富士箱根ゲストハウスの外国人宿泊客はなぜリピーターになるのか?

未 読
富士箱根ゲストハウスの外国人宿泊客はなぜリピーターになるのか?
ジャンル
著者
高橋正美
出版社
定価
2,160円
出版日
2017年04月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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富士箱根ゲストハウスの外国人宿泊客はなぜリピーターになるのか?
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著者
高橋正美
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定価
2,160円
出版日
2017年04月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
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レビュー

現在、日本を訪れる外国人旅行者が急増している。日本政府は2020年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人旅行客数を4000万人にするという目標を掲げている。よって、今後ますます多くの外国人が日本を訪れることになるだろう。では、観光先進国として成功を収めるためには、私たち日本人は何を意識すればいいのか。その問いに対する大事なヒントがちりばめられているのが本書だ。

著者は、世界最大級の旅行口コミサイト、トリップアドバイザーでエクセレンス認証を5年連続獲得した富士箱根ゲストハウスの代表を務めている。そんな著者が、「もてなしの心」とは何か、どんな心構えで外国人旅行者を迎えればいいのかについてまとめたのが本書である。外国人旅行客に満足してもらい、リピーターになってもらうには、英語力やノウハウよりも「旅行客を友人として迎え、心からもてなす」という意識の方が、よほど大切だとわかるだろう。

「もてなしの心」の本質を知ることは、観光業に携わっている人以外にとっても大いに価値がある。日本全国に外国人観光客があふれる時代は、すぐそこまできている。そんなとき、これを千載一遇のチャンスととらえられるか。おもてなしの真髄を、自社の商品やサービスにどう取り入れるか。こうした発想をもてるかどうかがビジネスの成否を分けるといってよい。インバウンド4000万人時代のバイブルとして、本書をお読みいただきたい。

山下 あすみ

著者

髙橋 正美(たかはし まさみ)
富士箱根ゲストハウス代表。観光庁VISIT JAPAN大使。
1948年生まれ。立教大学卒業後、箱根町役場に勤務。LIOJ(日本外国語教育研究所)事務局長、インターカルト日本語学校事務局長、Tokyo Journal発行人代理などを経て、1984年「富士箱根ゲストハウス」をオープン。現在までに75カ国から15万人を超える外国人旅行客を受け入れるほか、小・中・高校・大学生において国際観光教育を行い、インターンシップの受け入れ、産業界や自治体向けの人材育成講座を主宰するなど「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の啓蒙活動を続けている。元・立教大学大学院観光学研究科非常勤講師。現在、一般財団法人MRAハウス理事、一般社団法人日本文化海外普及協会理事、箱根ライオンズクラブ第55代会長として社会公益活動や社会奉仕活動にも取り組んでいる。

本書の要点

  • 要点
    1
    旅行客の「爆買い」ブームが一段落した今、これからの外国人旅行客の関心は「モノ」から日本らしさの「体験」にシフトしている。
  • 要点
    2
    外国人旅行客にリピーターになってもらううえで大切なのは、英語力やノウハウだけでなく、真摯に外国人旅行客と向き合い、困っていることに手を差し伸べる「心からのもてなし」である。
  • 要点
    3
    人口減少によって経済活動の先細りが懸念される地方にとって、外国人旅行客の来訪は地方活性化のチャンスとなる。地元の人たちが主体的に歓迎のメッセージを発信することが肝要だ。

要約

外国人は何を求めて日本にやってくるのか

インバウンドは「モノ」から「体験」へ

日本では外国人旅行客が急増している。その背景には近隣諸国の経済発展や、円安による日本国内の旅行費用の軽減などがある。さらには、政府が実施している「ビジット・ジャパン事業」によるプロモーション活動や情報発信の影響も大きいだろう。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックが控えており、今よりもはるかに多くの外国人が日本を訪れることが確実視されている。観光先進国をめざす政府は、東京オリンピックまでに外国人旅行客を4000万人に増やすという目標を掲げている。

中国人旅行客の「爆買い」ブームも一段落し、今後のインバウンド需要の傾向は「モノ」から、日本らしさの「体験」にシフトすると考えられている。そこで重要になるのは、いかに旅先で満足してもらい、「また日本を訪れたい」と思ってもらえるかという視点である。そのためには、外国人旅行客が何を求めて日本にきているかを知る必要がある。

「ありのままの日本」の魅力を
Geerati/iStock/Thinkstock

外国人旅行客は、日本人が想像している以上に、日本式の生活文化や空間に興味をもっている。にもかかわらず、「外国人のために和室を洋室に改装する」といった行動をとると、外国人旅行客の期待に反することになってしまう。地元の神社仏閣や昔ながらの和室など、日本人が気づいていない「ありのままの日本」の魅力を、今一度見つめ直すことを著者は推奨している。

また、日本の子育てや介護、教育、生きがい、収入といった、日本人の暮らしに関心をもっている外国人旅行客は多い。「ありのままの日本」を知ることが、彼らの旅の目的の一つになっているにちがいない。こうした素朴な疑問や質問に対応できるように準備をすることも、外国人旅行客に満足してもらうための秘訣といえる。

究極の観光資源は「人」である

外国人旅行客は、観光名所やおいしい料理を目当てに日本を訪れている。しかし、彼らが心から満足する瞬間は、日本人のもてなす心にふれたときだ。つまり、どんなに魅力的な観光スポットを見物したり、いくらおいしい料理を食べたりしても、店員に冷たい態度を取られて嫌な思いをすると、満足度は半減してしまう。

観光スポットを整備し、サービス、食事を充実させることも大切だが、まずは「もてなしの心」をもって接していれば、外国人観光客は喜んでくれるだろう。喜びや悲しみといった感性は万国共通である。

近年はSNSなどで口コミがあっという間に広がる。そのため、「日本に旅行したほうがいい」という評判が各国で広がれば、外国人観光客の数はこれからも増えていくだろう。

【必読ポイント!】 なぜ富士箱根ゲストハウスにはリピーターが多いのか

できないことは「できない」という
Yoshitaka_Masuda/iStock/Thinkstock

富士箱根ゲストハウスの原点は、著者が体験したホームステイにある。めざすのは「外国人を友人として迎え、人としてお世話する場」だ。著者が考える「もてなしの心」とは、「外国人を枠にはめず、こちらの価値観を押しつけず、違いは違いとして受け止めて、柔軟な心で相手の立場を思いやり、尊重すること」だという。

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