逃げる力

未 読
逃げる力
ジャンル
著者
百田尚樹
出版社
定価
929円
出版日
2018年03月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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百田尚樹
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929円
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2018年03月17日
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レビュー

「逃げる」という言葉には、どうしてもネガティブなイメージがつきまとう。逃げる人は辛抱がない、根性なしだと評価されてしまうことも少なくない。しかし、ブラック企業で働いている場合やストレスフルな人間関係に悩まされているとき、天災や軍事衝突の危機に陥ったときはどうだろう。むしろ積極的に逃げるべきであることは、言うまでもない。

2016年に人気を博したテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。この言葉はハンガリーのことわざで、「恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことが大切」という意味だという。著者、百田尚樹氏はこの言葉を、死んだほうがましだと思うほどに追い込まれている人に届けたいと語る。

人は追い詰められると思考力が低下して逃げるという選択肢が頭から抜け落ち、現状に耐えるか死を選ぶかという2択になってしまうものだという。そうした状況に陥ってしまう前に、「逃げる」という判断を下さねばならない。

逃げることは容易ではない。多くの人は「逃げてはいけない」と刷り込まれてきているし、逃げることによって失うものもあるからだ。それでも本書は、「積極的逃走」を勧める。命や健康、家族といった大切なものを守るために、逃げるという選択をするのだ。理不尽にも苦境に立たされている人が本書を読めば、心が軽くなること請け合いだ。「逃げて良かった」と思える日が、きっと来る。そう信じて一歩を踏み出してほしい。

庄子 結

著者

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年大阪生まれ。同志社大学中退。人気番組「探偵!ナイトスクープ」のメイン構成作家となる。2006年『永遠の0』(太田出版)で小説家デビュー。09年講談社で文庫化され、累計450万部を突破。13年映画化される。同年2013年『海賊とよばれた男』(講談社 単行本12年、文庫14年)で本屋大賞受賞。
著書に『「黄金のバンタム」を破った男』(PHP文芸文庫12年[『リング』(PHP研究所)を改題

)、『至高の音楽』(PHP研究所 CD付単行本13年、新書15年)、『この名曲が凄すぎる』(PHP研究所 CD付単行本16年)、『大放言』(新潮新書15年)、『カエルの楽園』(新潮社単行本16年、文庫17年)、『鋼のメンタル』(新潮新書16年)、『雑談力』(PHP新書16年)、『戦争と平和』(新潮新書17年)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人生には「逃げなければいけない」局面がある。可能性がない戦いからは、何もかも失ってしまう前に撤退すべきだ。
  • 要点
    2
    負ける経験をしていないと、敗北に向き合えない。若いうちに敗北をたくさん経験し、負けることに免疫力をつけておくべきだ。
  • 要点
    3
    逃げる決断ができなければ、徹底的に損得勘定で考えてみよう。そうすれば、合理的な判断を下せるようになる。
  • 要点
    4
    戦うか逃げるかを決めるためには、幸せの絶対的基準を持つ必要がある。幸せの絶対的基準が確立していないと、自分の生き方に対する判断を下すことができない。

要約

積極的逃走のすすめ

優先順位を見誤るな
eugenesergeev/iStock/Thinkstock

2016年、「逃げるは恥だが役に立つ」というテレビドラマが人気を集めた。この言葉はハンガリーのことわざで、直訳すると「恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことが大切」という意味だそうだ。

現代社会においては、会社のために自分を追い込み続けた結果、死を選ぶ人が少なくない。そうしたニュースを見ると、多くの人が「なぜ、会社を辞めなかったのか」と感じるのではないだろうか。

人は追い詰められると、思考力が低下する。その結果として、「逃げ出す」という選択肢が消えてしまうのだ。すると、現状に耐え続けるか、死を選ぶかという2択のなかからどちらかを選ばなければならないと思い込んでしまう。判断力が低下する前に命が最も大事だということを見定め、戦うか逃げるかを選んでほしい。

命に限らず、本来大切にするべきものよりも、さほど重要でない仕事や人間関係を優先してしまうこともあるだろう。そうしたときには、優先順位を冷静に見極めるようにしたいものだ。

可能性がない戦いからは撤退せよ

人生には「逃げなければいけない」局面があり、その見極めを誤れば、再起不能になることもある。

たとえば、会社の経営が傾いたときのことを考えてみよう。そのままだと倒産の可能性が高いとしても、多くの経営者は、立て直しのために多大なコストや時間をかけてしまう。しかし実は、いさぎよく諦めて会社を整理したほうが損害が少なくてすむケースも多い。あがけばあがくほど状況が悪化し、損失が拡大してしまうのだ。株式も同じで、損が出ると思ったら素早く損切りすることが重要である。そうでなければ、投じた資金以上の損失を出してしまうだろう。

もちろんあきらめず粘り強く頑張ることも大切だし、逆転勝ちの可能性もないわけではない。しかし可能性がない戦いからは、何もかも失ってしまう前に撤退すべきだ。

【必読ポイント!】「逃げる達人」になる

負けた原因と向き合え

誰しも、勝負を避けて通ることはできない。ライバル会社とのコンペやスポーツの試合などはもちろんのこと、仕事のノルマや学校のテスト、恋愛さえも勝負と呼べるだろう。

すべての勝負に勝つことはできないのだから、誰でも負ける経験をすることになる。負けることにおいて最も重要なのは、「負けを素直に認めること」だ。「今回は調子が悪かった」「自分に不利な条件があった」「運が悪かった」などと、自分以外に負けの原因を求めてはならない。負けたことを素直に認め、負けた原因と向き合おう。さもないと、何度も同じパターンで負けることになりかねない。

一流の探検家の「退却する勇気」
LoveTheWind/iStock/Thinkstock

登山家や探検家は、生きて帰るために「逃げること」の大切さを熟知している。資金と時間をかけて準備して登頂に挑み、もう少しで頂上にたどり着けるとしても、「これ以上進んだら生きて帰れない」と感じたら撤退するのだ。これは、極めて高度な精神力が必要な逃げ方だと言えよう。

アルピニストの野口健さんの例を紹介しよう。彼は25歳のとき、エベレスト登頂に挑んだ。エベレストに上るには、登山許可料が1万ドルかかる。彼はスペイン隊とともに書類を提出し、彼らに登山許可料を支払うことで費用を節約した。

野口さんの体調はすこぶる良かった。標高8848メートルのエベレストに順調に登り続け、やがて標高8000メートルの最終キャンプに到着したという。

しかし

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自己啓発・マインド
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