孤独死の約7割は男性 『男の孤独死』
【ほんをうえるプロジェクトのイチオシ】

ほんをうえるプロジェクト
男の孤独死
男の孤独死
著者
長尾和宏/著
出版社
ブックマン社
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近頃、ネットの記事で、男の孤独死をテーマにしたものをよく見かける。「孤独死のほとんどが離婚後の中年男性。荒れ果てた単身生活の行く末」「自宅の“ゴミ部屋化”は孤独死の予兆…人知れず死んだ男たちのSOS」「孤独死したバツイチ40代男の最期 横には娘からの手紙が「パパおたんじょうびおめでとう」・・・

本書は、今まで誰も触れてこなかった「男の孤独死」に焦点を絞った本だ。『「平穏死」10の条件』などの著書をもつ医師が書いている。在宅死を薦めている著者が、その裏の側面をまとめたのだ。本書のことを独身の友人に伝えると「でも別に孤独死は絶対悪じゃないよ!」と反駁された。結婚しないと老後が寂しいよ~と人に言われるうちに、孤独死を受け入れる覚悟ができたのかもしれない。

ただ、誤解して欲しくないのは、著者は孤独死そのものを否定しているわけではないということだ。ライオンは老いたら群れから離れて自ら黙って朽ちていくというが、そんな「男らしい」死に様をよしとする考え方があることも、理解している。ただ著者は、死して警察の厄介になり解剖台に上がるような最期は回避したい、という思いで本書をまとめている。

本書を読めば分かるが、いくつかの心得があれば、そんな最期を回避することができる。孤独死は、決して独身者だけの問題ではなく、結婚していても、子どもがいても、大家族と一緒に生活していても、誰にも訪れる可能性がある。昨年、12月に刊行されたばかりで反響も大きいという本書を、独自性、先見性という点で私は多くの人に薦めたいと思った。

HONZでも詳しくご紹介させていただいたので、ぜひそちらのほうもご一読いただきたい(http://honz.jp/articles/-/44576)。そこでも触れたが、男の孤独死の確率を高めているのは「男らしさ」の固定観念なんだと思う。家事が大好きな草食系男子の世代になると、その確率は自然と下がってきて、女性と変わらなくなるのかもしれない。

でも、その狭間の世代(バブル~氷河期世代?)は、孤独死を回避するためには自分自身と戦う必要がある。「男らしさ」を捨てるために。自らを省みると、今年から町内会の役員をやらせていただくことになったし、趣味の競馬の仲間も増えてきたし、スナックの愉しみも覚えてきた。プライベートで作った名刺には、仕事のことなど一切書いてない。人生百年。退職後の時間は長いのだ。

ほんをうえるプロジェクト 吉村博光

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公開日:2018/01/19
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