
定義から瞑想の手順、習慣化するコツまで
近年、注目を集めている「マインドフルネス」。「普段の生活に取り入れたいけど、何から始めていいかわからない」「組織への導入を検討してみたいけど、自分にできることは何だろう?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、マインドフルネスについて学び、実践したい人にぜひ読んでほしいおすすめ本を選びました。気になったものがあればぜひチェックしてみてください。
記事更新日:2025年2月26日
ライター・フライヤー編集部


「マインドフルネスとはどんなもの?」「マインドフルネスの定義を知りたい」という人には、『スタンフォード大学 マインドフルネス教室』(スティーヴン・マーフィ重松著)をおすすめします。
本書では、マインドフルネスの定義から、マインドフルネスの実践方法、マインドフルネスの実践によって得られるものまでが丁寧に解説されています。
本書によると、マインドフルネスとは、自己観察、自己探求、行動を通して、自分という存在の豊かさに触れ、自己や世界と調和して暮らす生き方のこと。マインドフルネスを実践することにより、ストレスが軽減され、認知的パフォーマンス、問題処理力、レジリエンス(回復力)が高まることがわかっているそうです。また、マインドフルネスを実践すれば、ヴァルネラビリティ(自分の弱さ)を受容できるようになり、それによって周囲の人々への思いやりや感謝が生まれるとも書かれています。
マインドフルネスの基礎知識をつけたい人の最初の一冊としておすすめです。


とにかく手軽にマインドフルネス習慣を取り入れたい……そんなあなたには『1分で整う いつでもどこでもマインドフルネス』(中村悟著)をおすすめします。
本書の著者、中村悟さんは、これまでに合計1.5万人以上に企業研修や講演、ワークショップなどを提供してきました。その経験をもとに本書では、マインドフルネスの基礎とともに、日常生活の中で取り入れられるマインドフルネス習慣を数多く紹介しています。
特に取り入れやすいのは、洗顔するとき、信号待ちのとき、ランチのときなど、1日のうち、ちょっとしたタイミングで実践できる10のワーク。「今日は洗顔のときに試してみよう」「今日は信号待ちをマインドフルネスタイムにするぞ」など、毎日一つずつ試してみませんか?


マインドフルネスについてもう一歩踏み込んで知り、考え、実践してみたいなら、『人生の優先順位を明確にする 1分マインドフルネス』(望月俊孝著)をおすすめします。
著者は本書で、「今、この瞬間を生きる」ことが大切な理由について、脳の仕組みと関連させて語っています。
著者によると、人間は常に過去と未来に囚われ、「今、この瞬間」を疎かにしがちな生き物です。その一方で、目の前の対象に強い愛着を感じているほど、脳はその対象に対する過去の記憶と未来の想像の描写をより鮮明にしてくれることがわかっているのだといいます。
脳の記憶を司る「海馬」が活性化されるのは、過去を思い出す時と未来を思い描く時。過去に感じ取った感覚情報を脳が再構成して、よい未来を選択できるようにしているのだそう。それゆえ、その記憶素材がより高画質なほうが、明瞭な未来を描けるようになるそうです。
実際、北京師範大学での研究(2018年)によると、現在の人間関係が良好な人たちほど過去の人間関係の記憶が鮮明だったのに対し、不安定な傾向のある人たちは、過去の人間関係についてどこか他人事のようなスタンスだったといいます。
要するに、「今、この瞬間」を愛せるようになると、過去も未来も輝くということ。そのために役立つのがマインドフルネスです。
本書では、マインドフルネスの本質を「注意」と「気づき」という2つのキーワードで表現しています。マインドフルネスの基本動作は「身体の感覚や呼吸に『注意』を向け、普段無意識に処理していた感情や思考に『気づく』こと」だからです。
「注意」と「気づき」において重要なのは「受容(オープン・モニタリング)」する姿勢です。「受容(オープン・モニタリング)」は、新しい経験に対し、心を開いて向き合うことをいいます。
著者は「受容(オープン・モニタリング)」の具体的なアクションを以下の5つにまとめています。
(1)今、自分の周りで起きていることや心の中を「観察」する
(2)自分の感情や体験を言葉で「描写」、表現する
(3)活動に注意を払い、「意識して行動する」
(4)好き嫌いや善悪でジャッジせず、オープンな気持ちでそのまま受け入れる
(5)自分の情動や思考に動じず、それに気づく
著者によると、マインドフルネスは「心の筋トレ」です。「心の筋トレ」を通じてさまざまな良い結果を得たいなら、まずは本書を読んでみませんか。


マインドフルネスの基本を確認しつつ、マインドフルネス瞑想を実践してみたいあなたには、瞑想・ヨガ講師の吉田昌夫さんによる『マインドフルネス瞑想入門』がぴったりです。
本書ではまず、マインドフルネスの定義から確認しています。本書におけるマインドフルネスの定義は、「今、ここ」につねに注意をかたむけ、自分の感覚や感情、思考を冷静に観察している心のこと。そして、マインドフルネス瞑想を実践すれば、マインドフルネスが足りない(心配してもしかたがないことに気を取られすぎたり、過去のことを考えて続けてしまったりしている)状態から抜け出し、自分をマインドフルな状態に導くことができるとしています。なお著者にとって、マインドフルネス瞑想は、自分の内側で起こっていることに注意を向け、観察するための脳や心のトレーニングであって、神秘的な体験を導くものではありません。
本書によると、マインドフルネス瞑想のやり方は非常にシンプルで、姿勢を正し、自分の「呼吸」に意識を向けるだけ。そして、意識が呼吸からずれたら、また注意を呼吸に引き戻します。
著者が強調しているのは、マインドフルネス瞑想のポイントは「姿勢」と「呼吸」であること。なぜなら、姿勢と呼吸が不自然な状態だと、自分の内側で起こっていることに注意を向けられないからです。
マインドフルネス瞑想における姿勢の基本は、緊張をゆるめて、最小限の力で背すじをのばすこと。そして、次の順で姿勢を整えていきます。
(1)体の土台となる骨盤を起こして、左右の坐骨に均等に体重を乗せる
(2)体の中心軸を探るために、上体を前後左右にゆっくりとゆする
(3)だんだんとゆれを少なくし、微調整する
(4)中心軸が定まったら、背骨を最大限に伸ばす
(5)首や肩、上半身のよぶんな力を抜く
姿勢をととのえられたら、次は「呼吸」に意識を向けましょう。マインドフルネス瞑想において理想的な呼吸とは、自分が「気持ちいい」と感じられるような呼吸だそうです。呼吸に集中し、自分にとって気持ちいい呼吸を探ってみましょう。
マインドフルネス瞑想の基本を示してくれる本書。マインドフルネス瞑想に興味があるなら、ぜひ手に取ってみてください。


『頭を「からっぽ」にするレッスン』(アンディ・プディコム著)は、ビル・ゲイツが「マインドフルネスを試してみたい人には、パーフェクトな入門書だ」とし、2018年のベスト本に挙げた一冊。
本書では、マインドフルネスを「そこにいるということ」と定義したうえで、その状態になるために必要なのが瞑想だとしています。また、先述した『マインドフルネス瞑想入門』と同様、「瞑想=神秘的な営み」という思い込みを否定し、瞑想はマインドフルネスを実践するために最適なコンディションをつくりだすテクニックだと書いています。
本書の最大の特徴は「10分間瞑想」を提唱していることでしょう。10分間瞑想の手順は次のとおりです。
(1)背筋を伸ばして楽に座れる場所を見つける
(2)携帯電話の電源を切る
(3)タイマーを10分間にセットする
(4)5回深呼吸をする
(5)軽く目を閉じて、体が椅子に触れている部分や床についている足の感覚に集中する
(6)上から下に向かって体をスキャンし、楽でリラックスしている部分、こわばったり張ったりしている部分を感じる
(7)自分の今のムード、気分に意識を向ける
(8)より深く瞑想するために、呼吸の出入りをもっとも強く感じる場所や、1回ごとの呼吸の感触、リズムをたしかめる
(9)呼吸が長いか短いか、深いか浅いか、苦しいか楽かに意識を向ける
(10)息が出入りする感覚に集中し、吸った時に1、吐いた時に2、という具合に10まで数えていく
ここまでのサイクルを10分間繰り返すのが、10分間瞑想の方法です。10分間瞑想を終えたら、20秒ほど心を自由にし、体が椅子に触れている部分や床についている足の感覚に意識を戻し、そっと目をあけて立ち上がりましょう。
また本書では、10分間瞑想の手順や導入時に意識したいことだけでなく、10分間瞑想を習慣化するコツも紹介されています。日々の生活にマインドフルネス瞑想を取り入れ、習慣化したい人におすすめのマインドフルネス本です。


マインドフルネスと生産性の関係性を知りたい人や、組織にマインドフルネスの考え方・習慣を取り入れたい人には、『マインドフルネスが最高の人材とチームをつくる』をおすすめします。
本書の著者、荻野淳也さんは、日本でマインドフルネスをベースとしたリーダーシップや組織の開発プログラムを提供するほか、SIYの認定講師としても活躍する人物。SIYとは、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」の略で、マインドフルネスの実践によってEI(感情知性)を高めることを目的として、Googleが開発したプログラムです。アメリカン・エキスプレス、リンクトイン、SAPなどといった名だたる企業が次々と導入していることでも知られています。
そんな荻野さんによると、組織にマインドフルネスを導入することで、「個人の人材力の向上」「個人のリーダーシップの向上」「関係性の向上」「組織力の向上」の実現が期待できるそう。
マインドフルネスを組織に導入する際には、以下の3つのステップが必要となります。
・ステップ1:あなた自身が、インターナル・チャンピオン(自らの実践に基づいた、マインドフルネス導入のモチベーションを持ち、組織をポジティブに変えていく潜在能力を持つ人)になる
・ステップ2:社内での実践や研修を行う
・ステップ3:8週間継続できる社内環境を整える
なお、マインドフルネスの実践においては「マインドフルネス瞑想」が基礎となるとされているほか、リーダーには「ジャーナリング」がおすすめで、組織に心理的安全性を創出するには「マインドフル・リスニング」が効果的だと書かれています。
マインドフルネスの力を借りて組織力を向上させたいなら、ぜひチェックしてほしい一冊です。


他人と比べて落ち込んでしまうときや、頭の中であれこれ考えすぎてしまっているとき、あなたはマインドフルネスとは程遠い状態にあります。そんな状態をリセットし、「今、ここ」に集中して生きていく術を知りたいなら、『リセットする習慣』を手に取ってみませんか。
著者の枡野俊明さんは、曹洞宗徳雄山建功寺の住職であり、庭園デザイナーでもあります。これまでの経験を生かし、心を落ち着かせる教えを詰め込んだ書籍を多く上梓しています。
本作はそんな枡野さんが、仏教の教えをもとに、「やり場のない感情を整える62のヒント」を示してくれる一冊です。
そのうちの一つが、集中できない状態を克服する深呼吸法。
なかなか集中できないときは、姿勢を整え、おへそから約7.5センチ下の「丹田(たんでん)」を意識しながら、ゆっくりと深呼吸を繰り返しましょう。著者によると、丹田を意識した「丹田呼吸」を行うことで、脳を集中させることができるのだといいます。
多くの情報に取り囲まれ、「今、ここ」に集中しづらい状態にある私たち。仏教の教えをヒントに、マインドフルネスな自分を実現しませんか。


書くことによって瞑想の効果が得られる……そう教えてくれるのは『書く瞑想』(古川武士著)です。
著者によると、「書く習慣」によって、次の3つの変化が起こるそうです。
・「心」が整理される
心を乱す要因を言語化することで、揺れを客観視し、メンテナンスできる
・「生活」が整理される
生活の課題を書き出してみると、解決策が得られる
・「人生」が整理される
書くことにより、頭の中でぐるぐると思い悩むのではなく、自分の内側にある感覚や直感を深掘りできる
本書では、「書く瞑想」「書く片づけ」「書く習慣化」の3つを「感情ジャーナル」として、具体的な手順が示されています。
そのうち「書く瞑想」は、以下の5つのステップから構成されます。
ステップ1:瞑想
タイマーを1分間セットして、目を閉じて深呼吸をする
ステップ2:「放電ログ」を書き出す
「1日の中で、自分の感情、気分、エネルギーを下げたものは何か?」と自問して、5つほど書き出す
ステップ3:「放電セルフトーク」を書き出す
「今、何が一番嫌いなのか、つらいのか?」と自分に問いかけて、該当するものを4分ほどで挙げる
ステップ4:「充電ログ」を書き出す
「1日の中で、自分の感情、気分、エネルギーを上げたものは何か?」と自分に問いかけ、3分かけて5つほど書く
ステップ5:「充電セルフトーク」を書き出す
「今、一番良いと感じていることは何か?」と自問して、4分ほどで書く
このほか,、本書では、「書く片づけ」「書く習慣化」の手順についても丁寧に紹介されています。書くことによって「今、ここ」に集中し、マインドフルネスな状態を手に入れたい人に、一読をおすすめします。
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