スタンフォード・マッキンゼーで学んできた熟断思考

未 読
スタンフォード・マッキンゼーで学んできた熟断思考
ジャンル
著者
籠屋邦夫
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
定価
1,580円 (税抜)
出版日
2014年10月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
要約全文を読むにはシルバー会員またはゴールド会員への登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
この要約を友達にオススメする
スタンフォード・マッキンゼーで学んできた熟断思考
スタンフォード・マッキンゼーで学んできた熟断思考
著者
籠屋邦夫
未 読
書籍情報を見る
ジャンル
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
定価
1,580円 (税抜)
出版日
2014年10月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
本の購入はこちら
レビュー

多くの決断は即時でなされるものである。なぜならば、時間をかけて検討するよりも、まず行ってみて問題があれば修正していけば良いからだ。しかし、一度した決断の結果が容易に修正できない場合にはどうするべきだろうか。そのような問題に直面した時こそ熟断思考の出番である。本書で紹介される熟断思考は、重大な意思決定を行うまでのプロセスを具体的な方法論にまで落とし込み、誰にでも学習できるようにしている点で利用価値が高い。

ビジネスパーソンが経営者に近づけば近づくほど、熟断思考が求められる問題に直面する割合が増えていくだろう。意思決定の遅い経営者だというレッテルを貼られないためには、即断することと熟断思考を活用することを切り分ける能力も求められる。

新サービスの導入をまず行い、それをクイックに改善していくアプローチである、リーンスタートアップというコンセプトがシリコンバレーを発端に日本でも影響力を持っている。ただリーンスタートアップは、IT業界などの導入後の改善や撤退が比較的容易な領域で威力を発揮するものなのかもしれない。小売業界での出店戦略や重工業に属するメーカーの新製品開発というような、大きな経営資源が必要で軌道修正が簡単にはできないテーマを検討する際には、実行する前に熟断思考することが求められるのである。本書を読むことで、重大な意思決定において効果が高い実践的な武器を身につけることができるだろう。

大賀康史

著者

籠屋 邦夫(こもりや・くにお)
ディシジョンマインド社代表。
東京大学大学院化学工学科修了後、三菱化成(現三菱化学)入社。新製品・新製造プロセスの開発等に従事し、渡米後、スタンフォード大学大学院エンジニアリング・エコノミック・システムズ学科修了。マッキンゼー社東京事務所にて企業ビジョン策定・全社組織改革などのコンサルティングに携わる。シリコンバレーに本拠を置くストラテジック・ディシジョンズ・グループ(SDG)に参画し、 SDG社にてパートナー、日本企業グループ代表。帰国後は、ATカーニー社ヴァイスプレジデントとして広範囲な経営課題に対するコンサルティングに取り組む。
ディシジョンマインド社を設立し、企業やビジネスマンの戦略スキルや意思決定力向上を支援するエデュサルティング活動(Education+Consulting=Edusulting)に注力している。メーカーを中心とする130社以上に対し「戦略的意思決定」「新規事業創造」「技術経営」を中心として、企業内教育研修の講師を務め、スタンフォード大学、慶應義塾大学、立命館大学、青山学院大学、福井県立大学などの大学院においても講義を実施している。

本書の要点

  • 要点
    1
    判断が求められる課題のうち、「実行した後、結果が出るまでの時間が長い」「投入する経営資源が自分の経営資源に占める割合が、非常に大きい」「悪い結果の時、打撃が甚大となる」のどれかに当てはまる場合、熟断思考を活用するべきだ。
  • 要点
    2
    意思決定とは、「やり直しのきかない経営資源の配分を実際に行うことへのコミットメント」を意味するものであり、身を切り命がけで取り組む姿勢こそが大切である。
  • 要点
    3
    意思決定の判断基準となるのは、トータルでの嬉しさである。選択肢ごとのトータルでの嬉しさの期待値を算出し、期待値が最も大きい選択肢が最も有力な選択肢となる。

要約

スタンフォードとマッキンゼーで学んできたこと

天才思考と熟断思考の違い
alphaspirit/iStock/Thinkstock

問題の分析を専門にするコンサルタントの活躍の影響もあり、SWOT分析、ロジックツリーというようなフレームワークを使おうという人が増えている。ただ、実はこのようなロジカルシンキングには限界がある点を考慮すべきである。新規事業や研究開発テーマの検討をする際には、未来の状況変化や不確実性の影響が大きいため、ロジカルシンキングだけでは具体化が十分に進められないのである。

実はこのような課題に取り組む際には、ロジカルシンキングで集めた材料をもとに、アイデアの「ひらめき」や「跳び」が求められる。このように現状分析から戦略を直接導き出すことは天才思考と言えるのに対して、現状分析の後、選択肢、不確実性、価値判断尺度と検討を進めて、戦略策定に至るプロセスを熟断思考と呼ぶ。現状分析から戦略策定の間を埋める実践的ノウハウは世の中にほとんどなく、この熟断思考こそ役に立つ思考術と言える。

熟断思考を構成する6つの要素
underverse/iStock/Thinkstock

「熟断思考」が生まれた背景は、著者がマッキンゼーでロジカルシンキングを学んだ後、スタンフォードで意思決定論を学び、それらを組み合わせることが効果的だと認識したためだという。特にロジカルシンキングで扱いにくい、「選択肢」「不確実要因」「価値判断尺度」という点について、個々に分解して統合する「熟断思考」の6つのポイントを紹介する。

1. 悩みや課題のリストアップと全体観の把握

どのような課題に直面しているか、悩むべき課題は何か、正しいアプローチかの3点を検討する。複数の課題が対象であれば、すべてリストアップし、優先順位を付ける。

2. 個別課題のフレーム設定

優先順位の高い課題に対して、「いつ頃、どうなったら嬉しいのか?」を考え、それに向け決めるべきこと、コントロールすべきことなどを洗い出していく。

3. 具体的な複数の選択肢の検討

視野を広く、選択肢を創造的に洗い出す。

4. 不確実要因の明示的な取り扱い

個々の選択肢を実行した際に、結果に大きな影響を及ぼす不確実な要因をリストアップする。そしてその不確実な要因がどのような確率で起こるかを考える。

5. 価値判断尺度の認識

選択肢を選ぶ基準を考える。最終的には、意思決定者のトータルの嬉しさを重視する。

6. これまでの1~5を統合した最終的な意思決定への取り組み

それぞれの選択肢におけるトータルの嬉しさの期待値を計算し、意思決定を行う。

このような熟断思考を経ることで、不確実要因が読み切れず思うような結果が得られないことはあっても、考慮が足りなかったと後悔することはなくなるのである。

【必読ポイント!】全体観を把握する

熟断すべき課題、即断すべき課題

課題に直面して初めに考えるべきことは、その課題が熟断思考を必要とするかどうかだ。多くの問題は即座に実行に移し、トライ&エラーを繰り返すことで対処できるものである。そこで、熟断思考の適用要否を判断するためには3つの確認事項が存在する。

1. 実行した後、結果が出るまでの時間が長い

2. 投入する経営資源が自分の経営資源に占める割合が、非常に大きい

要約全文を読むにはシルバー会員またはゴールド会員への登録・ログインが必要です
「本の要約サイト flier(フライヤー)」は、多忙なビジネスパーソンが本の内容を効率的につかむことで、ビジネスに役立つ知識・教養を身につけ、スキルアップに繋げることができます。具体的には、新規事業のアイデア、営業訪問時のトークネタ、ビジネストレンドや業界情報の把握、リーダーシップ・コーチングなどです。
この要約を友達にオススメする

一緒に読まれている要約

本質思考
本質思考
平井孝志
未 読
リンク
ペンタゴン式目標達成の技術
ペンタゴン式目標達成の技術
カイゾン・コーテ 中津川茜(訳)
未 読
リンク
大前研一ビジネスジャーナル No.2
大前研一ビジネスジャーナル No.2
大前研一(監修) good.book編集部(編)
未 読
リンク
加算混合の発想(2015年新装版)
加算混合の発想(2015年新装版)
大前研一
未 読
リンク
ブランド「メディア」のつくり方
ブランド「メディア」のつくり方
嶋浩一郎
未 読
リンク
リスクを取らないリスク
リスクを取らないリスク
堀古英司
未 読
リンク
エバンジェリストの仕事術
エバンジェリストの仕事術
西脇資哲
未 読
リンク
レジリエンスとは何か
レジリエンスとは何か
枝廣淳子
未 読
リンク

今週の要約ランキング

1
考え続ける力
考え続ける力
石川善樹
未 読
リンク
2
コンサル一年目が学ぶこと
コンサル一年目が学ぶこと
大石哲之
未 読
リンク
3
夢をかなえるゾウ4
夢をかなえるゾウ4
水野敬也
未 読
リンク

イチオシの本

「プレゼン力」を上げたい方の必読書3冊
【〈連載〉レッツ・ビジネスワークアウト第1回】 「プレゼン力」を上げたい方の必読書3冊
2020.09.22 update
リンク
今こそ必須の「数学的思考力」を鍛える3冊
【〈連載〉大人の教養シリーズ 第1回】 今こそ必須の「数学的思考力」を鍛える3冊
2020.09.15 update
リンク
知的筋力を鍛えよう!「ビジネスワークアウト」にぴったりの5冊
知的筋力を鍛えよう!「ビジネスワークアウト」にぴったりの5冊
2020.09.14 update
リンク
出版社のイチオシ#037
出版社のイチオシ#037
2020.09.11 update
リンク

インタビュー

戦略コンサルタントが語る、いま知るべき「働き方の潮流」
戦略コンサルタントが語る、いま知るべき「働き方の潮流」
2020.09.04 update
リンク
50万部超のベストセラーを連発! 敏腕編集者の「考える技術」を公開!
50万部超のベストセラーを連発! 敏腕編集者の「考える技術」を公開!
2020.07.22 update
リンク
ポストコロナライフの未来予測
ポストコロナライフの未来予測
2020.07.15 update
リンク
【対談】人生の主導権を取り戻すカギは「早寝」にある
【対談】人生の主導権を取り戻すカギは「早寝」にある
2020.06.30 update
リンク
1
考え続ける力
考え続ける力
石川善樹
未 読
リンク
2
コンサル一年目が学ぶこと
コンサル一年目が学ぶこと
大石哲之
未 読
リンク
3
夢をかなえるゾウ4
夢をかなえるゾウ4
水野敬也
未 読
リンク
出版社のイチオシ#011
出版社のイチオシ#011
2019.03.08 update
リンク
私はこの本を読んで8ケタ稼ぐミリオネーゼになれた
私はこの本を読んで8ケタ稼ぐミリオネーゼになれた
2016.03.29 update
リンク

この要約をおすすめする

さんに『スタンフォード・マッキンゼーで学んできた熟断思考』をおすすめする

保存が完了しました

保存した「学びメモ」はそのままSNSでシェアすることもできます。
新機能「学びメモ」誕生!
要約での「学び」や「気づき」をシェア! アウトプットの習慣づけに役立ちます。
みんなのメモが見れる!
新しい視点で学びがさらに深く!
「なるほど」「クリップ」ができる!
みんなの学びメモにリアクションしたり、保存したりできます。
ガイドライン
「学びメモ」をみなさんに気持ちよくご利用いただくために、ガイドラインを策定しました。ご確認ください。
「学びメモ」には自分自身の学び・気づきを記録してください。
要約や書籍の内容を読まずに「学びメモ」を利用することはご遠慮ください。
要約や書籍に対しての批評や評点をつける行為はご遠慮ください。
全文を見る
新しい読書体験を
お楽しみください!
ご利用には学びメモに記載されるユーザー名などの設定が必要です。
ユーザー名・ID登録(1/3)
ユーザー名 ※フライヤーでの表示名
ユーザーID
※他のユーザーが検索するために利用するIDです。
アカウントの公開や検索設定は次の画面で設定できます。ご安心ください。
後で登録する
ユーザー名・ID登録(2/3)
アカウント公開
すべてのユーザーにマイページを公開しますか?
はい 許可した人だけ
マイページを全体に公開したくない方は「許可した人だけ」を選択して、次ページにお進みください。

※登録内容の編集画面からいつでも変更できます
ユーザー名・ID登録(3/3)
検索設定
ID検索を有効にしますか?
はい いいえ
友達と繋がるには、ID検索を有効にしてください。マイページを全く公開したくない方は「いいえ」を選択してください。

※登録内容の編集画面からいつでも変更できます
登録完了しました!
まずは他のユーザーをフォローして学びメモをチェックしてみよう!
flierの利用に戻る