本書の要点

  • 社長や重役、幹部以上の人間といった大黒柱は、常に責任を強く意識して経営にあたるべきである。

  • 会社は社会に対する責任を持ち、社会と運命を共にするという心意気を持たなくてはならない。その意味で、会社は社会の公器といえる。

  • 著者の人生は、その大半が著者自身の意志とは別の部分で決定されていた。いかなる人でも、それぞれ運命をもって生まれてきているのだ。

  • 水はたくさんある。だから、水道の水を飲んでも盗人呼ばわりされることはない。他の大切なものもたくさんあれば、貧困はなくなるのではないか。その理想に少しでも近づくのが生産の使命である。

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会社経営のカンどころ

筋金のはいった商売

会社経営においては、人員が増えることを手放しで喜ぶわけにはいかない。人員が増えたせいで、得意先に筋金のはいった応対ができなくなった結果、商売から気が抜けてしまうことがある。

このような事態に陥る理由は、人数が増えれば主人の目が行きとどかなくなるからだ。従業員一人ひとりの指導に手が回らず、統率力が落ちて総合的な力が低下する。

家に例えてみよう。大黒柱の太さは家の大きさによって決まる。大黒柱を変えずにより大きな家を建てれば、大黒柱に負荷がかかって家が傾くものだ。大きな家を支えるには、基礎を大きく、大黒柱を太くしなければならない。ただ闇雲に従業員の数を増やすのは、大黒柱を太くせずに家を大きくするようなものである。

会社の大黒柱

momcilog/gettyimages

会社において、大黒柱にあたるものは何だろうか。社長か、重役か、課長以上の幹部社員か。これにはいろいろな見方がある。大黒柱が社長だと考えると、社長自身の経験が豊かになることで、大黒柱は太くなる。また、重役も社長と同じように、蓄積された経験によって力が増すといえるだろう。

幹部以上の人数が増えただけでは、大黒柱が太くなったとはいえない。幹部以上の人たちの知識や経験を磨き、伸ばしていくことが大切だ。会社経営においては、社長の伸び方よりも、重役の伸び方よりも、幹部の人たちの伸び方が一番大切なのである。

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要約公開日 2024.04.14
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