増補改訂版 道具としてのファイナンス

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増補改訂版 道具としてのファイナンス
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増補改訂版 道具としてのファイナンス
出版社
日本実業出版社

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定価
2,750円(税込)
出版日
2022年08月10日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「ファイナンスの勉強に必要以上の時間とお金をかける必要はない」。これは、MBA留学をしてまでファイナンスを学んだ著者が、本書の冒頭で繰り返し伝えるメッセージだ。

社会人の学び直し(リカレント教育)やリスキリングへの注目が集まるなか、とりわけ経営企画や経理財務、新規事業に携わる方にとって、ファイナンスは1つの候補科目だろう。また、今後のキャリアを広げるためにMBA取得を視野に入れている方もいるかもしれない。とはいえ、多くのビジネスパーソンにとってファイナンスは「道具」の1つである。企業が行う財務的な意思決定の方法について、なるべく短期間で、実務に必要な点を身につけ、現場で使いこなすことが目標となる。難しい最先端のファイナンス理論は、専門家と研究者に任せればいい。そう思うと少し気が楽になるのではないだろうか。

著者は日産自動車の財務部でファイナンスの実務経験を積んできた人物である。本書は、2005年の出版以来、「わかりやすいファイナンスの書」として読み継がれてきたロングセラーの改訂版である。必要最低限の数式とともにファイナンスの理論が解説され、実践に使えるEXCELの関数も紹介されている。

「投資や資金調達の判断指標を学びたい」「プロジェクトの評価などにファイナンスを活かしたい」。そんなニーズをもつ方にぜひおすすめしたい実践書だ。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

石野雄一(いしの ゆういち)
上智大学理工学部卒業後、旧三菱銀行に入行。9年間の勤務した後に退職後、米国インディアナ大学ケリースクール・オブ・ビジネス(MBA課程)修了。帰国後、日産自動車株式会社に入社。財務部にてキャッシュマネジメント、リスクマネジメント業務を担当。2007年より旧ブーズ・アレン・ハミルトン(現:Strategy&)にて企業戦略立案、実行支援等に携わる。2009年に同社を退職後、コンサルティング会社である株式会社オントラックを設立し、企業の投資判断基準、撤退ルールの策定支援、財務モデリングの構築、トレーニングを実施している。
著書に『超ざっくり分かるファイナンス』(光文社)、『実況! ビジネス力養成講義 ファイナンス』(日本経済新聞出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    企業が行う財務的な意思決定の方法を学ぶ学問がファイナンスである。投資・調達・株主還元の意思決定の先にあるのは、企業価値の最大化だ。
  • 要点
    2
    企業は正味現在価値(NPV)を投資判断に用い、株主や債権者は企業価値評価にフリーキャッシュフロー(FCF)を用いる。
  • 要点
    3
    最適資本構成は、デットの節税効果と財務破綻コストのトレードオフで決まる。
  • 要点
    4
    経営の自由度の価値は、ディシジョン・ツリー法やリアル・オプション法で評価する。その本質的価値は、経営者がオプションを行使する決断ができることにある。

要約

投資に関する理論

ファイナンスはビジネスの共通言語

ファイナンスの勉強に、必要以上の時間とお金をかける必要はない。あくまでビジネスの現場で大切なのは、アクションに結びつく分析や提案をし、それを実現することだからだ。

ファイナンス理論は世界のビジネスにおける共通言語である。ファイナンスとは、「企業が行う財務的な意思決定の方法を学ぶ学問」を意味する。投資すべきか否か、どう調達するか、いくら株主還元するか。これら3つの意思決定の先にあるのは企業価値の最大化だ。本書のエッセンスの一部を紹介していく。

正味現在価値で投資判断をする
takasuu/gettyimages

お金の価値は「そのお金をいつ受け取るか」で変わる。明日の100万円より今日の100万円のほうが、価値があるということだ。

いまの100万円をたとえば国債で運用すると、時間の経過とともに利息を生む。これを「お金の時間価値」という。将来価値は、将来のある時点に受け取るお金の価値を表す。一方、現在価値は、将来に受け取るお金を現在の価値に割り引いたものである。

企業は投資なしに企業価値を高めることはできない。現在の投資が企業の将来を左右する。投資判断の決定プロセスは、プロジェクトのキャッシュフローの予測を行い、投資の判断指標を計算し、その計算結果と採択基準を比較して、基準を満たしていれば、プロジェクトを実行するというものになる。

ここからは、投資の経済的な価値を数値にした投資判断指標について説明する。著者がかつて勤務していた日産自動車では、投資判断に「正味現在価値(NPV:Net Present Value)」を使っていた。投資判断の本質は「価値(手に入れるもの)」と「価格(差し出すもの)」を比較することだ。NPV=プロジェクトが将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計額-初期投資額で計算できる。NPV>0なら投資すべき、NPV<0なら投資を見送るべきと判断する。複数のプロジェクトから1つを選ぶ場合は、NPVの大きいプロジェクトを選ぶ。

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