9時を過ぎたらタクシーで帰ろう。

一流の人だけが知っている「逆説」の思考法
未読
9時を過ぎたらタクシーで帰ろう。
9時を過ぎたらタクシーで帰ろう。
一流の人だけが知っている「逆説」の思考法
未読
9時を過ぎたらタクシーで帰ろう。
出版社
きずな出版

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出版日
2017年03月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書を目にした読者は、『9時を過ぎたらタクシーで帰ろう。』という突飛なタイトルにまず目を引かれることだろう。常識的に考えれば、9時を過ぎたからといって必ずタクシーで帰るような生活は、普通ならまず想像がつかない。しかし著者は、9時台の満員電車に乗るよりも、タクシーを利用するほうが翌朝の仕事の生産性を上げることができるのだから、タクシー代はそのための投資だと主張する。

このように、常識を疑い、慣例から抜け出すことが、自分の能力の発揮を妨げるボトルネックを取り除き、会社や組織に貢献することに繋がる。著者はこうした信念のもと、62個の事例をもとに超一流になるための「逆説」の思考法を本書で提示している。通勤電車での過ごし方、名刺の使い方、企画書の書き方など、普段の方法を反転させるような発想に、読み始めた当初は戸惑うかもしれない。だが、誰かが決めたルールに従って無難な道を歩くことを、あなたの心は望んでいるのだろうか。今自分が置かれている環境に甘んじることで、あなたは自由な人生を歩むことができるのだろうか。そう自問自答してみてほしい、と著者は呼びかける。

社会の常識、会社のルール、上司の都合、クライアントのわがままなど、さまざまな呪縛にがんじがらめになって本領が発揮できないと感じている人にこそ、ぜひこの本を手にとってほしい。読み終えたころにはきっと、現状を打破する新しい考え方と行動が身についているはずだ。

ライター画像
池田明季哉

著者

中山 マコト(なかやま まこと)
「キキダス・マーケティング」実践者。市場調査会社勤務後、仲間たちとマーケティングコンサルティング会社を設立。1億円の売上でスタートした会社を4年で8億に拡大する。広告・販促プランナー、コピーライターとして、大手製薬メーカー、日本有数の食品メーカー、飲料メーカー、日用雑貨メーカー、コンビニチェーン本部など、多くの国内外の有力企業をクライアントとして手がける。言葉のチカラを駆使した「売らない営業法」を提唱し、「企業と顧客のコミュニケーションのズレを正すシンクロニスト」として2001年に独立。近年は、中小企業やビジネスマンに対し、戦う武器としての「言葉の使い方」をテーマに講演などをおこなっている。
著書は『「バカ売れ」キャッチコピーが面白いほど書ける本』(KADOKAWA)、『フリーで働く!と決めたら読む本』(日本経済新聞出版社)、『そのまま使える「爆売れ」コピーの全技術』(かんき出版)など、ベストセラー多数。2016年には『飲み屋の神様。―ドラッカーなんていらない。大事な事は、飲み屋の神様がぜんぶ教えてくれる!』(ヒカルランド)でビジネス小説の世界にも進出している。

本書の要点

  • 要点
    1
    脳を目覚めさせ、新鮮な刺激を与え続けることによって思考が柔らかくなる。いままでの習慣を捨てて新たな習慣を組み立てることで、素晴らしい発想が生まれる。
  • 要点
    2
    相手の印象に残る名刺を配りたい。肩書きに一工夫を加え、自分独自の価値を相手に提示することが重要となる。
  • 要点
    3
    誰を味方につけるかを吟味すること。自分にとって「適量人脈」を見極め、嫌いな人を明示することで、自分と気の合う人だけが周囲に集まってくる。本当にほしい人脈は、知恵と勇気を振り絞って自らアナウンスすることでしか得られない。

要約

脳よ、目覚めよ!

アサイチ仕事術のススメ

朝の脳が最高のパフォーマンスを発揮することは、脳科学でも明らかになっている。つまり、一日のスタートを切るための判断、決断、思考をするために最適な時間である。その時間に新聞やテレビやインターネットから日常の雑事やゴシップといった、不要な情報を入れるのはもったいないと言える。朝はアウトプットに専念し、新しいアイデアやプランを考えたり、創造性の高い仕事をしたりするほうが良い。

新聞を読まないと、みんなの話題についていけないのではないかと不安に思うかもしれない。しかし、情報は新聞だけから得られるものではない。習慣を新しく組み直すことで、発想のヒントが得られるだろう。

「キョロちゃん」になれ!
estherpoon/iStock/Thinkstock

電車の待ち時間のように、何もしていない時間を、周囲をキョロキョロする時間に充ててみるとよい。今まで見落としていた広告が視線に入り、人の会話が聞こえてくるだろう。本やスマートフォンに意識を向けがちな電車内でも、周囲に意識を向けると非常にたくさんの情報が入ってくる。時々、あえて知らない道を選んで周囲を見渡せば、情報と刺激があふれていることに気付く。これらはアイデアや企画を練る際の素材になってくれる。

また、飲食店のスタッフの所作にもビジネスヒントが隠れている。二度と来るかと思うほど腹が立つこともあるだろうし、最高に良い気分になることもあるだろう。そういったとき、必ず自分の中で、なぜそうした感情を抱いたのかを確認する作業を繰り返すことだ。このように、観察と分析を習慣にすることで、人間の心の動きや感情のメカニズムを理解できるようになる。これらは自分自身のビジネスでも確実に活きてくる。

常識を疑い、成果を勝ち取れ!

スピード勝負

見積書を提示するタイミングを後回しにすることや、「持ち帰って検討します」という言葉を口にすることは、重要なビジネスチャンスを棒に振る悪手である可能性が高い。今は営業にもスピードが求められる時代だ。見積もりは最初に提示し、仕事は持ち帰らずその場で決定することが望ましい。顧客に「ほかを当たる」時間を与えないために、自分自身が決定権を持つのだという自覚を持って動くべきである。

名刺の使い方
Wavebreakmedia/iStock/Thinkstock

サラリーマンを続けていると、たくさんの名刺を手にする。その数を人脈だと勘違いしがちだが、はっきり言って名刺そのものには何の価値もない。手元の名刺を見て、相手がどんな人なのかを思い出せる名前はいくつあるだろうか。思い出せないのであれば、その名刺はばっさり捨てるべきである。その作業が終わったとき、残った名刺だけがあなたの人脈になりうる人と言える。

次に、自分の名刺を見てほしい。相手の印象に残らず、捨てられてしまう名刺にはなっていないだろうか。職種や資格を肩書きにした名刺は誰にでも作れる。

そこで、たとえ会社員であっても、肩書きに一工夫を加え、自分独自の価値を相手に提示することが重要となる。さらに、

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要約公開日 2017.08.05
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