会社をどこから変えるか?

未 読
会社をどこから変えるか?
ジャンル
著者
ロジャー・コナーズ トム・スミス
出版社
クロスメディア・パブリッシング 出版社ページへ
定価
2,180円 (税抜)
出版日
2018年08月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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ロジャー・コナーズ トム・スミス
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定価
2,180円 (税抜)
出版日
2018年08月11日
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総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
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レビュー

どんな会社にも自社の「カルチャー」があるはずだ。そして著者によると、ビジネスに大きな変革をもたらすのは、カルチャーの変革であるという。特に競争が激化している今日のビジネスシーンでは、単に現行のパフォーマンスに磨きをかけるだけでは他社と大きく差別化することはできない。組織としての成果を一変させるような変化を促すためには、カルチャー変革を正しく実践することが不可欠なのだ。

カルチャーの重要性を説く本は多数あるが、本書の特徴はそのプロセスを詳細に解説していることだ。著者は「成果ピラミッド」という考え方を用いて組織変革のプロセスを説明している。これは目標となる「成果」を頂点として、カルチャーを構成する3要素である「経験」「信念」「行動」が積み重なってピラミッドを形成しているという考え方だ。日々の社員の「経験」が「こうあるべき」という「信念」を育み、その「信念」が主体的な「行動」を生み、目標とする「成果」へとつながる。本書が目指すのは、社員一人ひとりが主体的に考え、行動する「アカウンタビリティ・カルチャー」だ。このアカウンタビリティ・カルチャーを構築するためには「成果ピラミッド」の全ての段に取り組むことが欠かせないと著者は主張する。

本書は主に経営陣をターゲットとして書かれたものだが、「成果ピラミッド」の考え方は、部署やチーム運営などの小さな組織のマネジメントにも使えそうだ。組織運営に携わるすべての人に手に取ってほしい一冊である。

池田明季哉

著者

ロジャー・コナーズ&トム・スミス
ロジャー・コナーズとトム・スミスは、パートナーズ・イン・リーダーシップ社の共同創業者。同社は世界各地でアカウンタビリティ・トレーニング®を提供している。クライアント各社は、同社の研修プログラム「The Three Tracks to Creating Greater Accountability®: Self, Culture and Others(仮邦題:アカウンタビリティ強化へと通じる3本のトラック――自分・カルチャー・同僚)」を活用して、組織にとって重要な結果を達成している。筆者らには、同じく共著書である『主体的に動く』『How Did That Happen?』もある。いずれも『ニューヨーク・タイムズ』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『USAトゥデイ』のベストセラーリスト入りしている。

本書の要点

  • 要点
    1
    今ある「成果」は組織のカルチャーが生み出したものだ。「成果」を変えたければ、カルチャーを変えるしかない。
  • 要点
    2
    「成果ピラミッド」は組織カルチャーを「経験」「信念」「行動」に分け、これらが影響を与え合って「成果」を生み出すプロセスを示したものである。組織カルチャーを変革するには、「経験」「信念」「行動」すべての変革に取り組まなければならない。
  • 要点
    3
    組織に必要なのは、社員が主体的に考える「アカウンタビリティ・カルチャー」である。組織でアカウンタビリティ・カルチャーをはぐくむためには「成果ピラミッド」が効果的だ。

要約

【必読ポイント!】アカウンタビリティ・カルチャーを築く

成果ピラミッドで組織カルチャーを変革する
jacoblund/gettyimages

組織のカルチャー、つまり「社風」は社員の考え方や行動によって形成される。カルチャーはどんな組織にも存在しており、組織の成功と失敗を分けることもある。企業は、各部門の業績改善に加え、組織カルチャーの最適化にも尽力する必要があるといえよう。

カルチャー変革を加速させ、組織の成果を上げるために利用できるのが「成果ピラミッド」というモデルだ。成果ピラミッドとは、組織カルチャーを構成する3大要素を「経験」「信念」「行動」とし、これらが互いに影響を与え合って「成果」を生み出すプロセスを示したものだ。下から順に「経験」「信念」「行動」「成果」の順に積み上げ、ピラミッドの形を成している。社員の「経験」「信念」「行動」が組織カルチャーを形成し、形成された組織カルチャーが組織の「成果」を生むことを意味する。

管理職は、日々社員になんらかの「経験」を与えている。誰かを昇進させたり、会議でやりとりしたりといったことも「経験」に含まれる。そうした「経験」を通して社員たちに「うちの会社のやり方はこうだ」という「信念」がはぐくまれる。その「信念」が社員たちの「行動」をうながし、その「行動」が積み重なって会社の「成果」がもたらされる。成果はこんなにシンプルに生み出されている。そしてこれが毎日、毎分進行しているのだ。

今の会社の「成果」は組織のカルチャーが生み出したものである以上、「成果」を変えたければカルチャーを変えるしかない。そしてカルチャー変革の主導権は、リーダーが握るべきである。

組織変革には「アカウンタビリティ」が不可欠

組織にとってもっとも効果が高いカルチャーは、アカウンタビリティ・カルチャーである。ここで言うアカウンタビリティとは、組織の成果達成のために主体的に動く力のことを指す。

アカウンタビリティに基づく行動や考え方とそうでない行動や考え方のあいだには、明確なラインがある。このラインよりも上に位置するのがアカウンタビリティを形成する4つのステップだ。

課題が発生するたびに他の人の意見を聞き、コミュニケーションを取ってフィードバックを得るなど、「現実を見つめる」こと。問題を自分のこととして捉え、もらったフィードバックを踏まえて行動するなど、「当事者意識を持つ」こと。障害を乗り越えて成果を上げるために自分には何ができるかを考えて努力するなど、「解決策を見出す」こと。そしてこれらを最後に「行動に移す」という4つだ。

ラインよりも下には、責任のなすり合いや被害者意識などといった悪循環がある。誰しも常にライン上にいられるわけではない。ときにはラインの下に落ちてしまうこともある。だがライン上にいる時間が長ければ長いほど、大きな成果を上げることができる。

成果ピラミッドの全段に取り組む
Deagreez/gettyimages

カルチャー変革においてありがちな失敗は、成果ピラミッドの上2段、「成果」と「行動」だけを変化させようと試みることである。それは、現在の社員の考えや行動にはそれなりの理由があるということを無視する行為だ。「成果」と「行動」に注力すると、社員のパフォーマンスに大きく影響を与える「経験」と「信念」の変革が手つかずになってしまう。

「成果」と「行動」は具体的で目に見えるため、取り組みやすいと考えられがちだ。しかし

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