繁盛したければ、「やらないこと」を決めなさい

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繁盛したければ、「やらないこと」を決めなさい
出版社
日本実業出版社

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出版日
2015年03月19日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

現代のビジネス環境においては、前提となるものがコロコロ変わる。また、これからの日本は人口減少と少子高齢化により、経済がダウンサイジングする。これらの状況を、著者はユーモラスに、「ビジネスサーフィン」「ダイエット経済」と呼んでいる。中小企業や小さな店にとっては、今の時代は好機である。小さいからこそ、世の中の変化を素早く感じ取り、即断即決してできることがたくさんある、と著者はいう。

小さな企業が限られた資本をどこに使うか、どのように顧客を得るか、と考えるとき、「やらないこと」「やってはいけないこと」を決めて、「やるべきこと」を浮かび上がらせようというのが本書の提案するところである。商品、品質、価格、品ぞろえなどについて、さまざまな企業の具体例や著者の体験を交えながら検討され、すぐに応用可能なノウハウに落とし込んでいる。

中小企業にとって、大企業の真似をすることは有益に働かない場合が多々ある。大企業と同じ土俵に立つのではなく、中小企業や小さな店だからこそできるビジネスがある。そして、その結果繁盛することができる。著者の人柄が伝わってくるような親しみやすい語り口に助けられ、楽しみながらするすると読めるだろう。中小規模の会社にお勤めの方にぜひお薦めしたい。きっと新たな発展につながるヒントを見つけられるはずだ。

著者

阪本啓一
経営者、著述家、経営コンサルタント。大阪大学人間科学部卒。経営コンサルティング会社(株)JOYWOW創業者。経営ビジョンは「ビジネスにJOY+WOW+LOVE and FUNを! 」。理論ではなく「人や企業としての『あり方』」に焦点を当てたコンサルティング姿勢を身上とする。自らも起業し経営する現場経験から導く実践的なアドバイスにファンが多い。「大阪をシリコンバレーにする! 」ビジョンのもと、中小企業経営者塾「MAIDO-international」を主宰。主な著書に『「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。』(日本実業出版社)、『共感企業』『リーダーこれだけ心得帖』(以上、日本経済新聞出版社)、訳書に『ビジネスを育てる』(バジリコ)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    商品でビジネスを定義することは「やらない」。提供価値と世界観でビジネスを定義する。その上で、顧客に残らないブランディングも「やらない」。
  • 要点
    2
    価格は独自性を伝えるメッセージでもあるので、業界内のヨコを見ての安易な価格設定は「やらない」。また、値下げにも慎重であるべきである。
  • 要点
    3
    数字に頼る顧客管理は「やらない」。顧客との接点であるタッチポイントを有効に活用し、ティーパーティ効果の創造のために、やらないことを決める。

要約

【必読ポイント!】小さいからこそ「やらないこと」を決めよう

「やらないこと」の大切さ

ビジネスの前提が流動的に変わる現状において、経営資源の限られている中小企業が生き延びるには、「やらないこと」を決めることが重要である。

そのためには、「天地人の視点」が必要になると著者は言う。「天」は世界や日本のビジネスや業界の流れを知る視点、「地」はビジネス環境のなかの自社のポジションを知る視点、「人」は自社の強みを知る視点だ。

「やらないことを決め、ほかがやらないことをやる」。そう決めて、広島のローカル書店である中央書店は、BL(ボーイズラブ)専門のオンライン書店へと生まれ変わり、成功を収めている。この例に「天地人の視点」をあてはめて、戦略を整理してみよう。

「天」の視点、つまり、大きな業界の流れを考えると、中央書店の内藤店長は当時、オンライン書店であるアマゾンによる書店ビジネスへの影響力の大きさを見越していた。「地」の視点から業界内の自社のポジションを考えると、立地と規模では大資本の書店チェーンにかなわないことはわかっている。「人」の視点に立ったとき、BLが好きな社員がいることを強みにすることに思い至った。

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BLに絞ろう。そう決めてBL専門店「コミコミスタジオ」を楽天に出店したところ、すぐに月の売上が1000万円になった。中央書店は書店業界の常識と戦略の基盤をずらし、「やらないこと」を決め、狭く濃いインタレスト向けのオンライン書店に経営資源を集中投下することで、成功への道を歩み始めた。

中小企業にとって「やらないこと」のメリットはかくも大きいのである。

小さいからこそできること
Biletskiy_Evgeniy/iStock/Thinkstock

中小企業にとっての成長とは、社員数や売上高を増やして「大きくなること」ではなく、「サイズを小さいままにとどめ、筋肉質になること」だ。

小さい会社には、環境の変化に適応しやすく、少人数の組織のため素早い意思決定が可能で、機敏に方向転換できる、という特長がある。だからあえて社内にきちんとした制度をつくらないのが正解だ。

こうした企業で理想的となるリーダーシップのかたちは、リーダー一人に社員たちが引っ張られるのでなく、社員一人一人が自力で行動しつつ、チームとなるような、「編隊のリーダーシップ」である。リーダーはチームの目指す具体的な目標を示し、組織文化の形成に努める。そのことで、社員一人一人がバラバラになることなく、しかし自由に動けるようになる。

ブランドを考える

ビジネスを商品(サービス)で定義することを「やらない」

「やらないこと」を選ぶため、ビジネスを多面的に見ていこう。

まず、「うちは何屋さん」なのかを製品やサービスで定義することを「やらない」ようにしよう、と著者はいう。なぜなら、今メインに売っている商材によって、業界外から参入してきた店が販売攻勢をかけてくれば、その定義はもちこたえられなくなってしまうからだ。アマゾンがネットで参入してきた書店ビジネスや、アップルが参入してきた携帯電話ビジネスが、その例として挙げられる。

事業発展のためには、事業の提供価値を蒸留して考えるとよい。例えば、

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要約公開日 2015.05.20
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