すべての組織は変えられる
好調な企業はなぜ「ヒト」に投資するのか

未 読
すべての組織は変えられる
ジャンル
著者
麻野耕司
出版社
定価
850円 (税抜)
出版日
2015年09月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
4.5
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好調な企業はなぜ「ヒト」に投資するのか
著者
麻野耕司
未 読
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定価
850円 (税抜)
出版日
2015年09月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
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レビュー

気鋭の企業がこぞって“人財”に投資・注力しはじめている。もはやモノ・カネではなく「ヒトで勝負が決まる時代」だ。

本書は時代の変わり目に臨むリーダーや経営層に向けて、「成果を上げるための組織改革」をわかりやすく解説する一冊である。会社が抱えている問題を「組織病」と表し、事例と考察をもとにそれらを7つに分類。それぞれに合った治療法や特効薬を紹介している。

組織に問題があると感じているリーダーは少なくない。とはいえ「なぜ」と頭を悩ませることはあっても、問題がどこに起因し、どうすれば解決できるのかを明文化することは難しい。著者の麻野耕司氏も、かつては部下のマネジメントがうまくいかず、頭を悩ませていた。しかしマネジメントを「スキル」と捉え、「ヒト」に投資するよう意識してから、すべてが変わったという。

本書のすばらしい点は、どのような規模・特徴のチームであっても、実践しやすい解決法が提示されているところだ。読みすすめるにつれ、「メンバーに感謝の言葉を伝えているか」「“最近の若者は……”が口癖になっていないか」と自問せずにはいられなくなるだろう。

組織の成果を最大化するためのメソッドだけでなく、組織改革のヒントとなる話が満載である。まずは本書を読み、みずからの言動を振り返るとともに、麻野氏が提言する治療法や特効薬を試していただきたい。

水本このむ

著者

麻野 耕司 (あさの こうじ)
(株)リンクアンドモチベーション 執行役員。1979年兵庫県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。2003年(株)リンクアンドモチベーション入社。大手企業向けコンサルティング業務、人事マネジャー、社長室マネジャーを経て、中小ベンチャー企業向けコンサルティング事業の責任者に着任。気鋭の組織変革コンサルタントとして注目を集める。「組織風土」「人事制度」「人材開発」「人材採用」といった総合的な切り口から組織変革を手がけている。2013年には、成長ベンチャー企業向け投資事業を開始。複数の企業の社外取締役、アドバイザーを務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    どんなにすぐれた戦略も、それを動かすのはあくまで「ヒト」であるということを忘れてはならない。
  • 要点
    2
    「ヒトは感情で動く」ということをリーダーは理解すべきだ。感情しだいで行動は鋭くも鈍くもなるし、結果の成否もわかれる。メンバーの仕事へのスタンスを見極め、それに応じた働き方をおこなうことが重要である。
  • 要点
    3
    マネジメントの鉄則は「何が正しいか?」ではなく、「どうすればうまくいくか?」を追求していくことである。

要約

リーダーがやるべき仕事

ヒト(組織)で勝負が決まる時代

サービス産業が市場の大部分を占めているいま、人材が企業の命運を握っているといっても過言ではない。人材は転職インフラが発達したことにより流動化し、価値観も多様化。高い報酬や地位だけでなく、仕事のやりがいや自己成長も求められるようになった。このような状況のなか、勝ち抜くための組織づくりをするためには、人材獲得に力を注ぐことが急務である。

優秀な人財が集まる組織をつくるためにもっとも効果的なのは、「職場のリーダーが変わること」だ。とはいえここで問われるのは、先天的な性格や才能などではない。リーダーとしての「スキル」があるかないかである。そしてスキルは学べば習得できるものなのだ。

ヒトは感情で動く
terng99/iStock/Thinkstock

リーダーとしてのスキルを考える前に、戦略とヒトに目を向けてみよう。戦略は会社の伸展を支えるためのものだ。だがどんなにすぐれた戦略も、それを動かすのはヒトということを忘れてはならない。

リーダーが戦略を立て、メンバーがその戦略に沿って行動することで、はじめて成果はもたらされる。だが100の戦略を立てても、50の成果しか出ないこともある。こうしたことが起こるのは、リーダーが決定的に見落としているものがあるからだ。それは行動するメンバーにも「感情」があるということである。

感謝と謝罪を軽んじないこと

リーダーがメンバーの感情を動かすためには、「Unfreeze(解凍)→Change(変化)→Refreeze(再凍結)」という3つのステップを踏む必要がある。相互不信を解いて期待感を醸成させ(解凍)、共感を引き出して納得感を醸成させる(変化)。そしてそれを仕組み化し、変化を実感させる(再凍結)。「変わらなきゃダメだろ!」と変化を先に説いてみても、解凍のステップを踏んでいなければ、関係構築は停滞するだけだ。

では相互不信を解くために何が大切なのか。それは「感謝と謝罪」である。感謝と謝罪が率直にできてこそ、人間関係はスムーズなものになる。たとえ不信感があったとしても、やがてそれは消え、相互の信頼関係が生まれる。感謝や謝罪には、不信感で凍りついた気持ちを一気に溶かしてくれる効果があるのだ。

「誰が悪いか?」は重要ではない

自分と他人は違う
Digital Vision./DigitalVision/Thinkstock

組織をぎくしゃくさせるもののひとつが、「自分がこう思っているのだから、相手もそう思っているだろう」という思いこみだ。

著者は新しくて大きなチャレンジにこそ、仕事のやりがいとおもしろさがあると感じるタイプだ。だがその思いを語りかけつづけたところ、メンバーがシラけてしまったことがあった。

メンバー全員が著者と同じタイプであれば、理解と共感が得られたかもしれない。しかし彼らの考え方は異なっていた。「メンバーたちはシラけていたのではない、メンバーを自分と同一視していた私がメンバーたちをシラけさせていたのだ」と、著者はかつての出来事を振り返っている。

自分と他人は違う。その当たり前のことに気づけば、組織の風通しは格段によくなる。

メンバーのタイプを見極める

ヒトには「アタック」「レシーブ」「フィーリング」「シンキング」という4つのタイプがある。

アタックタイプは、「達成支配欲求」が満たされることによってモチベーションが高まる。いわれてうれしい言葉は「すごい」などである。

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