マインドフルネス瞑想入門の表紙

マインドフルネス瞑想入門

1日10分で自分を浄化する方法


本書の要点

  • マインドフルネスとは、「今、ここ」につねに注意をかたむけ、自分の感覚や感情、思考を冷静に観察している心のことを指す。

  • 姿勢を正して、自分のしている「呼吸」に意識を向けることが、マインドフルネス瞑想の基本である。

  • 瞑想を深めるうえでは、自然な姿勢や呼吸が重要になる。

  • 生じている身体感覚や思考に「気づき」つづけることで、妄想や雑念はとりのぞける。

  • 近年、瞑想の効果が科学的に認められてきたことで、企業や学校、公共機関などが続々と瞑想プログラムを導入しはじめている。

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【必読ポイント!】 瞑想をはじめよう

マインドフルネス瞑想とは

littlehenrabi/iStock/Thinkstock

マインドフルネスとは、今という瞬間につねに注意をかたむけ、自分の感覚や感情、思考を冷静に観察している心の状態のことを指している。

マインドフルネスを理解するためには、マインドフルネスが足りない状態のことを考えてみるとよい。心配してもしかたがないことを気にしすぎたり、すでに終わった過去のことを延々と考えてしまったりしているときは、注意力が散漫になっている証だ。「今、ここ」の現実とのつながりが失われており、なおかつそのことを自覚していない状態に陥ってしまっているのである。

マインドフルネス瞑想の目的は、まさにそういった状態から抜け出し、マインドフルな状態に自分を持っていくことにある。ただ「瞑想」といっても、現実逃避をして神秘的な体験をするためのものではない。あくまで自分の内側で起こっていることに注意を向けて、観察しつづけるための脳や心のトレーニングだと思えばよい。

やり方はシンプルだ。姿勢を正して、ただ自分のしている「呼吸」に意識を向ける。そして意識が呼吸からずれたことに気がついたら、注意を呼吸に引き戻す。ただこれだけである。

姿勢が心を調える

マインドフルネス瞑想はこれ以上ないほどシンプルだ。しかし、やってみるとすぐに、次々と湧いてくる思考に邪魔されることに気がつくだろう。瞑想を深めるためには以下のことに気をつけたい。

まず、瞑想の基本となるのが姿勢と呼吸だ。姿勢や呼吸が不自然な状態だと、内面に意識を集中させようとしても、なかなか集中は深まらないものである。私たちの心・呼吸・身体はつながっている。だからこそ、目に見えず自分でコントロールするのがむずかしい「心」と向き合う前に、自分で意識して変えることのできる「姿勢」や「呼吸」を調整していくことが肝要だ。

瞑想を深める姿勢をつくるうえで、もっとも重要なポイントは、よけいな緊張をゆるめ、最小限の力で背すじをのばすことである。まず、体の土台となる骨盤を起こして、左右の坐骨に均等に体重を乗せる。次に、体の中心軸を探るために、上体を前後左右にゆっくりとゆする。そしてだんだんとゆれを少なくしていき、微調整していく。中心軸が定まったら背骨を最大限に伸ばし、最後に、首や肩、上半身のよぶんな力を抜いていく。

呼吸が重要である3つの理由

AntonioGuillem/iStock/Thinkstock

姿勢が調ったら、次は「呼吸」に意識を向ける。瞑想において、呼吸が重要な理由は3つある。まず、呼吸は心とつながっている。呼吸の長さや強さは、私たちの気分や感情、心のふるまいに同調しているため、呼吸への「注意力」を鍛えれば、自分の感情に気づきやすくなる。

また、私たちはつねに呼吸をしつづけている。ゆえに、呼吸に集中して気づきを得ることができれば、聴覚や触覚などの感覚にも応用しやすくなる。

さらに、呼吸に意識を向けることは、「今、ここ」につながることをうながしてくれる。なぜなら呼吸はまさに、「今、ここ」に在る身体感覚だからだ。呼吸に集中すれば、「頭」であれこれ考えた状態から、「身体」を感じる状態へと切り替えられるようになる。

瞑想において理想的な呼吸とは、自分が「気持ちいい」と感じられる呼吸だ。快適であれば、呼吸は深くても浅くてもかまわない。呼吸にはさまざまなテクニックや方法論があるが、正しく呼吸をしようとすると、かえって不自然な呼吸になりかねない。自分の気持ちいい呼吸を探りつつ、一生懸命になりすぎないように心がけよう。

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実践のコツ

瞑想を深める5つのポイント

マインドフルネス瞑想を深めるうえで、5つの重要なポイントがある。まず(1)「今、ここ」に在ることだ。

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要約公開日 2017.02.23
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