
心をいたわり、気持ちに寄り添う本7冊
誰かのことを思い浮かべながら本を選ぶ時間は、どこかやさしいものです。言葉は、直接は伝えにくい気持ちや「元気でいてね」という想いを、そっと代わりに届けてくれます。 今回は「大切な人に贈りたい本」をテーマに、心をいたわり、視野を広げ、人生に小さな余白をもたらしてくれる7冊を選びました。 忙しいあの人や、がんばり続けてきたあの人へ。そして、自分自身への贈り物としても。今の気持ちにぴたりと重なる一冊が、きっと見つかるはずです。
ライター・矢羽野晶子


本書は20世紀前半に活躍した、イギリスの小説家・戯曲家アーノルド・ベネットによるエッセイです。原題は『How to Live on 24 Hours a Day(1日24時間をいかに生きるか)』。タイトルのとおり、1日24時間の使い方や、時間にまつわる所感が綴られています。
100年前というと、生活スタイルや時間の流れは今とはまったく違います。それなのに、「時間がない」「本当にやりたいことができていない」と焦る気持ちは、現代人と何ら変わりません。人間とはそういう存在なのかもしれませんね。
「朝、目覚めると、あなたの財布にはまっさらな24時間がぎっしりと詰まっている。すべて自分で使える貴重な財産で、誰から取り上げられることも、盗まれることもない」
「やりたいことを始めるときは、『いいことをしよう』と意気込みすぎないこと」
本書には、そんな宝石のような言葉が散りばめられています。忙しいあの人に、「自分の時間も大事にしてね」という想いを込めて、プレゼントしてみてはいかがでしょうか。


日本では「バレンタインデーにチョコレートを贈る」という文化がすっかり定着していますが、チョコレートのことをどのくらい知っていますか?
本書は、「チョコレート」の奥深い世界を教えてくれる一冊。チョコレートの起源や、カカオがチョコレートになるまでのプロセス、美味しさの秘密、健康効果まで、あらゆる側面からその魅力に迫っています。読んでいると、思わずチョコレートを食べたくなってしまう……!
バレンタインデーには、チョコレートと一緒に本書をプレゼントしてはいかがでしょうか。きっと、チョコレートがより一層おいしく、味わい深く感じられることでしょう。


最後に夜空を見上げたのは、いつでしょうか。日々忙しく過ごしていると、暗くなるころにはへとへとで、夜空を見上げる余裕などないかもしれません。
そんな私たちに、著者は「今から一緒に見ましょう」と語りかけ、壮大な宇宙へと連れ出してくれます。「宇宙から見た自分」「命の長さ」「知恵のリレー」など、人間と宇宙の視点を行き来しながら語られる話を読んでいると、せわしなく働いていた頭と心が、すっと落ち着くように感じられます。
「あの星に行くには何年かかるかな」「宇宙人っているのかな」「自分たちはどこから来たのだろうか」。子どものころ、星をぼんやり眺めながら、そんなことを無邪気に考えたのではないでしょうか。
日常の重力から心を解き放ち、広い宇宙へ誘ってくれる一冊です。


世界中で刊行されている大ベストセラー、「ずっとやりたかったことを、やりなさい」シリーズ。本書は、リタイア後、もしくはリタイアを目前にしたシニア世代に向けて書かれた一冊です。
仕事や子育てがひと段落するこの世代は、「時間を持て余す手持無沙汰感」「社会から取り残される不安」「老いへの恐れ」といった共通の悩みに直面します。とはいえ、「人生100年」と考えると、まだまだ先は長い。やみくもに不安がってもいられません。
そこで提案されるのが、自分の中の「創造性」を見つけること、つまり「ずっとやりたかったこと」をやることです。12週間のプログラムを実践することで創造性が目覚め、長年の夢にチャレンジする勇気が湧いてくるのだそうです。
お世話になった年上世代の方に、「まだまだ元気でいてほしい」「これからも活躍を期待している」という願いを込めて、贈ってみてはいかがでしょうか。


人は誰しも、心のどこかで「人生を変えたい」と願っているものですが、それが「朝の1分」で叶うとしたらどうでしょうか。たとえば、次の「モーニング1分ルーティン」。
(1)朝起きたら、コーヒーを飲む代わりに水を1杯飲む。
(2)リビングの電気をできるだけ明るくし、カーテンと窓を開け放つ。
(3)窓辺に座り、陽射しを受ける。
(4)陽射しを浴びながら、少しの間、何もせず頬を撫でる風を感じてみる。
これなら、明日からすぐにでも始められそうではないでしょうか。
本書では30の1分ルーティンが紹介されていますが、「小さな達成感を得る」「他人ではなく1年前の自分と比較し、成長した自分に拍手を送る」といった目的別のルーティンもあり、状況に合わせて選べるのも魅力です。
小さな一歩が、明日の自分を大きく変える――。自分への贈り物に最適な一冊です。


世界三大幸福論のひとつとして、今も世界中で読み継がれている名作です。
著者のアラン(本名:エミール=オーギュスト・シャルティエ)は、19世紀後半に生まれたフランス人。その生涯を哲学教師として過ごし、その合間を縫って、便箋2枚ほどの語録を8年間、毎日、新聞社に送り続けました。アランはその際のペンネームであり、全3098編の語録から、幸福に関するものだけを集めたのが本書『幸福論』です。
ここに記されている言葉は、どれも本質を突き、100年経った今も古さを感じさせません。印象的なのは、「(未来に)幸福になろう」ではなく、「いま、この瞬間が幸福であり、あなたはすでにそれを持っている」という考え方です。幸福とは希望を抱けること。意思を持って、自ら幸福を掴みにいかなければならない、とアランは説きます。
本書を読むと、身体の奥底から力が湧き出てくるような感覚を覚えます。幸も不幸も自分次第。それを教えてくれる一冊です。


岡本太郎をご存じでしょうか。「芸術は爆発だ」という言葉や、1970年に開催された大阪万博のシンボル「太陽の塔」で知られる、日本を代表する芸術家です。
彼は多くの素晴らしい作品を生み出しましたが、作品と同様、その破天荒な生き様や言葉も注目を集めました。岡本太郎の言葉は、まっすぐでエネルギーに満ちあふれ、今を生きる私たちに大きなパワーを授けてくれます。
「やりたいことをやればいい。人に認められようなどと思わないで、己を貫くことだ」
「失敗に悩んでも仕方ない。悩むヒマがあれば、もう一度新しい気持ちでやってみよう」
「人生はキミ自身が決断し、貫かなければならない」
「他人に期待をしてはいけない。期待というのは、自分自身に対して持つものだ」
将来に迷いを抱いている若者や、もう一度花を咲かせたいと願う大人たちの背中を押してくれる名言集。多くの方に、手に取ってもらいたい一冊です。