仕事の悩みを自信に変えるドラッカーの言葉

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仕事の悩みを自信に変えるドラッカーの言葉
ジャンル
著者
尾崎健一
出版社
定価
1,728円
出版日
2014年11月17日
評点(5点満点)
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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レビュー

「経営学の父」と呼ばれるピーター・F・ドラッカーの名を、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。ベストセラーになった『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』をはじめ、日本でも数多くの関連書籍が出版されている。

なかでも本書は、「メンタルヘルス」というテーマを軸に、ドラッカーの名言を読み解いた異色作である。各章の冒頭には、職場で起こりやすいメンタルヘルス問題の具体的な事例が紹介され、問題を解決するヒントとなるドラッカーの名言が紹介されている。さらに、職場のメンタルヘルスに関するコンサルティングを手がける著者ならではの解説が加えられ、非常に分かりやすい構成だ。新入社員から管理職、人事担当者や経営者に至るまで、働く人が世代や経験、立場に応じて直面する様々な葛藤や問題を幅広く扱っており、あらゆる年代のビジネスパーソンにとって役立つ一冊になるだろう。

本書を読み進めるうち気づかされるのは、ドラッカーの視点が「組織」の利益よりも、むしろそこで働く「人」の幸福に向けられているということだ。メンタルヘルスの専門家である著者も、ドラッカーの名言を「経営者や管理職が実践したらメンタルヘルス問題も少なくなるのに」「働く人が理解していたらストレスも少なくて済むのに」と以前から感じていたという。

ぜひ手に取り、心のバランスをとりながら働き続けるための支えとなる言葉に出会ってほしい。

髙橋 三保子

著者

尾崎健一
コンピュータメーカーに勤務後、大学院に進学し、臨床心理士資格を取得。その後、メーカーおよびEAP(従業員支援プログラム)にて人事とメンタルヘルス対応の業務を経験して独立。現在、企業のメンタルヘルス向上の仕組みづくり、人事労務問題対応のコンサルティングを行っている。著書に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、『黒い社労士と白い心理士が教える問題社員50の対処術』(共著、小学館集英社プロダクション)などがある。月刊誌『日経情報ストラテジー』で「ドラッカーに学ぶメンタルヘルス~実践編」を連載中。

本書の要点

  • 要点
    1
    「(組織や社会に対して)貢献している」「何かの役に立っている」と感じている人は、メンタルヘルスの状態が良い。
  • 要点
    2
    部下が上司の成果を上げることに焦点を当てて支援してこそ、部下自身も働きやすくなり成果を出せる。
  • 要点
    3
    企業内で異なる文化が衝突したときには、相手の価値観を認め、相手の気持ちを意識することが、絆を紡ぐ鍵となる。

要約

憧れの仕事に失望して

完璧主義があだに【事例】
Design Pics/Thinkstock

B君は地方の国立大学を卒業し、ネット販売大手企業に就職した新入社員だ。専門知識が高く評価され、入社後は希望していたデータ解析部門に配属された。

ところが、実際の業務は、B君には雑用ばかりのように感じられた。精度の低いデータを発見して修正したり、システムの改変点をまとめたりといった地道な作業の連続だ。B君には完璧主義なところがあり、確認に時間がかかる。上司はそんな彼に「だらだらするな」と心無い言葉を投げつけることもある。「この仕事は自分に向いていないのでは……」とB君は仕事が面白くなくなった。

そのうち、エアコンの電源を切ったかどうか気になって出勤後家に戻ったり、トイレ後の手洗いに1時間かかったりするなど、仕事に支障が出る行動をとるようになってしまった。先輩の勧めで会社の健康相談窓口に電話したところ、「強迫神経症の疑いがある」と専門医受診を勧められ、B君は退職を考えるようになった。

自分に向いている仕事を見つけるには時間がかかる

希望する会社に入り、希望する職種に就いたからといって、全てがうまくいくわけではない。ドラッカーは「最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事につく確率は高くない。しかも、得るべきところを知り、自分に向いた仕事に移れるようになるには数年を要する」(『非営利組織の経営』)という言葉を残している。

社会人になると、誰もが自分と社会の現実を目の当たりにする。そんな経験を重ねながら自分ができることを知り、それを社会に生かせるようになるには時間がかかる。最初は向き不向きを考えすぎるより、「この仕事で何かを得てやろう」というくらいで良いのではないだろうか。

貢献感とメンタルヘルスの深い関係

また、ドラッカーは「貢献に焦点を合わせることが、(中略)成果をあげる鍵である」(『経営者の条件』)とも述べている。貢献とは、仕事で個人の自己実現を促進し、組織や社会に対して成果を生み出す行動を指している。「貢献」に関連した最近の研究でも、「貢献している」「何かの役に立っている」と感じている人は、メンタルヘルスの状態が良いという結果が出ている。

B君は、入社早々評価を気にしすぎて、自分の仕事がどのように組織や社会に貢献しているかということに目がいかなかったのではないだろうか。

「できない上司」の憂鬱

技術力で部下に劣り、軽んじられる【事例】

D課長はシステム会社の保守管理部門のマネジャーだ。技術革新が進む昨今、システム改変のスピードは速い。部下たちは、大学院や競合他社で既に最新技術を学んでから入社した精鋭揃いだ。

もともと運用管理の技術者として経験を積んできたD課長は、真面目で着実と評価はされるが「デキル」タイプではなく、知識不足や工程管理の合理性の不足が目立つことがあった。部下同士が、D課長の「できないこと」や「知らない技術」をリストアップして飲み会のネタにしたこともあったという。新人の部下にまで「できない上司が、私たちの成長の妨げになっている」と言われ、D課長は自信をなくしてしまった。一方で、部長は、D課長の若いころの頑張りと根性を知っているので、部下たちから反発があっても簡単には管理職から外そうとはしない。そのうち、D課長が心療内科で睡眠薬を処方してもらっているという噂がささやかれるようになった――。

上司をマネジメントする
Digital Vision./Digital Vision/Thinkstock

「心の病の最も多い年齢層」は、日本生産性本部の「『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果」(2012年)によると、40代だという。

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未 読
仕事の悩みを自信に変えるドラッカーの言葉
ジャンル
自己啓発・マインド リーダーシップ・マネジメント 人事
著者
尾崎健一
出版社
日経BP社 出版社ページへ
定価
1,728円
出版日
2014年11月17日
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