考える力がつく本
本、新聞、ネットの読み方、情報整理の「超」入門

未 読
考える力がつく本
ジャンル
著者
池上彰
出版社
プレジデント社
定価
1,430円(税込)
出版日
2016年10月03日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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本、新聞、ネットの読み方、情報整理の「超」入門
著者
池上彰
未 読
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出版社
プレジデント社
定価
1,430円(税込)
出版日
2016年10月03日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
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レビュー

テレビなどで活躍し、著書も多数の池上彰氏。わかりやすい解説の代名詞と言っても過言ではない氏が、主にビジネスパーソン向けに「考える力」をつける秘訣を紹介したのが本書である。

情報化以前は、まとまった情報を発信することができるのはマスメディアや出版社などごく一部の媒体だけだったため、自然と質も担保されていた。アクセス可能な情報を片っ端からインプットしていくことが「勉強」ということの意味だったし、それによって社会で活躍するために有効な「考える力」を育てることがかなりの程度可能だった。しかし情報化によって情報が常に過多な状態になれば、ありとあらゆるところにある情報を自分なりに整理するリテラシーがとりわけ重要になる。日本の若者は「考える力がない」と批判されることもあるが、これは教育システム自体が情報化後の時代に対応できていないことによるものだ。「考える力」を身につける方法を考えることの重要性は、日に日に増している。

こうした現状を踏まえて本書を執筆した池上氏は、NHKの記者としてキャリアの基礎を築いた。報道に携わるジャーナリストにとって、情報をいかに整理するかは生命線と言ってもいい重要な技術である。池上氏が現場で働く中で「体で」覚えてきたであろう情報との接し方は、歴戦の重みとジャーナリストとしての矜持を感じられるものである。一見わかりやすくやさしい池上節を形作る、その背骨を感じて欲しい。

池田明季哉

著者

池上彰(いけがみ あきら)
ジャーナリスト。名城大学教授。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。報道記者や番組キャスターを歴任し、1994年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリーに。今さら聞けないニュースの本質を解説し、テレビなどでも活躍中。『伝える力』(PHPビジネス新書)、『知らないと恥をかく世界の大問題』(角川SSC選書)、『世界を変えた10人の女性』(文藝春秋)ほか著書多数。2013年、伊丹十三賞受賞。

本書の要点

  • 要点
    1
    考える力をつけるためには、アウトプットを意識した大量のインプットが必要である。
  • 要点
    2
    情報源はストックとフローを使い分ける。特にストックは不足しがちなので意識して触れるようにする。
  • 要点
    3
    相手から話を引き出すときは、直接聞くのではなく、仮説をぶつけてみて反応を観察する。
  • 要点
    4
    リアル書店の本棚こそ、その分野の全体を把握するために最適である。
  • 要点
    5
    あるジャンルを勉強しようと思ったとき、まずは2~3冊の定本を見つけて読み込むべきである。

要約

考える力をつけるためには

何はともあれインプットを増やす
Kim Carson/DigitalVision/Thinkstock

そもそも「考える」とは、自分の中にある情報(インプット)をもとに、自分なりの結論(アウトプット)を導き出す作業だ。質の高いアウトプットをするためには、まずはインプットが不可欠である。しかしやみくもにインプットを増やせばいいというものでもない。

ショーペンハウエルは『読書について』という著作で、「読書とは他人にものを考えてもらうことである」と述べている。本を読むということは、あくまで他人の考えた過程を反復的にたどるに過ぎない。本を読んで賢くなったつもりになっていても、それは自分でモノを考える力がついたのとは違うというわけだ。

本を読むのは、ザルで水を汲むのに似ているのかもしれない。読んだ後はわかった気になるけれど、すぐに水(知識)はザルの網目からこぼれてしまう。つまり忘れてしまう。大量に読んだり、熟慮を重ねて何回も読んだりすることによって、少しずつ水がたまっていく。読書とはそのようなものなのかもしれない。

効率的に知識を身につけるためには

はじめてインプットがスムースになったと感じたのは、NHKの「週刊こどもニュース」を担当してからだった。記者時代も記事を書いてアウトプットはしていたが、その時代はとにかく取材していたものを記事にしていただけだった。しかし、「週刊こどもニュース」では、小学校高学年の子供たちにもニュースをわかってもらわなくてはならない。そのための伝え方を考えるうち、さまざまなことを調べてインプットせざるを得なくなった。

アウトプットはインプットの力を引き出す。知識が身についたかなと思ったときは、アウトプットをして確認することが大切である。わかりやすいたとえ話も、アウトプットを意識するからこそ、全体像をきちんと把握して情報の適切な取捨選択を行うからこそできる技術である。

新聞の読み方

考える力をつける、情報源の使い分け方

インプットをしようと思っても、テレビ、ラジオ、新聞、ネット、本と多種多様だ。私たちは普段の生活の中で、知らず知らずのうちにフローの情報を追っている。しかし考える力をつける上では、ストックの情報を活用することが重要だ。「フロー」というのは文字通り、流れていくもの。テレビやネットで見るニュースや新聞など、日々新たに伝えられ、すぐに消えていく情報だ。一方、「ストック」とは、本や辞典のように保存されて、いつでも見ようと思えば確認できるものだ。

考える力をつけようとするならば、毎日のフロー情報の中から「わからない」を見つけることだ。それからわからない部分をストック情報に当たる。基礎知識がない場合には、まずはストックの情報をインプットすることが良い。するとフローの情報の見え方にも奥行きが出てくるのである。

新聞の読み方
Top Photo Corporation/Top Photo Group/Thinkstock

新聞の情報量を具体的に示すと、朝刊は文字にして20万字。これは新書2冊分に相当する。新聞を毎日読み続けていれば、知らずしらずのうちに膨大な情報量に接することになるのである。

新聞の魅力は何かを問われたら、著者は「ノイズ」と答えるという。

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