運・不運は、だれの身にも公平に起きている、と著者は考える。そして、それをどう生かすかは、人が主体的にかかわっていける部分である。
数学に「ランダムウォークモデル」という理論がある。コインを投げて表が出たらプラス1進み、裏が出たらマイナス1進む。それを1万回繰り返し、座標軸に落とし込んでいくのだ。その結果は、プラス・マイナスともに200~300くらいに偏ることが多い。1万回すべてがプラスもしくはマイナスであるということは、ほとんど起きないのだ。
人生の運、不運も同様である。運の目の出方が偏っていても、極端にプラスやマイナスになる人はめったにいない。
人はどうしても目に見える運・不運に注目してしまうが、本当は自覚していない何十倍もの運・不運が存在し、だれにでも公平に降り注いでいる。運がいい人とは、降り注ぐ運をより多くキャッチして、不運を防ぎ、不運も幸運に変えられる人なのだ。
運がいい人には、共通の行動パターンや考え方がある。本書ではそれを脳科学的に明らかにしていく。
「運のいい人になりたい」と願うがゆえに、勉強をしたり環境を変えたりと、いまの自分を変えようとしてはいないだろうか。だがその努力によって、運のいい人からは遠ざかっているのである。
3,400冊以上の要約が楽しめる