。


商品やサービスがなかなか売れない――。この悩みを解決したい方におすすめするブランディング本は『売らずに売る技術』(小山田裕哉著)です。
本書の副題は「高級ブランドに学ぶ安売りせずに売る秘密」。
スマートフォンが普及し、店先で簡単に口コミや他店との価格の違いを検索できるようになった現代において、消費者にモノを買ってもらうのはますます困難になりました。
そんな時代にあっても、安売りすることなく、飛ぶようにモノが売れているのが「ラグジュアリーブランド」です。なぜラグジュアリーブランドは安売りせずともモノがどんどん売れるのか? メルセデスはなぜ、エンジン工場をネットで公開したのか? ミレニアルズの消費意欲が薄いのはなぜ? 目の肥えた現代の消費者にモノを買わせるには?
本書では、これらの問いについて、「ブランド」の観点から紐解きます。ブランドと消費行動の本質的な関係を学びたい方におすすめの一冊です。


身近な商品のブランディングストーリーを知りたいなら、『今治タオル 奇跡の復活』をおすすめします。クリエイティブディレクター/アートディレクターであり、今治タオルのブランディング・プロジェクトを手がけた佐藤可士和さんが、同プロジェクトで採用した戦略を明かした一冊です。
本書で特に印象的なのは、佐藤さんがブランディング・プロジェクトの流れを解説したパート。
佐藤さんによると、ブランディング・プロジェクトの初期段階では「好み」よりも「わかりやすさ」を優先させるべきです。プロダクトの本質的価値を検証し、研ぎ澄ませた後、シンプルで明快なコンセプトとしてまとめ、わかりやすいかたちでプレゼンテーションしていく。それが佐藤さん流のブランディング・プロジェクトの流れです。
生産数量が5分の1にまで落ち込んでいた今治タオルは、どのように復活を遂げたのか。そのストーリーをドラマとして楽しみながら、ブランディングについて学べる一冊です。


事例やストーリーをもとにブランディングについて学びたい方におすすめしたいのは『あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか?』(上阪徹著)です。
バンカラなイメージを抱かれがちだった明治大学は、2010年、それまで12年連続で大学受験志願者数No.1だった早稲田大学を追い抜いて、トップの座に立ちました。いったいなぜ、明治大学はそれまでのイメージを覆し、高校生に選ばれるようになったのか――。その軌跡がまとめられているのが本書です。
ブランディング施策の一つとして紹介されているのは、日本初の大学高層ビル「リバティタワー」の建設です。高さ120メートル、地上23階、地下3階のこのタワーは、創立120周年記念事業として1998年に建てられました。その背景には、高層タワーの建築によって最先端の設備を備え、大学のイメージを刷新したいという学長の想いがありました。
本書を読めば、伝統校のブランディング・プロジェクトの裏には並々ならぬ熱意があったことがわかるでしょう。明治大学の軌跡を知ることで、自社や自社商品のブランディングのヒントを得られるとともに、モチベーションが湧いてくるはずです。


新しいブランド・ブランディングのかたちとして大いに参考になるのが、『D2C』(佐々木康裕著)。D2Cブランドのブランド戦略を知れる一冊です。
D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、中間流通業者を介さず、製造者がダイレクトに消費者と取り引きをするビジネスを指します。D2C市場は、電子商取引が増える中、世界的に拡大を続けています。
Takramディレクター/ビジネスデザイナーである佐々木康裕さんは本書で、D2Cにとってブランドの世界観は非常に重要なものだと指摘します。そして、名だたるD2C企業がいかにブランドの世界観を築き、発信しているかを、興味深い事例とともに丁寧に教えてくれています。
あなたの所属している企業がD2Cブランドでなくても、自社や自社商品のブランディングを考えていくにあたって役立つ知識やヒントが得られること間違いなしです。


教科書的なブランド論ではなく、あくまで現場のブランド論を知りたい方には『実務家ブランド論』をおすすめします。
本書の著者である片山義丈さんは、ダイキン工業株式会社 総務部の広告宣伝グループ長として、統合型マーケティングコミュニケーションによる企業ブランドと商品ブランド構築、広告メディア購入、グローバルグループWEBサイト統括を担当をし、「うるるとさらら」の導入をはじめとした数々のプロジェクトを手がけてきました。
本書で片山さんは、一般的な「教科書ブランド論」(=世にあふれるブランド論や、教科書的な考え方)で論じられているのはごく一部のスーパーブランドに関するものだとし、平凡なブランドに当てはめてもうまくいかないと指摘しています。そしてその前提のもと、自身が現場で悪戦苦闘しながら理解したブランド論を「実務家ブランド論」と名づけ、ブランディングの実践について語ります。
とにかく現場に近いかたちでブランディングを学びたい方におすすめの一冊です。


自社や自社商品ではなく、あなた個人のブランディングを考えたい方におすすめしたいのは『ブランド』です。
本書の著者は、元スターバックスコーヒージャパンCEOの岩田松雄さん。スターバックスのエピソードを交えて、自分のブランドをつくる方法を教えてくれる一冊となっています。
特に注目したいのは、「岩田流ジョハリの窓」というフレームワーク。「自分は知っている/知らない」「他人は知っている/知らない」の2軸で、あなた自身について深掘りしていくフレームワークです。
これからのキャリアに悩んでいる方や、「自分には何の強みもない」と思っている方におすすめの一冊です。
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