本書の要点

  • これからの営業においては、新規開拓よりもファンづくりを優先しよう。1人のお客さまが商品やサービスを買い続けてくれ、そこから新しいお客様に広がっていく状態を目指す。そのためには、契約後のアフターフォローが欠かせない。

  • 「ファンベース」は、ファンの幸せを大切にしながら、中長期的に売上や価値を上げていくという考え方だ。「イイトコロを伸ばす」「機能価値+情緒価値」「支持基盤を固める」の3つを実践しよう。

  • お客さまのわくわくを持続させてYESを引き出すには「ムービートーク」が有効だ。

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これからの営業に大切な「ファンづくり」

新規開拓よりファンづくりを

人口減少、高齢化、若者の購買意欲減少、スタグフレーションといった条件が並ぶ今の時代、買ってくれる人はどんどん減っていく。そんな中、営業パーソンがやるべきは「ファンをつくること」だ。人口も消費も減る未来に向かって、注力するポイントをシフトしよう。「複数のお客さまから新規の契約を取ること」ではなく「1人のお客さまが商品やサービスを何度も買い続けてくれ、そこから新しいお客様に広がっていくシステムをつくること」に全力を注ぐのだ。

ファンづくりのために営業がすべきこと

Edwin Tan/gettyimages

著者は従来の営業活動の流れを3つのステージに分けた。第1ステージは「探す」、第2ステージは「説明する」、第3ステージは「フォローする」だ。「探す」はお客さまに会うまでのすべての活動を、「説明する」はプレゼンテーションをして契約を結ぶまでを、「フォローする」は購入後のアフターフォローを指している。従来の営業では、第1ステージに多くの時間を割いていただろう。断られることが多く、メンタル不調に陥る人も多いステージだが、ここをクリアしないと次には進めなかった。一方、これからの時代は、ファンづくりのために第3ステージの「アフターフォロー」に注力すべきだ。きちんとフォローして相手との関係性を築くことができれば、商品(あるいは営業)のファンになってもらえる可能性がある。その結果、リピート購入してもらえたり、他のお客さまを紹介してもらえたりして、つらい第1ステージに苦労しなくて済むようになるはずだ。

「関係構築のフォロー」を重視する

アフターフォローは「売りのフォロー」と「関係構築のフォロー」に分かれる。営業としては、次の「売り」を目的としてセール情報などを流す、「売りのフォロー」をしてしまいがちだ。

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要約公開日 2022.09.28
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