幸福学×経営学

次世代日本型組織が世界を変える
未読
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幸福学×経営学
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出版社
内外出版社

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定価
1,650円(税込)
出版日
2018年05月27日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「社員全員を幸せにすること」か「会社の利益を確保すること」か。あなたは、会社の経営で一番大事なのはどちらだと考えるだろうか。本書の著者のひとり、幸福学の研究者である前野氏は、SNSを使ってそう問いかけたそうだ。もちろん研究者として、前者が重要であることを確信したうえでの問いかけだった。しかし蓋を開けてみると、後者を支持する人が多く、著者の問いかけを全否定する人さえいたという。

あなたはどちらの意見を支持するだろうか。利益確保が重要であることは論を待たないとしても、経験上、自身が幸せであるときのほうが高いパフォーマンスを出せているということに思い当たる人も多いのではないだろうか。

本書の主題は、経営と社員の幸福の関係である。幸福の定義にはじまり、幸福になるメカニズム、ホワイト企業の共通点、著者らが企画委員を務める「ホワイト企業大賞」受賞企業の事例などが紹介されている。そのなかで示されるのは、社員の幸福度が高いほど会社の業績も伸びるという結論である。社員の幸せが企業を成長させるのだ。

とくに経営者のなかには、「利益を確保しなければ社員を幸せにすることはできない」と考える方も多いかもしれない。しかし本書で示される経営と幸福の関係は動かしがたい事実である。本書を読めば、社員の幸せという観点で経営を考えるよいきっかけが得られるはずだ。

著者

前野 隆司(まえの たかし)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。 1962年、山口県生まれ。東京工業大学卒、同大学修士課程修了。キヤノン入社後、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、ハーバード大学客員教授、慶應義塾大学理工学部教授等を経て、2008年より現職。博士(工学)。研究領域は、幸福学、システムデザイン・マネジメント学、イノベーション教育と幅広い。 著書に、『幸せのメカニズム』(講談社現代新書)、『システム×デザイン思考で世界を変える』(日経BP社)、『実践 ポジティブ心理学』(PHP新書)など多数。

小森谷 浩志(こもりや ひろし)
博士(経営学)、株式会社ENSOU代表取締役、株式会社ジェイフィール コンサルタント。 神奈川大学経営学部国際経営学科講師。ニッカウヰスキー株式会社入社、営業にてトップの業績を残す。その後、アサヒビール株式会社のコンサルティング会社の設立に参画、コンサルタント育成体制を構築。現在は“生命が喜ぶ経営"をテーマに活動。自覚の方法論として東洋の智慧、特に禅の基本テキスト「十牛図」に着目、マネジメント・コミュニティを中核とした組織開発、個の可能性の開花にアプローチするワークショップを展開している。 著書に『週イチ・30分の習慣でよみがえる職場』(日本経済新聞出版社)などがある。

天外 伺朗(てんげ しろう)
1964年、東京工業大学電子工学科卒業後、42年間ソニーに勤務。CD、ワークステーション「NEWS」、犬型ロボット「AIBO」などの開発を主導した。上席常務を経て、ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所(株)所長兼社長などを歴任。現在、ホロトロピック・ネットワークを主宰、医療改革や教育改革に携わり、瞑想や断食を指導し、また「天外塾」という企業経営者のためのセミナーを開いている。 著書に、『日本列島祈りの旅1』(ナチュラルスピリット)、『創造力ゆたかな子を育てる』『無分別智医療の時代へ』(内外出版社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    幸せのカギは4つの因子に集約される。「やってみよう!」因子、「ありがとう!」因子、「なんとかなる!」因子、「ありのままに!」因子だ。4つそれぞれをバランスよく育てていくことで幸福度が高まる。
  • 要点
    2
    社員が幸せであれば会社の業績も向上する。幸せな社員には会社や組織の成長に直結する性質や強みが多いからだ。
  • 要点
    3
    ホワイト企業とは、「社員の幸せ、働きがい、社会貢献を大切にしている企業」だと言えるだろう。社員の幸福を追求すれば、時間はかかるかもしれないが、会社の業績向上につながるはずだ。

要約

【必読ポイント!】幸福と経営

幸福の4つの因子
kieferpix/gettyimages

幸せに関する研究は数多くなされており、そうした研究からさまざまな知見を得ることができる。親切な人ほど幸せだという研究結果もあれば、自己肯定感の高い人は幸せだと主張する研究者もいる。だがそれらをすべて満たしていなければ幸せになれないかというと、そうでもないようだ。

では結局のところ、どうすれば幸せを得られるのか。そう考えた著者(前野氏)が採ったのが、幸せの因子分析という手法である。さまざまな研究結果を分析し、幸福感につながる心的要因を抽出した。そしてその心的要因を問うアンケートを作成し、日本人約1500人に実施したという。

アンケート結果を分析したところ、幸せになるカギはたった4つの因子に集約された。1つ目が、「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)である。やりがいのある仕事やわくわくできる趣味がある人、目標に向かって努力・学習している人は幸せを感じている傾向にあった。それらを通じて成長の実感や達成感が得られれば、幸福度はさらに高まる。

2つ目が、「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)だ。誰かを喜ばせる、愛情を受ける、感謝や親切に触れるなど、人とのつながりによって幸せを感じることがわかった。そのつながりが多様であるほど幸福度が高くなるという。

3つ目が、「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)である。楽観的でいること、自己否定ではなく自己受容を心がけることが幸せにつながることがわかった。

4つ目が、「ありのままに!」因子(独立と自分らしさの因子)だ。他人や周囲を気にしすぎず、ありのままの自分を受け入れることも幸せにつながる。

4つの因子のすべてを満たしている人は幸福度が高く、1つでも欠けていると幸福度は下がること、どの因子も満たされていない人は不幸であるということも明らかになった。4つは互いに深く関わり合っているから、それぞれをバランスよく育てていくことで幸福度が高まるといえる。

社員が幸せになれば業績も上がる
imtmphoto/gettyimages

会社の業績が向上すれば社員が幸せになるという因果関係は、容易に想像できるだろう。逆はどうだろうか。社員が幸せであれば会社の業績が向上するということだ。実はこの因果関係も成立することが証明されている。前述した幸せの4つの因子と関連づけ、研究結果の一部を解説しよう。

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