マイクロソフト 再始動する最強企業

未 読
マイクロソフト 再始動する最強企業
ジャンル
著者
上阪徹
出版社
ダイヤモンド社 出版社ページへ
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2018年08月08日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.0
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マイクロソフト 再始動する最強企業
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上阪徹
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1,600円 (税抜)
出版日
2018年08月08日
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レビュー

マイクロソフトをゼロからつくりかえる――。従業員12万人、売り上げ10兆円の世界最大のソフトウェア会社で、大変革がおこなわれた。本書はマイクロソフトがいかにそのような変革を成し遂げ、どんな未来を生み出そうとしているかを明らかにするものだ。

以前のマイクロソフトはスマートフォン時代に乗り遅れ、競争力も低下していた。そんな会社が “復活”した背景には、3代目CEOサティア・ナデラ氏の存在がある。マイクロソフトはナデラ氏の下で、自社の存在意義を問い、未来を定義し、ミッションを見直した。そしてそのミッションを実現させるべく、新たなカルチャーを会社に浸透させていった。これこそがマイクロソフト変革の大きなカギだという。

マイクロソフトの展望は明るい。今後のカギとなるテクノロジーはいうまでもなくAIだが、マイクロソフトはAIの最先端企業であり、そういう意味でも大きなアドバンテージがある。

また働き方という面でも注目に値する。日本マイクロソフトは、日本で働き方改革にもっとも成功している企業のひとつだ。フレキシブルな働き方を推し進め、他社を圧倒的に凌駕する生産性を誇る。その仕組みを知ることは、日本のビジネスパーソンにとっても大いに役に立つだろう。

マイクロソフトは滅びゆく恐竜ではなく、進化しつづける怪物なのである。

木下 隆志

著者

上阪 徹 (うえかさ とおる)
1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒。
ワールド、リクルート・グループなどを経て、94年にフリーランスとして独立。
経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに雑誌や書籍、webメディアなどで幅広く執筆やインタビューを手がける。これまでの取材人数は3000人を超える。
著書に『あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか?』(東洋経済新報社)、『社長の「まわり」の仕事術』(インプレス)、『10倍速く書ける 超スピード文章術』(ダイヤモンド社)など多数。インタビュー集に、累計40万部を超えるベストセラー『プロ論。』シリーズ、『外資系トップの仕事力』シリーズなどがある。
企業取材本も『JALの心づかい』(河出書房新社)、『六○○万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(角川SSコミュニケーションズ)、『リブセンス <生きる意味>』(日経BP社)、『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)など多数。インタビューで書き上げるブックライター作品も60冊を数える。

本書の要点

  • 要点
    1
    マイクロソフトはソフトウェアビジネスから、クラウドビジネスへの大転換をおこなった。しかしこれだけで会社が変わったのではない。
  • 要点
    2
    自社の存在意義を問い、未来を見定めたうえで、ミッションを見直した。そしてそれを実現させるためのカルチャーを会社に浸透させていった。これこそがマイクロソフトの大きな変革のカギである。
  • 要点
    3
    少ないリソースで多くの仕事をし、それを持続可能な状態にすること。それが働き方改革の肝である。

要約

【必読ポイント!】 ゼロからつくりかえる

ミッションの変更
ChakisAtelier/Gettyimages

マイクロソフトは従業員12万人、売上高10兆円を誇る世界最大のソフトウェア会社である。

そんなマイクロソフトにも長い低迷期があった。スマートフォン時代に完全に乗り遅れ、競争力が低下していたのだ。そんな会社がなぜ復活できたのか。

復活の立役者となったのが、マイクロソフトの3代目CEOに就任したサティア・ナデラ氏である。2014年にCEOに就任したナデラ氏は、驚くべきことにマイクロソフトという会社の「ミッション」そのものを変えた。自分たちは何のために存在しているのか、あらためて問いかけたのだ。

ナデラ氏が新たに掲げたミッションは、「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というものである。大胆なことのようにも思えるが、ミッションがいまの時代とそぐわなければ、会社は未来とずれた方向に向かってしまう。

ちなみにミッションは過去にも変わっている。創業者ビル・ゲイツ氏が掲げたミッションは「すべてのデスクと、すべての家庭に1台のコンピューターを」であったが、2代目CEOスティーブ・バルマー氏は「世界中のすべての人々とビジネスのもつ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」をミッションとして掲げていた。

マイクロソフトのカルチャー変革

会社を変えるためには、カルチャーを変えなければならない。ナデラCEOはそう考えていた。

マイクロソフトのカルチャーを変革するうえでキーワードとなったのが、「グロース(成長)マインドセット」である。この言葉が象徴するように、ナデラ氏はCEOに就任するとすぐに大きなチャレンジをおこなった。それこそがソフトウェアビジネスからクラウドビジネスへの大転換であり、Windowsの無償化であった。

クラウドビジネスは、一度売りこんで買ってもらえばいいという類のものではない。信頼関係を築き、さまざまな提案をし、長期間使ってもらうという商売をしなければいけない。そこには発想の大転換が必要だった。

アップルは敵ではなくてパートナー
beer5020/Gettyimages

ナデラ氏の戦略は「オープン」という言葉に集約できる。ナデラ氏はCEO就任後、競合企業と次々に提携を結んでいった。いまやアップル、Linux、オラクルといった企業も、マイクロソフトのパートナーである。

それまでのマイクロソフトは、自社ですべてをまかなおうとしていた。しかしオープンな姿勢をもたなかったことが、結果としてマイクロソフトを停滞させた原因になった。

サティア氏がCEOになって変わったのは、iPhoneはマイクロソフトの敵ではなく、マイクロソフトのアプリやサービスを使ってくれるすばらしいデバイス、という発想をするようになったことである。iPhone向けの魅力的なアプリをつくって、iPhoneでもっとマイクロソフト製品を使ってもらう、という戦略に切り替えたのだ。クラウドサービスを導入してもらい、そのトラフィックそのものをマネタイズすれば、使ってもらうほど収益になるし、デバイスやOSは他社製品でもかまわないというわけである。

新しいカルチャーに息を吹きこむ10の習慣

マイクロソフトの変革がうまくいったのは、カルチャーの変革に成功したことが大きい。だがカルチャーを変えるのは簡単なことではない。一体どんなことをしたのか。

アメリカ本社でダイバーシティ推進を担っているトム・フィリップス氏によれば、カルチャーの重要性を社員に意識してもらううえで、次の10の行動規範が役に立ったという。

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