新版 科学がつきとめた「運のいい人」の表紙

新版 科学がつきとめた「運のいい人」


本書の要点

  • 「運」はだれにでも公平に降り注いでいる。運がいい人とはその運を多くキャッチしたり、不運を幸運に変えたりできる人である。

  • 「運がいい人」になるためには、自分を変えるのではなく、いまの自分を最大限に生かすことである。

  • 「自分は運がいい」と決め込むと、事象に対する考え方が変わる。そうすると対処に違いが生まれてくるため、結果的に運がよくなっていく。

  • 「運がいい人」とは他者を思いやれる人である。ひとり勝ちを避けて他者との共存を選ぶことが、長く生き延びる秘訣である。

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脳科学的な「運」の秘密

運は平等に降り注いでいる

運・不運は、だれの身にも公平に起きている、と著者は考える。そして、それをどう生かすかは、人が主体的にかかわっていける部分である。数学に「ランダムウォークモデル」という理論がある。コインを投げて表が出たらプラス1進み、裏が出たらマイナス1進む。それを1万回繰り返し、座標軸に落とし込んでいくのだ。その結果は、プラス・マイナスともに200~300くらいに偏ることが多い。1万回すべてがプラスもしくはマイナスであるということは、ほとんど起きないのだ。人生の運、不運も同様である。運の目の出方が偏っていても、極端にプラスやマイナスになる人はめったにいない。人はどうしても目に見える運・不運に注目してしまうが、本当は自覚していない何十倍もの運・不運が存在し、だれにでも公平に降り注いでいる。運がいい人とは、降り注ぐ運をより多くキャッチして、不運を防ぎ、不運も幸運に変えられる人なのだ。運がいい人には、共通の行動パターンや考え方がある。本書ではそれを脳科学的に明らかにしていく。

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運のいい人は自分を生かす

自分を変えると「運のいい人」から遠ざかる

Ridofranz/gettyimages

「運のいい人になりたい」と願うがゆえに、勉強をしたり環境を変えたりと、いまの自分を変えようとしてはいないだろうか。だがその努力によって、運のいい人からは遠ざかっているのである。

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要約公開日 2023.12.11
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