残り97%の脳の使い方

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出版社
フォレスト出版

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出版日
2017年01月21日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書は、認知科学者である苫米地英人氏が、思い通りの人生を送るための脳の使い方について著した本である。自分の人生を思い通りにするためには、「他人を動かす技術」と「自分の目標を達成する技術」が大切であると著者は説く。

著者が紹介する、他人を動かす技術は、いわゆる「洗脳」のテクニックだ。身近なビジネスシーンでも応用できるものとして、「カタレプシー」という方法が解説されている。「カタレプシー」とは、端的に説明すれば、人間の持っている価値基準(フレーム)をわざと中断して、そこにメッセージを投げ込むことで、相手の「内部表現(脳が認識していること)」を書き換える方法である。

こうした、内部表現といった概念を用いつつ、著者はさらに、自分の脳や心をコントロールし、目標を達成する技術を解説していく。よく自己啓発書の類の本に登場する「引き寄せ」といった考え方も、脳科学と認知心理学のメカニズムとして語られていることが本書の特長である。

タイトルに「残り97%の脳の使い方」とあるように、本書は、どうやったら脳を最大限に活用することができるか、そのやり方を提示している。人間は処理できるデータの量はたくさんあるにもかかわらず、そのほんの少ししか使っていないという。その潜在能力をもっと発揮できるようになれば、どんなに大きな夢でも実現する力を持っている、という強いメッセージを持った一冊である。

著者

苫米地 英人 (とまべち ひでと)
1959年、東京生まれ。認知科学者(機能脳科学、計算言語学、認知心理学、分析哲学)。計算機科学者(計算機科学、離散数理、人工知能)。カーネギーメロン大学博士(Ph.D.)、同CyLab兼任フェロー、株式会社ドクター苫米地ワークス代表、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO、角川春樹事務所顧問、中国南開大学客座教授、苫米地国際食糧支援機構代表理事、米国公益法人The Better World Foundation日本代表、米国教育機関TPIジャパン日本代表、天台宗ハワイ別院国際部長、公益社団法人自由報道協会 会長。
マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社。2年間の勤務を経て、フルブライト留学生としてイエール大学大学院に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学の分野で世界最高峰と呼ばれるカーネギーメロン大学大学院哲学科計算言語学研究科に転入。全米で4人目、日本人としては初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、ジャストシステム基礎研究所・ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院NMRセンター合同プロジェクト日本側代表研究者として、日本初の脳機能研究プロジェクトを立ち上げる。通商産業省情報処理振興審議会専門委員なども歴任。現在は自己啓発の世界的権威、故ルー・タイス氏の顧問メンバーとして、米国認知科学の研究成果を盛り込んだ能力開発プログラム「PX2」「TPIE」などを日本向けにアレンジ。日本における総責任者として普及に努めている。著書に『苫米地式 聴くだけで頭がよくなるCDブック」(イースト・プレス)、『コーポレートコーチング 下』(開拓社)、『ここがおかしい安保法制』(サイゾー)など多数。TOKYO MXで放送中の「バラいろダンディ」(21時~)で木曜レギュラーコメンテーターを務める。
苫米地英人 公式サイト http://www.hidetotomabechi.com/
ドクター苫米地ブログ http://www.tomabechi.jp/
Twitter http://twitter.com/drtomabechi(@DrTomabechi)
PX2についてはhttp://bwf.co.jp/
TPIEについてはhttp://tpijapan.co.jp/
携帯公式サイトhttp://dr-tomabechi.jp/

本書の要点

  • 要点
    1
    「思い通りに動かしたい相手」がいるならば、そのために「変性意識」の概念を理解するとよい。変性意識とは、リアリティを感じている世界が、現実世界ではなく仮想世界であるという状態のことだ。変性意識下では、空間を共有する人たちの間で独自の親近感が生まれるので、相手はあなたに親近感や好意を抱く。結果として、あなたの要求が通りやすくなるのである。
  • 要点
    2
    大きな夢を実現するためには、「エフィカシー」という、「自分のゴールを達成するための能力に対する自己評価」を高めることが重要である。すると、今まで見えなかった貴重な情報が周りに見え始め、ゴールへたどりつくやり方も見えてくる。

要約

人生を思い通りにするために知っておくべきこと

変化の速い現代

人類は、歴史上最も速く変化をとげる社会に生きている。あるアメリカの公的機関によると、今年(2017年)生まれる新しい情報の量は、過去5000年間に人類すべてが生み出したすべての情報量よりも多いという。

これだけ変化の速い時代で、思い通りの人生を送るためには、脳を最大限に活用することが必要である。多くの人が活用しきれていないものの、私たちの脳は、とてつもない能力を持っているのだ。

「脳の3%しか使ってない」は本当?
cosmin4000/iStock/Thinkstock

ちまたに出回っている本には「人間は脳の3%しか使っていない」と書いてある。著者によると、「3%」という数字そのものに大した根拠はなく、あくまでも、脳の神経回路網が処理できるデータの量はもっとたくさんあるにもかかわらず、我々はそのほんの少ししか使っていないという言い方が正しいらしい。脳の神経回路が学習できるレベルが100あるとしたら、それよりはるかに少ないレベルしか現代人は使っていないのだ。神経を訓練する、つまり大量の新しい経験をすれば、人間は、もっと脳を有効に使えることになる。

「奴隷の人生」を捨てる

私たちの社会は、新しい情報が増加している一方で、新しい知識を学びづらくなっている。書店に行っても、抽象度の低い、同じような内容の本がたくさん売られているのが現状である。支配者たちが自由に権力を振るうためには、抽象度の高い思考をする人が増えると困るのである。

そして、その支配者たちは、現代社会のヒエラルキーで上に行くという価値観が絶対であると働きかけてくる。そのため、多くの人は不必要な競争を受け入れて、「奴隷の人生」を送っているかもしれないと著者は言う。本書はその反対に、「人生を自分の思い通りにする」方法を提唱するものだ。その方法とは、最新の「機能脳科学」と「認知心理学」に基づいた、「他人を動かす技術」と「自分の目標を達成する技術」の二つである。

【必読ポイント!】 他人を自分の思い通りに動かす

人生における重要なスキルとは?
shironosov/iStock/Thinkstock

社会における成功とは、「人が言うことを聞くか聞かないか」、「多くの人に評価されるかどうか」にかかっているともいえる。ならば、「周りを思い通りに動かす技術」はとても重要なスキルとなる。

人間は、強者の信念に必ず

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要約公開日 2017.08.08
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