世界一シンプルな問題解決

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出版社
フォレスト出版

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出版日
2022年03月03日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

タイトルに「世界一シンプルな」とあるが、あながち誇張ではないだろう。目の前で起きていることを解決すべき「課題」と、放置しておいていい「問題」に切り分ける。分解して本当の課題を特定し、フォーカス(絞り込み)とディープ(深掘り)によって解決策を見つける。そして、それを現場に落とし込んでいくという、ただそれだけのステップだ。きわめて普遍性の高いモデルといえよう。

最重要な点は、分解するときの取捨選択の精度だ。例えばあるテーマを4つに分解したら、課題候補として1つに絞り込み、残りの3つは捨てる。その課題候補をさらに分解し、その中からさらに1つ選ぶ。こうしたプロセスを繰り返し、最終的には「現場が持てる荷物の大きさ」にまで課題を絞り込む。具体的な手順をぜひ本文で確認してみてほしい。

本書のもうひとつの特長はケーススタディが豊富かつ多様であることだ。サブスクリプションサービスの継続率の向上、人事課題の解決、取引先の倒産の予測、マッチングサービスにおける評価の適正化など、すぐに自社のビジネスに応用できそうな事例が満載だ。これは、モデルがシンプルであることを端的に表している。シンプルゆえに、多様な業種の多様な問題に応用ができるのである。

解決策を現場に落とすときの「介入」と、全体を通しての「感情の保留」も特徴的だ。人の感情がビジネスに与える影響の大きさを肌で感じている、著者ならではの発想だろう。アドバイスに素直に耳を傾けたい。

ライター画像
しいたに

著者

中尾隆一郎(なかお りゅういちろう)
株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)代表取締役社長 株式会社旅工房取締役。株式会社LIFULL取締役。株式会社博報堂DYホールディングスフェロー。東京電力フロンティアパートナーズ合同会社投資委員。LiNKX株式会社監査役。
1964年生まれ。大阪府摂津市出身。1989年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、株式会社リクルート入社。2018年まで29年間同社勤務。2019年NMI設立。NMIの業務内容は、①業績向上コンサルティング、 ②経営者塾(中尾塾)、③経営者メンター、④講演・ワークショップ、⑤書籍執筆・出版。
専門は、事業執行、事業開発、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIマネジメント、経営者育成、リーダー育成、OJTマネジメント、G-POPマネジメント、管理会計など。 著書に『最高の結果を出すKPIマネジメント』『最高の結果を出すKPI実践ノート』『自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント』『最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル』(フォレスト出版)、『「数字で考える」は武器になる』『1000人のエリートを育てた 爆伸びマネジメント』(かんき出版)など多数。 Business Insider Japanで「自律思考を鍛える」を連載中。
リクルート時代での29年間(1989年~2018年)では、主に住宅、テクノロジー、人材、ダイバーシティ、研究領域に従事。リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートワークス研究所副所長などを歴任。住宅領域の新規事業であるスーモカウンター推進室室長時代に、6年間で売上を30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍にした立役者。リクルートテクノロジーズ社長時代は、リクルートが掲げた「ITで勝つ」を、優秀なIT人材の大量採用、早期活躍、低離職により実現。約11年間、リクルートグループの社内勉強会において「KPI」「数字の読み方」の講師を担当、人気講座となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    世の中の問題は「①現状把握→②解釈→③介入+④感情の保留」の4ステップでほぼ解決する。
  • 要点
    2
    本質的な課題を特定するために、問題を「分解」する。その方法には①プロセスで分ける、②マトリックスで分ける、の2つしかない。
  • 要点
    3
    特定した課題は、フォーカス(絞り込み)とディープ(深掘り)で解釈を繰り返し、解決策を探っていく。
  • 要点
    4
    解決策を現場に落とす際は、「介入」しているという意識が必要だ。課題解決をはばむ「感情」は、抑えるのではなく「保留」することで対処する。

要約

【必読ポイント!】 課題を特定する

課題解決の4ステップ

本書の目的は、ビジネスの課題解決にある。

ポイントは解決が必要と思われるテーマの中から「本当の課題」を特定することだ。その手法が「分解」である。

問題を上手に分解して課題を正しく設定することができれば、課題の解決は容易になる。逆にいうと課題の設定を間違えば、本当の課題は解決されないうえに、無駄なことに時間を費やすことになる。

本書で取り上げる課題解決は、次の4ステップだ。

①「現状把握」=本当の課題を特定する

②「解釈」=課題解決策を見つける

③「介入」=現場に課題解決策を実行してもらう

④「感情を保留」=①〜③をうまく進める

順を追って説明していく。

①現状把握=本当の課題を特定する
PeopleImages/gettyimages

問題と課題、これらはどう違うのか。本書では次のように定義し、明確に使い分ける。

「問題」は、現在起きているよくないことや、気になること、もやもやしていること。

「課題」は、将来に到達したいゴールやあるべき姿(=To Be)と、現状このまま進捗した場合にその将来に到達できるであろうポイントとのギャップである。

つまり、問題は現状の話であり、課題は未来とのギャップなのだ。問題が発覚したとき、それが単なる問題なのか、未来にも影響がある課題なのか、見極める必要がある。問題の中から、「本当の課題」をピックアップするのだ。これを「問題の課題化」と呼ぶ。

ポイントは、課題は解決すべきだが、問題は解決せず放置してよいということだ。

この整理の仕方を知らない人は、問題が起きると次々に解決に取り掛かってしまい、それがかえって本来解決すべき課題を見つけることを難しくしている。

気になることが現れた際、すぐに解決に当たるのではなく、「これは単なる問題ではないか」と一歩引いて考えてみることが重要だ。

プロセスで分解する

では、本当の課題を特定するにはどうしたらいいだろうか。それは解決したいテーマを上手に「分解」することだ。

方法はたった2つ、プロセス(時間軸)で分解する、2つの軸のマトリックスで分解するしかない。

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要約公開日 2022.06.15
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