ぜひ、MBAの教科書に! 『蘇るサバ缶』
【ほんをうえるプロジェクトからのオススメ】

ほんをうえるプロジェクト
蘇るサバ缶 震災と希望と人情商店街
蘇るサバ缶 震災と希望と人情商店街
著者
須田泰成/著
出版社
廣済堂出版
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JR東京駅の新幹線お掃除スタッフの事例が、ハーバード大学経営大学院のMBAの必修科目として採用されたのは記憶に新しい。お掃除の仕事をどのようにモチベートしたのか。経営学の視点で、大変興味深いテーマだったのである。

現在、多くの企業は、CSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)を標榜し、自社の利益だけでなく社会貢献につながる経営を目指している。ただ、その道のりは険しい。本書はその視点でも、地域や社会貢献といった今日的な視点でも、ヒントを与えてくれる。

本書に書かれているのは、泥まみれのサバ缶を石巻から東京の経堂という街に運び、洗って売った復興支援活動の顛末である。メディアでも取り上げられたので、ご存知の方も多いだろう。ただこの活動が、長きに渡り、22万缶にのぼったことはあまり知られてない。

エピソード自体が美しすぎて、そこに流された「膨大な汗」をつい見逃してしまう。それほどまでに人々をつき動かしたのは、一体何だったのだろうか。それについて、私はHONZのレビューで書かせていただいた。

本書を読んで私が見つけたポイントは、真面目なものづくり/地域に愛される企業活動/新しいマネジメントの3つである。この活動のメンバーでもある著者が、生々しく振り返っている。机上の空論ではない、入手困難な情報がつまった草の根のビジネス書なのだ。

真面目なものづくりから生まれる「サバ缶自体の美味しさ」は人々を動かす原動力となった。木の屋石巻水産という企業を愛し、協力を惜しまなかった、地元の方々の力も大きかった。そして最後は、人情商店街「経堂」という場所を拠り所とする新しいマネジメントの形である。

メディアで取り上げられて人々の心が変わっていたら、長続きはしなかっただろう。でもいつも変わらない著者および、経堂に根ざした居酒屋「さばのゆ」がそこにあったからこそ、人々は集い、各自が純粋な気持ちを保つことができたのだ。自社の利益だけを追求する経営の一歩先にある未来を、そこに垣間見た気がした。

ほんをうえるプロジェクト 吉村博光

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公開日:2018/04/13
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