本書の要点

  • 生活に欠かせなくなっているコンピューターサイエンスは、目を見張る進歩を見せている。しかし、技術の発展に対して、法制度や対策が追いついていない現状がある。

  • コンピューターへの指示はすべてバイナリー、2進法で行われる。人間が扱いやすいようにさまざまなプログラミング言語が開発されてきたが、現在ではオープンソース化されたものが主流である。

  • インターネットとウェブは、情報伝達を飛躍的に向上させた。一方で、自分自身に関する情報が意図しない範囲で拡散してしまう危険性ももたらした。

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コンピューターサイエンスを学ぶ意味

コンピューターと向き合う

多くの読者が実感していると思うが、コンピューターサイエンスは驚くほどのスピードで進化して、私たちの生活の一部となっている。本書では、基本的なコンピューターサイエンスについて、ハードウェア、ソフトウェア、コミュニケーションの側面からそれぞれ確認する。10年後には、本書に書かれている内容は古くなる点もあるだろう。しかし、デジタルシステムの基本的なアイディアは共通しているので、いま知識を得ておけば、未来のシステムについても理解できるようになる。またコンピューターサイエンスについての知識は、コンピューターと自分自身との付き合い方やこれからの社会を考える上で、重要な判断材料となるはずである。

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ハードウェアについて

CPU、RAM、ディスク

Devonyu/gettyimages

ハードウェアは、見たり手を乗せたりすることができる機器や装置を指す。単純なPCについて考えてみると、プロセッサーと一次記憶、そして二次記憶すなわちディスクがある。それに加えて、ディスプレイやマウス、キーボードなどのコンポーネントがあり、全てがバスとよばれる線で接続されている。プロセッサーあるいはCPUは、人間でいえば脳に該当する。CPUが計算を行い、データを移動させ、他のコンポーネントの動作を制御する。CPUは、データを比較し、その結果に基づいて次に自分が何をするかを決定できる。そのおかげで、人間のオペレーターからは独立して、システム全体を自分の判断で実行していけるのだ。一次記憶またはランダムアクセスメモリー(RAM)は、コンピューター使用時に利用される情報を記憶しておく部分である。ランダムアクセスと呼ばれる理由は、情報がどこに保存されていても、読み出すためにかかる時間が変わらないからである。ビデオテープなどに使用されているシーケンシャルアクセス方式では、最終シーンをみるために最初から順送りをする必要がある。ランダムアクセスであれば、どの部分にも同じスピードでつながることができる。手持ちのコンピューターを速く動かしたいと考えるならば、追加のRAMを買うのが最善ということだ。ただし多くのデバイスでは、RAMで保存された情報は電源を切ると消えてしまうため、情報を長く保持するための二次記憶装置が必要となる。

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要約公開日 2020.06.10
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