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管理ゼロで成果はあがるの表紙

管理ゼロで成果はあがる

「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう


本書の要点

  • 生産性を高めるにはまず、業務を見直す「ふりかえり」を行う。さらに常日頃から「タスクばらし」で仕事を分解し、重要でない仕事を捨ててしまうことも大事である。

  • メンバー個人に「セルフマネジメント」の力があってこそ、管理をなくして成果をあげる組織を実現できる。

  • ホラクラシーの組織にすることで、社員たちの主体性が増し、生産性が向上する。その上で創造性が求められる仕事をするならば、評価や売上目標などの数字による管理も不要である。

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生産性を高める取り組み

「ふりかえり」でやり方を見直す

scyther5/gettyimages

生産性が低い、部下が育たない、ノウハウが共有されない――そうした問題で遅れた進捗を、残業によってカバーしている組織は珍しくないだろう。だが、それもいつかは破綻してしまう。残業ではなく、抜本的にやり方自体を見直していかなければならない。

著者が代表を務めるソニックガーデンでは、仕事のやり方を見直す「ふりかえり」の時間を設けている。「なぜ、問題が起きるようになったのか」「問題をそのままにしておくと再発してしまうかどうか」といった視点から、業務のやり方や仕事のやり方を見直す。これは「進捗が遅れているからスケジュールを見直そう」などという、今起きている問題について話し合うものではない。

ふりかえりは、むやみやたらと意見を出そうとしてもうまくいかない。コツは4つだ。

1つ目は、「KPT」というフレームワークを使うこと。KはKeep(良かったこと)、PはProblem(悪かったこと)、TはTry(次に試すこと)を指す。ホワイトボードを使い、この3つの領域をふりかえっていく。

2つ目は、とにかくまずは全員で、KとPを出し切ることだ。1人ずつの気づきが出されれば、それは個人のものからチームのものへと変わっていく。KとPを全員で共有したうえで、チーム全体でTを議論すればよい。

3つ目は、Tを精神論にはせず、具体的なアクションに落とし込むこと。たとえばTを「ミスしないように気をつける」とすると、それが達成できたかどうか確認できない。あとから検証できる、具体的なアクションにまで落とし込む。

4つ目は、週に一度、1時間のふりかえりから始めることだ。頻度を短くするほど早く方向修正できるし、修正する量も少なくてすむ。はじめのうちは1時間かかるかもしれないが、やがて短時間で終えられるようになるだろう。

このふりかえりは、一度きりで終わらせてはいけない。繰り返し仕事の進め方を改善していくことで、最も生産性の出るやり方を見つけられるだろう。また「自分たちの現場は自分たちで改善していく」という意識がチームに根付くはずだ。

「タスクばらし」で重要な仕事に集中する

BrianAJackson/gettyimages

仕事を大きい単位のまま扱っていると、タスクの進捗状況が見えにくくなったり、重要度の低いことに時間をかけてしまったりする。そこでやるべきなのが「タスクばらし」だ。これは、4つの工程から成る。

まず、その仕事における目的とゴールの確認だ。目的とゴールにつながらないことは切り捨ててしまおう。

次に、仕事をタスク項目に分解していく。ゴール達成に結びつかないタスクが見つかれば、それも切り捨てる。タスクが大きすぎないように、1つのタスクは30分~45分に分けよう。

次に、見積もりだ。タスクに取り掛かる前に、頭の中でシミュレーションしてみる。イメージできなければ、少し手を動かし、取っかかりを得よう。

最後に、重要さと見積もりを組み合わせて優先順位を決める。シンプルに上から取り掛かればいいように、優先順位は一列に決めておきたい。

こうして優先順位を付けたタスクは、終了条件も忘れずに付ける。そうしないと、どのタスクが終わり、どこまで進捗したのかが見えづらくなるからだ。

やる気を高める

生産性を上げ、仕事のクオリティを保つためには、メンバーのやる気も必要だ。だが「やる気を出せ」と言われて出せるものではないし、やる気は他人がコントロールできるものでもない。だからメンバーには、自分で考える必要がある仕事を用意し、その仕事に主体性を持って取り組んでもらうことが必要だ。誰にでもできる「作業」ではなく「仕事」をやってもらおう。

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要約公開日 2019.04.15
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