本書の要点

  • 世の中の問題は「①現状把握→②解釈→③介入+④感情の保留」の4ステップでほぼ解決する。

  • 本質的な課題を特定するために、問題を「分解」する。その方法には①プロセスで分ける、②マトリックスで分ける、の2つしかない。

  • 特定した課題は、フォーカス(絞り込み)とディープ(深掘り)で解釈を繰り返し、解決策を探っていく。

  • 解決策を現場に落とす際は、「介入」しているという意識が必要だ。課題解決をはばむ「感情」は、抑えるのではなく「保留」することで対処する。

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【必読ポイント!】 課題を特定する

課題解決の4ステップ

本書の目的は、ビジネスの課題解決にある。

ポイントは解決が必要と思われるテーマの中から「本当の課題」を特定することだ。その手法が「分解」である。

問題を上手に分解して課題を正しく設定することができれば、課題の解決は容易になる。逆にいうと課題の設定を間違えば、本当の課題は解決されないうえに、無駄なことに時間を費やすことになる。

本書で取り上げる課題解決は、次の4ステップだ。

①「現状把握」=本当の課題を特定する

②「解釈」=課題解決策を見つける

③「介入」=現場に課題解決策を実行してもらう

④「感情を保留」=①〜③をうまく進める

順を追って説明していく。

①現状把握=本当の課題を特定する

PeopleImages/gettyimages

問題と課題、これらはどう違うのか。本書では次のように定義し、明確に使い分ける。

「問題」は、現在起きているよくないことや、気になること、もやもやしていること。

「課題」は、将来に到達したいゴールやあるべき姿(=To Be)と、現状このまま進捗した場合にその将来に到達できるであろうポイントとのギャップである。

つまり、問題は現状の話であり、課題は未来とのギャップなのだ。問題が発覚したとき、それが単なる問題なのか、未来にも影響がある課題なのか、見極める必要がある。問題の中から、「本当の課題」をピックアップするのだ。これを「問題の課題化」と呼ぶ。

ポイントは、課題は解決すべきだが、問題は解決せず放置してよいということだ。

この整理の仕方を知らない人は、問題が起きると次々に解決に取り掛かってしまい、それがかえって本来解決すべき課題を見つけることを難しくしている。

気になることが現れた際、すぐに解決に当たるのではなく、「これは単なる問題ではないか」と一歩引いて考えてみることが重要だ。

プロセスで分解する

では、本当の課題を特定するにはどうしたらいいだろうか。それは解決したいテーマを上手に「分解」することだ。

方法はたった2つ、プロセス(時間軸)で分解する、2つの軸のマトリックスで分解するしかない。

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要約公開日 2022.06.15
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