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行動経済学BEST100の表紙

世界最先端の研究が教える新事実

行動経済学BEST100


本書の要点

  • グーグルは「ナッジ(nudge)」に基づき、社員に健康的な食事を摂らせることに成功した。ナッジとは強制や命令に頼らず良い行動に導く手法で、様々な場面で活用されている。

  • 何かを手に入れると、それに価値を感じて手放したくなくなる。この心理を「保有効果」と呼ぶ。

  • マリッジブルーになるのは、時間の経過とともに判断や評価が変わる「解釈レベル理論」のせいである。結婚前に感情が不安定になるのは「心が弱い」からではない。

  • 人がサブスクをやめられないのには、「現状維持バイアス」が関わっている。

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【必読ポイント!】背中を押される行動経済学

グーグル社員が健康である理由

「食事はすべての基本だ」と考えるグーグルは、社員に無料で飲食物を提供している。日本オフィスでもランチは無料で、デザートを含めた豊富なメニューがすべて無料で提供されるため、太ってしまう人もいるようだ。

そこでグーグルは「社員の寿命を2年延ばす」ことを掲げ、その施策を実行した。その1つが、ニューヨークオフィスの食堂のレイアウト変更だ。社員ができるだけ健康的なものを摂取し、かつ必要以上に食べ過ぎないような工夫をしたのだ。

具体的には、野菜や果物を目立つ場所に置き、デザートは目立たない場所に配置した。また、デザート容器を小さいサイズにしたり、皿置き場には「大きいお皿を使う人ほど、よりたくさん食べる傾向があります」と表示したりもした。

効果は開始してすぐに出始めた。1週間で菓子類のカロリー摂取は9%低下し、小皿の利用率は1.5倍に上がった。また、甘いソーダ飲料の代わりにミネラルウォーターを取りやすい場所に移動させたら、水の摂取量は47%増え、飲み物からのカロリー量は7%減少した。

グーグルの取り組みは、行動経済学の「ナッジ(nudge)」に基づいている。ナッジは強制や命令に頼らず良い行動に導く手法で、様々な場面で活用されている。

強制せずに合理的な行動を促す

MilanEXPO/gettyimages

ナッジの仕組みは、選択者の自由意思への影響を少なくしつつ、合理的な判断へ導く「選択アーキテクチャー」と呼ばれるものだ。主なパターンには次の4つがある。

(1)選択肢をわかりやすくすることで行動を促す「選択の構造化」

(2)望ましい選択をあらかじめ初期設定にする「デフォルト」

(3)何らかの行動を起こした人に対して、その内容に応じた反応を返す「フィードバック」

(4)特定の行動を取った際に得する仕組みを作り、無意識にその行動を取るよう動機づける「インセンティブ」

「選択の構造化」の一例を挙げると、飲食店のメニューに表示されている「店長のおすすめ」マークや、カレー料理などの「辛さのレベル」マークがある。

「デフォルト」の例は、新品のスマホにあらかじめインストールされているアプリだ。放置するとメモリーの無駄遣いになるが、不要なアプリをチェックして削除していくのは手間がかかる。設定変更の負担を避け、初期状態を受け入れるように仕向けているのだ。

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要約公開日 2025.01.10
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