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ゼロからの経営戦略の表紙

ゼロからの経営戦略

シリーズ・ケースで読み解く経営学1


本書の要点

  • 戦略を考える際には、「常識」を疑って考え抜くクセをつけるべきだ。そのためには、目の前で起きている事象ではなく、その「背後にあるメカニズム」を掘り下げる必要がある。

  • 戦略を立てるうえで最も重要なのは「顧客」だ。顧客の分類(セグメンテーション)を戦略策定の出発点とし、需要に供給を合わせることを徹底すべきである。

  • 製品にはライフサイクルがある。市場が成熟期に入ったら、戦略の切り替えをしなければならない。そのためには、さまざまなデータを集め、市場のメカニズムを解明することが求められる。

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戦略的思考のすすめ

2つの不確実性

badmanproduction/iStock/Thinkstock

「不確実性の高い時代になった」と耳にする機会は多い。しかし、「不確実性」とは具体的に何を意味しているのか、しっかり考えている人は多くないはずだ。

不確実性は、(1)「自然の不確実性」と、(2)「人々が相手を出し抜こうとするが故に発生する不確実性」の2種類に大きく分けられる。このうち、ビジネスにおける不確実性は後者、すなわち、複数の人々の意思と行動が入り乱れた結果、事前に予測できない現象が起きることを指している。

ビジネス環境において何が起きるかを予測しにくい最大の理由は、「世の中には、自分の視野の外側に自分と異なる意思を持つ人間がいる」からである。自分の視野の外で努力している人がいて、その人の活動が自分にも影響を及ぼすような社会システムになっているのだから、予測していなかった事態と直面することは原理的に避けられない。

現代社会で、このような意味での不確実性が高まってきている原因として、インターネットや物流のスピードアップが挙げられる。これらによって、世界中の人々が緊密に結びつけられたことで、自分に影響を及ぼしうる人が増えたのだ。

特に日本企業について言えば、近くにいる競争相手のレベルが上がったことも、不確実性が高まった要因である。中国、韓国、台湾、インドの企業の成長は著しい。日本企業を脅かす新しいビジネスがどこから出てきてもおかしくはない。このままでは、多くの企業が国内の需要減少と海外との激しい競争に耐えられず、徐々に衰退していくことになるだろう。

「戦略」を考える思考力を武器にせよ

そのような時代を生き延びるためには武器が必要だ。その武器とは、「戦略」を考える思考力である。

ここでの「戦略」の定義は、自分が将来達成したいと思っている「あるべき姿」を描き、それを達成する上で整えるべき環境について分析すること、そして自分が持っている経営資源(能力)を意識しながら、事象の背後にあるメカニズムを分析し、「あるべき」姿に到達するシナリオを描くことだ。なかでも重要なのは、どこに注力すれば成果が最大化されるかを、ビジネスパートナーにしっかりと示すことである。

戦略を考えることは、すべての人にとって有用な知的作業だ。企業内の仕事だけでなく、ボランタリー組織の運営や資格試験の勉強、就職・転職活動、家計のやりくりなど、さまざまな局面で役に立つだろう。

もちろん、どれだけ戦略を練ったとしても、不確実性から完全に自由になることは不可能である。だが、たとえそうだとしても、人々の意思と相互作用から生まれる不確実性に対処しやすくなるし、事後的に何をすればいいのかも明確になる。

常識を疑い、考え抜くクセをつけよ

SIphotography/iStock/Thinkstock

戦略を立てるということは、シナリオを描くということだ。何かに焦点を絞り、良い循環をつくりだし、できるだけ自然に「あるべき姿」へといたる流れを創る。

このような戦略を考える際に、かならずするべきことが2つある。ひとつは「常識」を疑い、考え抜くクセをつけること、そしてもうひとつは、目の前で起きている事象の表層にとらわれず、その「背後にあるメカニズム」を掘り下げて考えることである。

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要約公開日 2017.10.24
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