あたりまえを疑え。の表紙

あたりまえを疑え。

自己実現できる働き方のヒント


本書の要点

  • 人生の残り時間を増やすことはできない。時間の有限性と貴重さを理解できれば、時間の使い方が丁寧になるし、その時間をもっと有意義に過ごそうとするだろう。

  • できるタスクとできないタスクを把握し、自分が得意なことに集中しよう。その間、他の人にはその人が得意なタスクを担当してもらう。これを「時間の貸し借り」という。

  • 自分の得意分野をつくるためには、「外のものさし」を持つことが重要だ。「外のものさし」によって自分を客観的に評価すれば、自分が提供できるバリューが見えてくる。

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時間を疑う

自分と相手の時間の有限性を知る

時間は、すべての人に平等で、有限な資産である。時間が増えることはない。人生の終わりに向かって、残り時間は減っていく。「残り時間を増やすことはできない」――このことを頭に刻み込んでほしい。なぜなら、いまあなたが直面している問題の多くは「時間を無駄にしていること」「時間の無駄に対する抵抗感が薄れていること」によって引き起こされているからだ。時間の有限性と貴重さを理解できれば、未来は変わる。自分の時間の使い方が丁寧になるし、その時間をもっと有意義に過ごそうとするだろう。そうすれば、相手の時間を奪うこともなくなるはずだ。ひいては、自分だけでなくまわりの人を幸せにすることにつながる。

考える時間を確保する

bee32/gettyimages

多くの日本企業では、各部署で業務が異なるにもかかわらず、出社時間は皆同じだ。業務の効率だけを考えれば、全社員が同じ時刻に出社する必然性はない。時間で区切って仕事をする現場スタッフならまだしも、本部や本社のスタッフには、その必要はないだろう。それでもなぜ出社時間をそろえるのか。それは、「現場が早くから働いていて悪いから、それに合わせよう」という日本人特有の気質があるからではないかと著者はいう。このような働き方では、本来クリエイティブな仕事をすべき人までもが同一性を求められてしまう。その問題の大きさを認識するとともに、生産性の高い時間の使い方とは何か、自分がもっとも価値を出せることは何かを常に問いかけ続ける必要があるだろう。では、どうすれば自分の価値を見つけられるのか。そのためには、「ゼロを1にする」ための仕事、つまりこの世にないものを新たに生み出す仕事にどれだけの時間を割けるのかを考えてみよう。新たなものを生み出すには、「考える時間」を確保する必要がある。著者の場合、「考える時間」は次の3つのフェーズに分けられる。1つ目は、ひとりの時間を確保し、自ら考えを深めること。2つ目は、多様な人たちとディスカッションすること。3つ目は、信頼できる誰かに話しながら、考えを構築・検証することだ。著者はこれらの3つを「ゼロを1にする」ための創造的な時間として確保するようにしているという。

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要約公開日 2019.04.04
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