仮説思考
BCG流 問題発見・解決の発想法

未 読
仮説思考
ジャンル
著者
内田和成
出版社
東洋経済新報社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2006年03月31日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
5.0
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仮説思考
仮説思考
BCG流 問題発見・解決の発想法
著者
内田和成
未 読
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ジャンル
出版社
東洋経済新報社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2006年03月31日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
5.0
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レビュー

優秀なコンサルタントとは、一体どのような能力に秀でているのだろうか。分析力が高いコンサルタントが必ずしも成功するとは限らない。手当たり次第に情報収集を行い、人一倍に分析作業を行ったとしても、有益な分析結果が少ない、それゆえにさらなる情報収集・分析を行うといった悪循環に陥るといったことはよく見られることだ。

一方、優秀なコンサルタントは総じて問題を早く発見したり、解決策にたどり着くのが早い。彼らは共通して、情報収集の途中や分析作業に取りかかる前に「仮の答え」をもって作業に臨んでいる。このように情報が少ない段階から、常に問題の全体像や結論を考える思考スタイルを著者は「仮説思考」と呼んでいる。

本書は「仮説思考」という思考スタイルの教科書だ。この思考法は、「とりあえず作業しているうちに、きっと答えが見えてくるはずだ」という人間にとって心地いいやり方の真逆を行くものだ。最初からいきなり答えをもって行動する、と聞くと、「なんだ、答えありきじゃないか」といった批判を招くかもしれないが、その本質は全く違う。仮説思考を誤用して、都合のいいような情報収集を行ってしまうのであれば、それは当然批判されるべき行為であるが、本書はそうした事態に陥らないための方法を具体例に基づき適切に紹介している。

スピードが最も重要な競争優位となるグローバル競争に生きる現代のビジネスパーソンにとって、答えにたどり着くまでの時間を上げることは、必須のスキルである。最速で最善の成果を上げ続けるためにも、ぜひ本書を手に取り、仮説思考を身につけていただきたい。

著者

内田 和成
早稲田大学ビジネススクール教授。東京大学工学部卒。慶應義塾大学でMBA(経営学修士)を取得。日本航空を経て、1985年にボストンコンサルティング グループ(BCG)に入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表、2009年12月までシニア・アドバイザーを務める。ハイテク、情報 通信サービス、自動車業界を中心に、マーケティング戦略、新規事業戦略、中長期戦略、グローバル戦略などの策定・実行支援プロジェクトを数多く経験(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『BCG流 競争戦略 加速経営のための条件』が刊行された当時に掲載されていたものです)

本書の要点

  • 要点
    1
    仮説思考を使えば、手元にあるわずかな情報だけで、最初にストーリーの全体構成を創ることができる。
  • 要点
    2
    仮説立案に定石はないが、脳をゆさぶるコツを身に着け訓練することで、ヒラメキを生むことができるようになる。
  • 要点
    3
    仮説の検証方法は、実験、ディスカッション、分析の3つがある。
  • 要点
    4
    少ない情報から答えを出すという仮説思考が、初めからうまくいくわけはない。大いに失敗するべきだ。

要約

まず、仮説ありき

imtmphoto/iStock/Thinkstock
網羅思考では情報の洪水に溺れてしまう

一般に企業はできるだけたくさんの情報を集めてから、意思決定しようとする傾向が強い。経営陣から社員まで大半が情報コレクター(網羅思考)になっている。しかし、意思決定に使える時間には限りがあり、完璧な答えが出るまで意思決定を先送りしたくても、相手は待ってはくれない。迅速な意思決定のためには、今ある選択肢をいかに絞り込むかという視点で情報収集すべきである。

たとえばメーカーが業績不振を立て直す事業戦略を構築したとする。一般的なアプローチでは、最初にすべての課題をリストアップしようとする。その中には大小さまざまな問題が混在し、てんこ盛りになる。施策についても、10以上の課題に30くらいの施策が提案され実現も容易ではない。これぞまさに網羅思考の弊害だ。このような方法ではなく、解決策に繋がるいくつかの課題=仮説にフォーカスしたほうがいい。

大きなストーリーが描けるようになる

仮説思考を使えば、手元にあるわずかな情報だけで、最初にストーリーの全体構成を創ることができる。証拠が不十分でも、問題に対する解決策や戦略まで踏み込んで、全体のストーリーを作ってしまう。そうすると、ごく一部の証拠は揃っているけれども、大半は証拠がない状態になり、そこから証拠集めを開始することになる。

その場合には、自分が作ったストーリー、つまり仮説を検証するために必要な証拠だけを集めればいいので、無駄な分析や情報収集の必要がなくなり、非常に効率が良くなる。

「いろいろな可能性が考えられる段階で、大胆に1つのストーリーをつくり上げたりしたら、重大なことを見逃し、間違ったストーリーを作ってしまうのではないか」と心配する人がいる。だが、それは杞憂だ。そのような場合には、ストーリーの証拠集めをした段階で、仮説を肯定する証拠がなかなか集まらない。そして必然的に自分のつくったストーリーが間違いであることにすぐ気付き、初期段階であることから、余裕をもって軌道修正ができる。

3か月程度のプロジェクトであれば、著者はプロジェクトリーダーには2週間で答えを出すように求めているそうだ。仮説思考を実践すれば、情報の洪水に溺れることなく、全体感をもって迅速かつ効果的に問題解決を図ることができるのだ。

【必読ポイント!】仮説を立てる

daizuoxin/iStock/Thinkstock
仮説立案に定石はない

BCGの社内で「コンサルタントはどんなときに仮説を思いついているのか」というアンケートをとったことがある。最も多かった回答は「ディスカッション中に思いつく」だった。次は「インタビュー中、あるいはインタビュー後に思いつく」だ。そのほかにも「突然思いつく」、「じっくり考えているときに思いつく」という回答もあった。つまり仮説の立て方は人それぞれで定石はないのである。

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