魔法をかける編集

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出版社
インプレス

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定価
1,760円(税込)
出版日
2017年07月21日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「編集」と聞くと、雑誌や書籍関連の話だと思うかもしれないが、実はそれはある意味限定的な「編集」の解釈である。本書は、編集というものをもっと広義に捉え、企画や商品開発、さらには町おこしまで、あらゆるビジネスに役に立つスキルとして紹介している。イベントや商品など、あらゆることに「編集という魔法」をかけることで、様々な問題がクリアになり、状況が変化してゆく。本書では、そのプロセスや考え方が、親しみやすい文体で書かれている。

著者は、編集を、学校や出版社や編集プロダクションで学んで身につけたわけではない。素人として、自分で考えながら、本や雑誌を作ってきた。しかし、自ら編集長を務めた雑誌「Re:S」や、秋田県発行のフリーマガジン「のんびり」は、人々の目を地方に向けさせ、着実に世の中に影響を与えてきた。著者自身、状況を変えてゆく「編集の魔法」に魅せられ、追求してきた一人なのである。

「魔法」という言葉を使っているが、編集の力は、本来誰にでも備わっている力なのだと著者はいう。インターネットなどの発達によって、個人が声を発することが容易になった現代は、この力を発揮することがより容易な時代でもある。問題解決に困っていたり、なにかブレイクスルーがないと悩んでいたりする人は、本書を読んでみると、何かヒントを得られるかもしれない。

ライター画像
山田宗太朗

著者

藤本 智士
1974年兵庫県生まれ。編集者。有限会社りす代表。雑誌「Re:S」編集長を経て、秋田県発行フリーマガジン「のんびり」、webマガジン「なんも大学」の編集長に。自著に『風と土の秋田』『ほんとうのニッポンに出会う旅』(共に、リトルモア)。イラストレーターの福田利之氏との共著に『いまからノート』(青幻舎)、編著として『池田修三木版画集 センチメンタルの青い旗』(ナナロク社)などがある。編集・原稿執筆した『るろうにほん 熊本へ』(ワニブックス)、『ニッポンの嵐』(KADOKAWA)ほか、手がけた書籍多数。
ホームページ http://re-s.jp/
Twitter @Re_Satoshi_F

本書の要点

  • 要点
    1
    広義で、編集とは「メディアを使って状況を変化させるチカラ」である。メディアを、マスメディアでなく「店」や「商品」などのローカルメディアと考えれば、編集はぐっと身近なものになる。
  • 要点
    2
    編集自体を目的としてしまってはいけない。編集の先に、どのように世界が変化するのか、そのビジョンを持つことが大切である。
  • 要点
    3
    著者が作ってきた雑誌で大切にしてきた編集術は、既存のやり方に縛られず、現場の勢いを大切にするスタイルだ。「行き当たりばったり」な取材が、予測不能な面白さを生む。

要約

【必読ポイント!】編集という魔法

広義の意味での編集

「編集」という言葉を聞いたり読んだりした時、一般的にイメージされる「編集」とは、おそらく雑誌や書籍などの編集だろう。著者が本書で扱うのは、もっと広義の「編集」、すなわち、「メディアを活用して状況を変化させるチカラ」である。「メディア(媒体)」にあたる部分は、雑誌や書籍である場合もあるが、もっと多様なものとして捉えることができる。たとえば、文章から離れて、「町」をメディアとして捉える。あるいは「商品」や「店」をメディアとして捉える。これらに編集という魔法をかけることによって、目の前にある様々な問題が解決する。

メディア=ローカルメディアと考えてみること
Butsaya/iStock/Thinkstock

編集の魔法をかけるために不可欠なのが、「ローカルメディア」である。

「ローカルメディア」と聞くと、地方や田舎で作られている雑誌や新聞やウェブ、というようなイメージを抱くかもしれない。しかし「東京ローカル」という言葉があるように、ローカルを「局所」という意味に捉えることもできる。もしそう捉えるならば、究極のローカルメディアは自分自身だといえる。誰と付き合い、何を話し、どんな服を着て、どんな行動を取るか。それらすべてが自分自身からの発信なのであり、そうするとつまり、自分自身がメディアだと考えられる。

メディア=マスメディアと考えがちだが、メディア=ローカルメディアと考えることで、メディアというものをコントロール可能なものに引き寄せることができる。この認識を持つことが、編集の魔法を身につけるために必要なのだ。

編集は目的ではない

編集というのは、前述のとおり「メディアを活用して状況を変化させるチカラ」である。だから、たとえば状況を変えるためにミニコミを作るとして、それを作ること自体が目的になってしまってはいけない。作ったあとに世界がどのように変化するかが大切なのだ。

編集自体を目的としてしまわないようにするために、必要なのが「ビジョン」と「謙虚さ」だ。ビジョンとは数値目標ではなく、理想とする未来への意志やイメージのことである。数値目標にとらわれると、数字で表れないものに気づかなくなってしまう。数字の危険に陥らず、一人ひとりの暮らす世界そのものであるビジョンを真摯に思い描けば、自分の理想がすべての人にとっての理想でないことにも当然思い至るだろう。そのように考えていくことで、自分の考えたビジョンに対しても謙虚でいることができる。

編集は世界を変える

日本酒を編集する
botamochi/iStock/Thinkstock

ここで、広義の編集の例を挙げてみよう。

秋田県の日本酒「雪の茅舎(ぼうしゃ)」を造っているのは、齋彌(さいや)酒造店だ。そこで酒質の責任者である杜氏を務める高橋藤一(とういち)氏は、これまで酒造りに欠かせない工程の一つとされていた櫂入れ(かいいれ)に疑問を持った。櫂入れとは、発酵を均一にするために酒を掻きまわす作業である。独自の実験を繰り返した結果、櫂入れの工程が不要であることを実証し、微生物の対流に任せた自然な酒づくりを成功させた。

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