人を動かす 改訂新装版

未読
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人を動かす 改訂新装版
出版社
出版日
2023年09月10日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
5.0
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おすすめポイント

フライヤーをよく利用している方であれば、本書『人を動かす』が不朽の名著と呼ばれていることはきっとご存じのことだろう。1936年にアメリカで初版が発売されて以来、幾度の改訂を経て今も多くの人々に愛され続けている自己啓発書の先駆けである。

しかし、どのようにしてこの本が誕生したかを知っている人はあまり多くないのではないだろうか。

著者、デール・カーネギーは1888年アメリカ・ミズーリ州の農家に生まれ、大学卒業後は一時俳優を志すも挫折。その後、いろいろな職業を転々としていた。そして1912年、20代半ばで転機が訪れる。もともと教師を志向していたカーネギーは、副業で始めた話し方や人間関係についての講座を開いた。それが好評を博し、講座で使う教材を自作する。その教材こそが本書の発端だ。

カーネギーは哲学書、心理学書、伝記などを大量にインプットし、著名人にもインタビューをするなどして、教材を絶えずブラッシュアップしていった。孔子の思想なども織り交ぜ、洋の東西を問わず、人間心理を深く探究した。そして36年、ついにカーネギーの教材と講座の内容がまとめられ、『人を動かす』が出版されるに至った。つまりこの本には20年以上のカーネギーの授業と研究の成果が詰まっている。

たとえ社会が変わっても、人と人との関係はほとんど不変である。いつの時代も、私たちはほめられればやる気が出るし、自分の抱える問題や悩みに共感してもらえれば気持ちが安らぐものだ。だからこそ本書で語られる人間関係の法則は、今日でも多くの人の心をとらえるのだろう。

ライター画像
小林悠樹

著者

デール・カーネギー(Dale Carnegie)
1888年、米国ミズーリ州の農家に生まれる。大学卒業後、雑誌記者、俳優、セールスパーソンなどさまざまな職業を経て、話し方講座を手はじめに成人教育の講師となり、人間関係の先覚者として名をなす。不朽の名著『人を動かす』『道は開ける』など多数の著作がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    叱責や脅しでは人を動かすことはできない。相手に行動してもらいたければ「どうしたら相手がその気になるか」を自分に問うことだ。
  • 要点
    2
    人々は認められ、尊重されることを常に求めている。相手の話に耳を傾け、心からの関心を示せば、良好な人間関係を築くことができる。
  • 要点
    3
    人を説得したいなら、議論をしたり誤りを指摘したりしてはいけない。代わりに、穏やかな対話を心がけ、相手が自ら気づきを得て、考えを改めるよう仕向けることこそ大切である。

要約

人を動かす

重要感を持たせる

人に動いてもらいたいなら、相手が欲しがっているものを与えることだ。心理学者ジグムント・フロイトによれば、人の行動のすべては「性の衝動」と「偉くなりたい願望」に集約されるという。また、アメリカの偉大な哲学者ジョン・デューイ教授は、「人間の持つ最も根強い衝動は、“重要人物たらんとする欲求”だ」と主張する。

「自己重要感」は、動物にはない人間固有の特性だ。流行のファッションを身にまとったり、新車を乗り回したりするのもこの欲求に突き動かされた結果である。

自己の重要感を満足させる方法は人によって異なるが、その方法がわかればその人物がどのような性格や嗜好を持つのか、ある程度わかるだろう。アメリカの実業家チャールズ・シュワブは「他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。上司から叱られることほど、向上心を害するものはない」と言っている。

では、あなたはどうだろうか。仕事場、家庭で相手に称賛や励ましの言葉をかけているだろうか。自分の欲から離れ、相手の長所を考えよう。そして、それに対して惜しみない賛辞を与えよう。きっと相手はそれをいつまでも忘れないだろう。

人の立場に身を置く
d3sign/gettyimages

人を動かす方法、それは人の好むものに着眼し、それを手に入れる方法を教えることだ。

息子に煙草を吸わせたくないと思えば説教してはならない。代わりに「野球の選手になれなくなる」「100m競争に勝てなくなる」と説明するのだ。

著者が出会った一人の男性の例を紹介しよう。その男性の息子が「幼稚園に行きたくない」とごねている。親としては「幼稚園に行きなさい」と怒鳴りつけたら、登園させることはできるだろう。だが、それでは幼稚園を好きにさせることはできない。

そこで、その男性は妻と一緒に、歌を歌う、絵を描くなど幼稚園でやるような面白いことをリストにした。そして、男性は妻と一緒にそれを楽しそうに実演したのだ。すると息子は興味津々に「自分も仲間に入れて」と言い出す。しかし、男性は「幼稚園で遊び方を教わってからじゃないとだめだよ」と言ったのだ。

その翌朝何が起こったか。説教や脅しなしで、その子は幼稚園に行きたいと自発的に言い出したのだ。

このように、人に行動を起こしてもらいたければ、「どうすれば相手を焚きつけられるか」を自分に問うことが大切である。

【必読ポイント!】 人に好かれる

関心を寄せる

他人の関心を引くために、見当違いな努力ばかりを続ける人は少なくない。だが実際には、人は他人のことにほとんど関心を持っておらず、四六時中、自分のことを気にしている。大勢が写っている集合写真を見るときにまずは自分の顔を探すというのはその最たる例だろう。

自分に関心を引こうとしてばかりでは、真の友人はできない。心理学者のアルフレッド・アドラーも「他人のことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける」と言っている。

著者は、友達から誕生日を聞き出すよう日頃から心がけていたという。相手の誕生日を聞いたら、それを忘れないうちに手帳に記入する。そして、その日が来たらお祝いの手紙を出すそうだ。この方法はとても効果的で、「誕生日を覚えてくれたのは世界であなただけだ」という場合も少なくない。

人に好かれ、真の友情を育みたいのなら、相手に誠実な関心を寄せることが大切だ。

笑顔を忘れない
mashiro/gettyimages

所作や動作は、言葉よりも雄弁だ。犬が飼い主を見て喜んで近づいてくるのは、まさに犬がかわいがられるゆえんである。

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要約公開日 2024.01.25
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