中学2年生の佐久間優斗の運命を変えたのは、彼自身のお金への執着だった。その日の個別進路指導面談は、5分ほどで終わると思っていた。ところが、将来の職業の話になって「年収の高い仕事がいい」と答えてしまったがために、担任から20分も説教をされるはめになった。お金より大事なものがあると言われても優斗は納得がいかない。結局のところ、先生だってお金のために働いているのではないか。本音を隠してキレイごとを言う大人が、優斗は苦手だった。
そうして帰りが遅くなったために、優斗は近所で有名な屋敷の前で七海という女性に呼び止められることになった。屋敷の入り口の場所を尋ねられた優斗は、七海とともに屋敷の中へ招き入れられ、「ボス」と呼ばれる謎の男と出会う。
投資銀行で働く七海は、投資で莫大な資産を築いたボスに話を聞きにきたという。せっかく来たのだからと優斗も一緒に話を聞くことになった。
ところがボスは、お金もうけの方法を教えるつもりはないと断言した。話すのはお金自体のこと。ボスが小さな指を立てながら伝えたのはお金にまつわる3つの真実だ。
一、お金自体に価値はない。
二、お金で解決できる問題はない。
三、みんなでお金を貯めても意味はない。
優斗も七海もそんなわけはないと口々に反論した。だが、ボスはこれらの3つの謎を解き明かせば、お金の正体が見えてくるという。お金の本当の価値を知るために、優斗と七海はボスの屋敷に通うことになる。
お金自体には価値がない。その「真実」に強い疑問を持つ優斗。そんな彼を前にボスは「毎年大量のお金が燃やされている。だからお金には価値がない」と言い放った。
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