本書の要点

  • 読書などでいくらインプットしても、アウトプットしなければ記憶として定着することはない。「自己成長」はアウトプットの量にこそ比例する。

  • アウトプットが苦手な人は、まずは「話す」ことから始めよう。読んだこと、聞いたこと、自分が体験したことについて第三者に話してみよう。

  • 「話す」ことに比べて「書く」ことのほうが、圧倒的に記憶に残り自己成長を促す。書くことで脳に信号を送り、集中力を高め、積極的に情報を収集することができるようになる。

  • インプットの「読む」と「聞く」、アウトプットの「話す」と「書く」に加え、「行動する」も重要だ。

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アウトプットの基本

アウトプットしなければ記憶に定着しない

bee32/gettyimages

「月3冊読んで3冊アウトプットする人」と「月10冊読んで1冊もアウトプットしない人」では、どちらが成長するだろうか? 間違いなくアウトプット量が多い、前者である。「読めば読むほど知識がつき、成長できる」と考えている人がほとんどかもしれない。だがここで重要なのはインプットの量ではなく、アウトプットの量である。いくらインプットしても、アウトプットしなければ記憶として定着することはない。

本棚にある本を1冊取り出し、その内容を5分で説明してみよう。できるだろうか? 説明できたなら、その本の内容が身についているということ。もし説明できないとすれば、内容を覚えておらず、何の役にも立っていないということだ。

インプットはただの「自己満足」にすぎない。「自己成長」はアウトプットの量にこそ比例する。

アウトプットの法則(1)情報を何度も使う

ここからは、アウトプットの4つの基本法則を紹介しよう。

1つ目は、「2週間に3回使った情報は長期記憶される」である。インプットした情報は、何度も使わないとすぐに忘れてしまう。

脳に入力された情報は、「海馬」に仮保存される。仮保存される期間は2~4週間だ。その間何度も使われた情報は、「重要な情報」と判断され、「側頭葉」の長期記憶に移動する。

側頭葉に記憶された情報は、忘れにくくなる。コンビニでお金をレジに仮保管しておき、お金が貯まったら金庫に移すことと似ている。

情報の入力から2週間で3回以上アウトプットすると、長期記憶として残りやすくなる。2週間の間にその情報を話したり聞いたりしよう。

アウトプットの法則(2)成長の螺旋階段

アウトプットの基本法則2は、「成長の螺旋階段」である。これは、自己成長におけるインプットとアウトプットの関係を表現した言葉だ。

成長するためには、インプットとアウトプットをどんどん繰り返す必要がある。だが、インプットとアウトプットは、同じ場所をぐるぐる回っているわけではない。インプットとアウトプットをセットで行うことにより、螺旋階段を上るように少しずつ成長していく。

作家の立花隆氏や脳科学者の茂木健一郎氏も、インプットとアウトプットのサイクルを回すことの重要性に言及している。自己成長のためには、このサイクルがとにかく重要だ。

アウトプットの法則(3)黄金比は3:7

Milatas/gettyimages

アウトプットの基本法則3は、「インプットとアウトプットの黄金比は3:7」である。この比率でインプットとアウトプットを行うと最も効率的だということがわかっている。

ある研究において、大学生を対象に、勉強時間のうち「インプット」(教科書を読む)と「アウトプット」(問題を解く)の時間配分を調査した。その結果、インプット対アウトプットの平均的な比率は7対3だった。著者がセミナー参加者に同様の調査をしても、同じく7対3が平均であった。

コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士の実験を見てみよう。

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要約公開日 2018.12.25
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