天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼
日本五大どんぶりの誕生

未 読
天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼
ジャンル
著者
飯野亮一
出版社
定価
1,200円 (税抜)
出版日
2019年09月10日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
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天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼
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日本五大どんぶりの誕生
著者
飯野亮一
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定価
1,200円 (税抜)
出版日
2019年09月10日
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革新性
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レビュー

現代の日本人が好んで食べているどんぶり物は、どのように誕生したのか。ご飯の上におかずをのせるという行為は「革命」だったのだと、食文化史研究家である著者は語る。著者が膨大な史料を調べ、特に人気のある鰻丼、天丼、親子丼、牛丼、かつ丼について、その誕生と発展について解説したのが本書である。

どんぶり物の中で最初に生まれたのは鰻丼だ。天丼、親子丼、牛丼、かつ丼は明治以降に生まれ、日本人に愛されることとなったという。最初に生まれたのが鰻丼というのは意外であり、その背景にはある男の「食い意地」に端を発するアイディアがあったというのも興味深く、1杯の丼にひそむドラマが見えてくる。ほとんど肉食をしてこなかった日本人が、あるときから肉を食べ始め、自分たちの好む料理を開発していく流れにも好奇心をそそられる。歴史の中で育まれてきた味を、現代に生きる我々は堪能しているのだ。

本書には、どんぶり物が誕生した当時の広告や、どんぶり物の当時の姿がうかがえる史料など多く掲載されており、その時代の様子が感じ取れるように工夫されている。当時の人々がどのようにどんぶり物を楽しんでいたのかを垣間見れば、まるでその時代に入り込んでしまったかのような不思議な感覚を覚えるかもしれない。楽しんで読める一冊である。

小嶋 平康

著者

飯野 亮一(いいの りょういち)
早稲田大学第二文学部英文学科卒業。明治大学文学部史学地理学科卒業。食文化史研究家。服部栄養専門学校理事・講師。著書に『居酒屋の誕生』『すし 天ぷら 蕎麦 うなぎ』(ちくま学芸文庫)、『江戸の料理と食生活』(共著、小学館)、『郷土史大辞典』(共著、朝倉書店)、『歴史学事典』(共著、弘文堂)、『調理用語辞典』(共著、全国調理師養成施設協会)などがある。「dancyu」など、食の雑誌への執筆も多い。

本書の要点

  • 要点
    1
    江戸時代に、ある男が、蒲焼きが冷めないようにと蒲焼きとご飯を一緒に盛り合わせた。その「鰻飯」がおいしかったので周りにも広まり、後の鰻丼が誕生した。
  • 要点
    2
    鰻丼の誕生以降、明治時代まで他のどんぶり物は誕生しなかった。天丼が生まれるまでには、天麩羅茶漬の流行があった。鶏肉と鶏卵は、食べ物の格付け上の差があり、その意識から親子丼はなかなか誕生しなかった。また、牛肉や豚肉は長い間日本で食べられていなかったので、牛丼やかつ丼が生まれるまでにも時間を要した。

要約

【必読ポイント!】 鰻丼の誕生

鰻飯というアイディア
TAGSTOCK1/gettyimages

江戸時代の人は、ヌルヌルとしてつかみどころのないウナギをつかんで裂き、美味しい蒲焼きにすることに成功した。ただ、蒲焼きは主に酒の肴として食べられており、客層が限られてしまうため、うなぎ屋はご飯をつけて出すことを思いついた。

そして、蒲焼きとご飯を一緒に盛り合わせた「鰻飯」が考案されると、蒲焼きにはない魅力から、人気食となっていった。鰻飯の始まりについては、宮川政運(まさやす)の「俗事百工起原(ぞくじひゃっこうきげん)」で言及されている。それによると、文化年間(1804〜18)に、堺町の芝居小屋、中村座のスポンサーのような役割をしていた大久保今助という鰻好きの男がいた。大久保が、蒲焼きが冷めないようにと、丼の飯の間に挟ませて芝居小屋に届けさせていたのが鰻飯の起源だという。風味がよいのでみんなが真似をするようになり、他の店でも出すようになったそうだ。

こうして文化年間に鰻飯が売り出されたが、大久保以前に同じような工夫をしている人がいたことが過去の文献からはわかっている。したがって、大久保今助は鰻飯が売り出されるきっかけを作った人ではあるが、鰻飯を最初に工夫した人、とはいえないようだ。

鰻飯から鰻丼へ

鰻飯はふた付きの丼で出されていた。保温するには食器にふたをすることが望ましいからだが、その結果、鰻飯は蒲焼きにはない演出効果をもたらし、江戸っ子の食欲をそそった。

江戸時代の蒲焼きはタレを付けて焼き上げた地焼きだったが、明治時代になると焼く過程で蒸す方法が取り入れられ、大正時代には蒸す技術が確立された。そうすると、飯の間に蒲焼きを挟むと二重に蒸すことになるので、東京では中入れタイプの鰻飯は姿を消し、現在のようにウナギはご飯の上に乗るようになった。

明治時代になると、鰻飯は鰻丼(うなぎどんぶり)とも呼ばれるようになり、そしてまもなく鰻丼(うなどん)と略称され、名が定着した。さらにはウナギが丼だけではなく重箱に盛りつけられるようになると、うな重と呼ばれ、鰻丼よりも見栄えが良いことから鰻丼の人気をしのぐようになっていった。

天丼の誕生

天麩羅蕎麦、天麩羅茶漬の登場

天麩羅はそもそも、屋台で売り始められ、江戸っ子はそれを立ち食いしていたという。

やがて江戸っ子は蕎麦屋の屋台で蕎麦を買い、それに好みの天麩羅をトッピングして、天麩羅蕎麦として食べるようになった。揚げたての天麩羅を蕎麦に合わせれば、天麩羅には蕎麦のつゆがしみ、蕎麦には天麩羅のうま味が加わる。江戸っ子のアイディアから生まれたこの方法に蕎麦屋が注目し、蕎麦屋のメニューに天麩羅蕎麦が登場するようになった。

蕎麦屋に次いで天麩羅をメニューに加えるようになったのは、茶漬店だった。天麩羅の屋台が出現した安永年間(1772〜81)には茶漬店も現れており、江戸っ子が小腹を満たしていた。嘉永年間(1848〜54)ごろになると、天麩羅茶漬店が生まれた。

淡泊な味のものを食べていた江戸時代の人々にとっては、天麩羅は油っこくて異質だったため、屋台では天麩羅に大根おろしがサービスされていた。この大根おろしの役割を担ったのが、茶漬の茶だった。天麩羅茶漬店は繁盛し、やがて明治時代に天麩羅専門店が生まれてからも、天麩羅茶漬は食べられていた。

屋台の食べ物だった天麩羅は、こうして、茶漬店の座敷へ、そして天麩羅専門店の座敷へ上っていった。

天丼の普及
Sivapon/gettyimages

明治時代になって現れた天麩羅専門店の中から、天丼という新メニューを開発した店が出てきた。

東京、神田鍛冶町の、

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飯野亮一
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