プロフェッショナルマネジャー

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プロフェッショナルマネジャー
ジャンル
著者
ハロルド・シドニー・ジェニーン アルヴィン・モスコー(編) 田中融二 (訳)
出版社
プレジデント社 出版社ページへ
定価
1,440円
出版日
2004年05月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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レビュー

米国のコングロマリット企業であるITTの元最高経営責任者ハロルド・ジェニーン、その経営回想録である。58四半期連続増益を達成するなかで、彼が実践し体得した「経営」に関するあらゆることが、本書では余すことなく語られる。

一読するだけでも、ジェニーン氏がエリート・秀才タイプの経営者とは一線を画していることがわかるだろう。彼は高尚な経営理論を振りかざしたりはしない。ここに書かれているのは、きわめて実直な経営哲学だ。彼にとってのリーダーシップとは、「他の人々と一緒にボートに飛び乗り、オールをつかんで漕ぎ始めること、そして危機にあるときこそ、率先してオールを掴むこと」だという。そしてそうした姿勢が、他の米国企業との大きな違いをつくったのである。

一方でジェニーン氏は、経営上の数字を軽視しない。むしろ彼は数字を非常に重視しており、数字に対してもきわめて実直である。数字に注意を払うことは、「単調で退屈な決まりきったことの繰り返しだ」とボヤきつつも、数字がなにを意味し、なにを要求しているかを考える能力こそが、ITTの継続的な成長の要因だと語る。

ITTでのさまざまなエピソードを交えながら、「経営の鬼神」ジェニーン氏の飾らない、地に足の着いた金言が満載の一冊だ。経営者、リーダー、マネジャーをめざす、すべてのビジネスパーソンに読まれるべきである。

星名 大輔

著者

ハロルド・ジェーン・シドニー (Harold Sydney Geneen)
1910~1997。英国ボーンマス生まれ。ニューヨーク証券取引所のボーイから、図書の訪問販売、新聞の広告営業、会計事務などを経てジョーンズ・アンド・ラフリン社、レイシオン社で企業の経営に参加参画。1959年ITTの社長兼最高経営責任者に就任。アメリカ企業史上空前の記録“14年半連続増益”という金字塔を打ち立てた。17年間の就任中に買収・合併・吸収した会社はエイビス・レンタカー、シェラトン・ホテル、ハートフォード保険会社はじめ80か国に所在する350社に及ぶ。ジェニーン引退後グループは解体した。

本書の要点

  • 要点
    1
    経営においては、終わりから考えはじめ、そこへ到達するためにできる限りのことを努力すべきである。
  • 要点
    2
    組織図に書きあらわせるような関係だけに着目していたら、組織はうまく機能しない。血のかよった関係こそ重視する必要がある。
  • 要点
    3
    数字はできるだけ早く正確に算出するべきである。その数字がなにを意味し、なにを要求しているのかを理解することが、組織の継続的な成功を可能にする。
  • 要点
    4
    リーダーはなによりも献身的に部下をサポートしなければならない。部下は守られていると感じるからこそ、創造的エネルギーを発揮できる。

要約

【必読ポイント!】「経営する」とは

経営の秘訣

「本を読むときは、初めから終わりへと読む。

ビジネスの経営はそれとは逆だ。

終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。」

なんといっても経営の秘訣は、この「三行の経営論」に尽きる。現実的で確固とした目的を定めることは重要だ。なぜならそれ自体が、目的に達するためになすべきことを示してくれるからである。とはいえ長期計画のほうが重要だから、四半期や年度の目標をおろそかにしてよいというわけではない。四半期の目標が達成できなかったら、年度や中期計画が達成されることは絶対にない。「終わり」から始めて、それに到達するために、ありとあらゆることをしなければならない。

2つの組織
chombosan/gettyimages

どの会社にも2つの組織がある。ひとつは、組織図に書き表すことができる公式上のもの。そしてもうひとつが、その会社に所属する男女における、日常的で血のかよった人間関係である。

どの企業にとっても、会社の機構を示した組織図は不可欠だ。通常は労働力が底部となり組織全体を支え、その上にさまざまな監督機能を持つレイヤーが積み重なり、ピラミッド構造が形成される。その構造にしたがって情報が上達され、命令が下達されるという仕組みだ。

このような組織図は合理的だが、一方であらゆる官僚主義的なファクターが潜んでいることも忘れてはならない。しかも重要な情報が途中のレイヤーでフィルタリングされ、現場で起きていることがトップの人間に届きにくくなる。すると解決するべき問題だけでなく、革新的なアイデアも見逃されるようになってしまう。

著者が最高経営責任者を務めたITTでは、チーム一丸となってゴールへ向かうため、緊密な人間関係の構築に注力した。そのために毎月ブリュッセルで1週間、ニューヨークでも1週間、本社と子会社のトップたちが会合し、互いによく知り合うように心がけた。するとまるで長年一緒に暮らしてきた家族のように相手のことがわかるようになり、それぞれの人物をどの程度まで信頼していいのかも判断できるようになった。

組織図を見ただけでは、ITTは他の会社とそれほど変わらなかった。だが実際には大きな違いがあった。その違いのほとんどは、顔を突き合わせておこなった会議によって生じたものなのだ。

数字が意味するもの
SARINYAPINNGAM/gettyimages

数字は企業の健康状態を測る、体温計のような役目を果たす。数字が精密であればあるほど、また「揺るがすことができない事実」にもとづいていればいるほど、情報は明確に伝わる。

それぞれの年の予算には、あらゆる製品のコスト、マーケットシェア、繰越注文、在庫などに基づいた予想収入が含まれている。それらの数字にあらわれる期待と、現実の市場で起こっていることの差は、なんらかの行動を起こす必要があることを示すシグナルだ。数字を見るのが早ければ早いほど、それだけ早く必要な対策をとれる。

たしかに数字に注意を払うことは退屈だ。

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ハロルド・シドニー・ジェニーン アルヴィン・モスコー(編) 田中融二 (訳)
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定価
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