「年金問題」は嘘ばかり
ダマされて損をしないための必須知識

未 読
「年金問題」は嘘ばかり
ジャンル
著者
髙橋洋一
出版社
定価
864円
出版日
2017年03月29日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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「年金問題」は嘘ばかり
「年金問題」は嘘ばかり
ダマされて損をしないための必須知識
著者
髙橋洋一
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定価
864円
出版日
2017年03月29日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
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レビュー

あなたは自分の年金についてどれだけ理解しているだろうか。また、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」に目を通し、内容を理解している人はどのくらいいるだろうか。2007年頃に世間の注目を集めた「消えた年金問題」はまだ記憶に新しいが、テレビや新聞などでは今もなお、年金制度そのものを危ぶむ報道が盛んになされている。一見、高齢化が進む日本において「自分の老後には年金がもらえなくなるのではないか」という懸念はもっともなように思える。しかし、それは大事な真実を見落としているのだと著者はいう。

本書は年金に対する間違った常識を正し、一人でも多くの人の不安を払拭し、安心して長生きをめざしてほしいという著者の思いから執筆された一冊だ。

著者の髙橋洋一氏は、大蔵省(現・財務省)の在籍時から日本の年金制度に関する問題点を鋭く指摘し、より良い制度運営に向けて声を上げ続けてきた人物である。本書では、年金数理に関する複雑な専門用語を最小限にして、年金制度の仕組みをわかりやすく解説している。その論理は非常に明快。読み進めるにつれ、年金に「消費税増税」は不要といった意外な事実がいくつも明らかになり、「なるほど」と膝を打つはずだ。

年金制度の根幹の部分を理解しておけば、枝葉の情報に惑わされる必要はない。人生100年時代を豊かに過ごすために、「これだけ押さえておくと安心」というポイントが凝縮された一冊として、本書をぜひ読んでいただきたい。

山下 あすみ

著者

髙橋 洋一(たかはし よういち)
株式会社政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授。1955年、東京都生まれ。都立小石川高等学校(現・都立小石川中等教育学校)を経て、東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣参事官(首相官邸)等を歴任。小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008年、『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞受賞。近著に、『戦後経済史は嘘ばかり』『経済のしくみがわかる「数学の話」』(以上、PHP研究所)、『数字・データ・統計的に正しい日本の針路』(講談社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    年金は保険であり福祉ではない。将来自分がどれくらい受給できるのかを知ることで、「長生きするリスク」に備えられる。
  • 要点
    2
    年金は保険数理のもと、破綻しないように設計されている。今後高齢化社会で人口が減少したとしても、日本経済が成長を続ける限り、制度を維持できる。
  • 要点
    3
    社会保障のためには消費税を上げなければいけないという理屈は間違っている。本来、年金制度は保険料とその運用だけでまかなわれるものであるため、給付額が増えるなら、保険料を上げればよい。

要約

【必読ポイント!】 これだけで年金がほぼわかる「三つのポイント」

年金は「保険」である

「年金は福祉である」と思っている人は多いが、年金の本質は「年金保険」という保険である。病気やケガのリスクに備える健康保険や、若くして亡くなってしまうリスクに備える生命保険と比較すると、年金は「長生きするリスク」に備える保険だといえる。早く死んでしまった人の保険料を長生きした人に渡して保障するという仕組みだ。

自分が早死にするか長生きするかを予測するのは不可能であるため、自分たちの出した保険料を分け合って、長生きしたという条件下においてのみお金がもらえるようにしている。この大前提がわかれば、「国が無条件に老後を保障してくれる」「年金は福祉である」という考えが間違いであると理解できるだろう。

どれくらい年金をもらえるのか?
amanaimagesRF/Thinkstock

年金は保険なので、「掛け金」によって「保障額」が変わる。原則として、「掛け捨て」の部分が大きいほど、保険料を多く納めるほど、保障額が増える。現在の法律では、10年以上保険料を納めていれば年金を受け取れることになっているが、10年しか納めていない人と40年納めた人とでは、当然もらえる金額に差が出る。では、いったいどれくらい年金をもらえるのか。

国民年金と厚生年金のいわゆる「公的年金」では、ざっくりいうと「40年間納めた保険料の総額」と「20年間でもらう年金額」が同じになるように設計されている。つまり、20歳から60歳までの40年間納めた金額を、60歳から80歳までに受け取る仕組みだ。これをもとに考えれば、一年当たりに受け取る年金額は、一年当たりに納めた保険料の二倍になることがわかる。厚生年金の場合、保険料率は月給のおよそ二割程度なので、月給の四割くらいだと考えておけばいい。

ただし、これはあくまで「生涯を通じての平均給与の四割」である。会社員の場合は多くが年功賃金であるので、若いころの給料は安く、退職間際の給料は高くなっていることに注意が必要だ。

「ねんきん定期便」は国からのレシート

日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」は、国が発行しているレシートのようなものである。会社に天引きされている保険料が、きちんと国に納められているかを確認するのに有効な、れっきとした証明書なのだ。

「消えた年金問題」では、社会保険庁の記録の不備だけでなく、中小零細企業などで、従業員から天引きした保険料を国に納めずに運転資金などに回してしまっているケースが多数明るみに出た。その対策として考案されたのが「ねんきん定期便」であり、納めた保険料と、現時点で将来もらえる年金額を確認できるようになっている。

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スキルアップ・キャリア 政治・経済
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髙橋洋一
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2017年03月29日
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