本書では、ファシリテーションのスキルを「8つの基本動作」に分解して整理している。8つの基本動作は、大きく4つのファシリテーションスタイルに分類される。
【「確認する」ファシリテーション】
(1)終了時に、決まったこととやるべきことを確認する
(2)開始時に、会議の終了条件を確認する
(3)開始時に、時間配分を確認する
【「書く」ファシリテーション】
(4)会議中に、議論を可視化する
【「準備する」ファシリテーション】
(5)会議前に、準備する
【「矢面に立つ」ファシリテーション】
(6)会議中に、全員から主張を引き出す
(7)会議中に、対話を促し合意形成する
(8)会議後に、振り返りをする
本書では「8つの基本動作」について一つひとつ解説されているが、要約ではそのうち4つを取り上げる。
決定事項が曖昧なまま終わる会議がある。これでは、会議を開く意味がない。
そのような事態を防ぐために、会議の終了時には「決まったこと」と「やるべきこと」を確認しよう。「決まったことは××、やるべきことは△△ですよね?」と言うだけでよい。たったそれだけで、結論を誤解なく全員に共有できる。
決まったこととやるべきことを確認する際には、以下の3点を意識するとよい。
1つ目は、「担当者」と「期限」をセットで確認することだ。この2つの要素は、やるべきことを漏れなく実行するために必須である。
2つ目は、議論の流れをダイジェストで振り返ることだ。「今日の会議は課題意識の共有からはじまって…教育の現状についてまで議論しました。認識が合ったところで改善方針の案が出て、A案は懸念が多かったので、C案を中心に進めることで合意できました」といった感じで振り返った後に、決まったこととやるべきことを確認すれば、頭が整理できる。育成の一環として、振り返り役を若手に任せるのもよいだろう。
3つ目は、決まっていない点も確認することだ。「今年度の営業方針は××と決まりました。一方で、資料を作る人や営業拠点への伝達方法は決まっていませんね」などと確認しておけば、一層理解が深まる。
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