信じ切る力

生き方で運をコントロールする50の心がけ
未読
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信じ切る力
出版社
出版日
2024年03月21日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

野球ファンならずとも、名将・栗山英樹氏(以下、栗山)の名前はご存知だろう。大谷翔平やダルビッシュ有のいる侍ジャパンをWBCの頂点に立たせた監督。その最後の試合は、日本中が固唾をのんで見守った。

しかし、彼の現役時代を知る人は一部の野球ファンに留まるだろう。栗山自身、「自分の現役を知っている人は、プロ野球の監督をするだろうとは思っていなかっただろう」と述べている。29歳で選手生活に幕を下ろし、その後は20年以上もプロ野球の現場を離れていた。コーチの経験も監督の経験もなく、キャスターの仕事をしていたのだ。

たしかに、プロ野球の監督は現役時代にチームを背負ってプレーし、そしてコーチを経て監督に就任する人が多い。だが、栗山英樹という男が、北海道日本ハムファイターズと侍ジャパンを優勝へ導き、そして大谷翔平に二刀流としての才を見出したことは疑いようのない事実だ。

本書では「信じる」という言葉が何度も登場する。そこには、覚悟をもって「信じ切る」という意味合いが込められている。プロとして直面した厳しい現実、長年のキャスター経験で培われた知見、そうした積み重ねを経て生まれたものなのだ。本書を読めば、どうして栗山が名将と呼ばれるようになったのかもわかるだろう。彼の信念とその背景にあるものを読み解くなかで、魂を揺さぶる言葉が見つかるのではないだろうか。

著者

栗山英樹(くりやま ひでき)
1961年生まれ。東京都出身。創価高校、東京学芸大学を経て、1984年にドラフト外で内野手としてヤクルトスワローズに入団。1989年にはゴールデン・グラブ賞を獲得するなど活躍したが、1990年に怪我や病気が重なり引退。引退後はスポーツキャスター、野球解説者に転身した。2011年11月、北海道日本ハムファイターズの監督に就任。翌年、監督1年目でパ・リーグ制覇。2016年には2度目のリーグ制覇、そして日本一に導いた。2021年までファイターズの監督を10年務めた後、2022年から日本代表監督に就任。2023年3月のWBCでは、決勝で米国を破り世界一に輝いた。2024年から、ファイターズ最高責任者であるチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)を務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    栗山英樹は選手たちに「信じている」と言い続けた。その思いを言葉にする方が伝わると思っていた。
  • 要点
    2
    WBCのメキシコ戦の9回で、栗山の脳裏には色々な選択肢がよぎった。どの打者でアウトになったら納得できるか。それは三冠王を取った村上だった。
  • 要点
    3
    「信じる」と「信じ切る」の違いは、「なりたい」と「なる」の違いに似ている。「なる」と考えると、日々の過ごし方が変わり、覚悟が問われる。

要約

【必読ポイント!】 信じ切るということ

「信じている」と言い続ける

信じる。栗山はまずそこから始める。それは昔から無意識にやっていたことであり、誰でもやっていることだと思っていた。しかし、必ずしも当たり前ではない。そう気づかされたのは、栗山が北海道日本ハムファイターズ(以下、ファイターズ)の監督になった1年目のことである。栗山は「信じている」と言い続けた。なぜなら本当に信じていたし、言葉に出した方が伝わると思っていたからだ。

最後の最後に選手を信じ切るかどうか。それが勝負の綾になることを栗山はわかっていたのだ。

なぜ、村上だったのか
RBFried/gettyimages

WBCの準決勝、メキシコ戦の9回裏。日本は1点差で負けていた。あと3つアウトを取られれば、侍ジャパンの旅路は終わる。それでも栗山は選手を信じ切った。ノーアウト一、二塁。迎えるバッターは村上宗隆である。村上はこの試合4打席3三振で、今大会は不調に悩まされていた。しかし、栗山は村上をそのまま打席に送り出す。

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要約公開日 2024.04.24
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.Copyright © 2024 栗山英樹 All Rights Reserved. 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権は栗山英樹、株式会社フライヤーに帰属し、事前に栗山英樹、株式会社フライヤーへの書面による承諾を得ることなく本資料の活用、およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。
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