最高の組織
全員の才能を極大化する

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最高の組織
ジャンル
著者
大賀康史
出版社
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定価
1,620円
出版日
2019年03月01日
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全員の才能を極大化する
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大賀康史
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1,620円
出版日
2019年03月01日
評点
総合
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レビュー

組織という言葉にどのような印象があるだろうか。自分には「組織の利益」や「組織の力学」という言葉がまっ先に思い浮かぶ。組織の利益のためには自分の事情を劣後するような、滅私奉公という言葉も連想される。

働き始めたころから、社会人の常識という得体の知れない圧力が、人としての尊厳や幸せよりも優先される風潮に、ずっと違和感があった。組織というものの解像度を上げれば、一人ひとりのメンバーになるはずだ。どのような形態であれ、その全員が個人のポテンシャルを最大に解き放てるような組織をめざしたい。

どうしたら一人ひとりのメンバーが輝くか、という命題は組織を運営する中で誰もが悩むことだろう。組織の事情よりも、そのメンバーの側から周りの景色を眺めるとどう見えるのかをずっと想像してきた。わかった気になってはいけないが、人を知ろうとする努力はいくらしても無駄にはならない。一人ひとりにエネルギーを注ぐ過程で、自分たちにとっての理想に近づくための再現性のある法則が見えてくるからだ。

理想を追求すればするほど、現実的な問題にぶつかる。私はずっとそれに直面してきたし、ほとんど毎日のように悩んでいる。ただ会社のメンバー、スタートアップ業界の先輩や友人、様々な専門家と議論を重ね、運営に反映していく中で、おぼろげながら法則性が見えてきた。

本書は得られた知見を飾らず正直に、そしてできるだけ体系的にまとめることを試みた。理想の組織を考えたい方にぜひ手に取っていただきたいし、率直なご意見もいただければ幸いだ。

大賀 康史

著者

大賀 康史 (おおが やすし)
株式会社フライヤー 代表取締役 CEO

2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。
2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。
共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    出世や成功がキャリアの目標だった時代は過ぎ去った。一人ひとりが毎日を彩りあふれる世界に生き、幸せを追求する場として会社が存在しなければならない。
  • 要点
    2
    ピラミッド構造の組織の問題点である上層部のボトルネックの存在と、無能になってしまうまで出世するというピーターの法則から、至るところでメンバーのポテンシャルが発揮できない状態になる。
  • 要点
    3
    ステークホルダーには優先順位がある。通説とは異なり、(1)従業員、(2)顧客、(3)株主・債権者・取引先という順で考えるべきだ。
  • 要点
    4
    理想的な組織形態の1つは輪を描いているようなものである。すべてのメンバーが同列で遠慮せず、プロフェッショナリズムを持ち、自律的に好きなことあるいは得意なことをする状態がよい。

要約

すべての組織が直面する課題

ピラミッド型組織
画像提供/ 自由国民社

現代の株式会社の多くはピラミッド型の組織形態となっている。大組織でも統制が取れやすいため、一般的な組織の形だ。しかし、ピラミッド構造の組織には、上層部に能力のない人や意欲のない人がいると、その下層のメンバーがその人以上のパフォーマンスが出ないという問題がある。

さらに、「階層組織の構成員はやがて有効に仕事ができる最高の地位まで達し、その後さらに昇進すると無能になる」というピーターの法則もある。ピラミッド構造の問題点とこのピーターの法則を合わせると、会社のいたるところで無能になっている人がボトルネックになり、組織のパフォーマンスを下げてしまう構造がわかる。

「魚と組織は頭から腐る」という有名な格言がある。ボトルネックが上層部であればあるほど、その影響は甚大となる。それが、会社のトップだったとしたら、究極的にはトップを変えるしか抜本的な対処策はない。

ピラミッド組織構造で行える対処法

多くのビジネスパーソンにとって、組織の形を変えることは難しい。ただ、組織の形を変えなくても、理想的なカルチャーの組織を作ることは可能である。

・採用に最大限力を注ぎ、適切な人材のみを採用する。特に他者に悪影響を与える問題児はそもそも採用しないように心がける。

1人の問題児が周りの3人の障害になると、合わせて4名の戦力ダウンになる。小規模組織でそのような事態になると影響が大きい。プラスになる人であることは最低限確認すべきだ。

・組織長の人事に最大限配慮する。その際に、自分の能力や成果を最大限アピールするタイプではなく、人の育成や良さを引き出すことに長けた人材を登用する。

どんなに能力の高い人でも1人でできることには限界がある。組織長には組織全体を活性化できるような、人を活かせる器の持ち主を配置したい。

・課長代理、副部長、副本部長など、部門長以外の役職はできるだけなくす。

ピラミッド構造の組織は情報の流れが円滑でなければ、会社全体のスピードが上がらない。部門長以外の人にも責任が発生するため、情報の流れから外れると「自分は聞いていない」ということを言い、情報共有を催促する。そして、根回し以外に意味のない会議を生む元凶になる。できるだけ不要な役職はなくし、情報の流れの乱れをなくしたい。

マトリクス型組織
画像提供/ 自由国民社

例えばコンサルティング会社では、一人のメンバーが業界知識にフォーカスした業界別組織と、スキルにフォーカスした機能別組織の2つに所属する。このようなマトリクス型組織だと、メンバーの配属が柔軟になる一方で、複数の上長がいて別の指示が来ることから、メンバーが判断に迷いがちになる。こうした組織形態を取っている場合、対処療法的ではあるが、構成員の自律性を高める施策を徹底的に行うことで、個々のメンバーの良さが引き出されやすくなる。

文鎮型組織
画像提供/ 自由国民社

1人の組織長に対して、例えば29人のスタッフが並列で従っているような組織のことを文鎮型組織という。よく言われるフラットな組織は、究極的にはこの形だろう。研究者などの自律的に働けるプロフェッショナル型人材の組織で、ごくまれに見かける。この組織の問題は、文鎮の上の部分、つまり組織長に集まる情報が多すぎてパンクすることだ。実際は有機的に動く文鎮型組織はほとんどなく、「文鎮型組織を目指す」というスローガン的な使われ方になる。

【必読ポイント!】これからの成長組織が向かうべき方向性

従業員を最優先にするということ
画像提供/ 自由国民社

会社を取り巻くステークホルダーには、株主、債権者、従業員、顧客、取引先などが存在する。資本主義の色合いの強い会社では、株主が一番重要だとする一方で、全てのステークホルダーのバランスを取るべき、という主張もある。ステークホルダーのバランスを取ることは、実際には難しい。事業の状況にもよるし、片方を立てれば片方に悪影響があることが多い。ただ、これには実は答えがあると考えている。常識とは異なるが、ステークホルダーには次のような優先順位があると考えるのだ。

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