ブランド「メディア」のつくり方
人が動く ものが売れる編集術

未 読
ブランド「メディア」のつくり方
ジャンル
著者
嶋浩一郎
出版社
誠文堂新光社 出版社ページへ
定価
1,944円
出版日
2010年10月12日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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人が動く ものが売れる編集術
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嶋浩一郎
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定価
1,944円
出版日
2010年10月12日
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4.0
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革新性
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レビュー

ネットニュースでPVがとれる要素は、B級感、エロ、美人、時事、他人の不幸……? 本書では人、モノ、カネが動く、ビジネスとして成功しているブランドとなっているメディア――ヤフー・ニュース、R25、雑誌「ブルータス」など――の編集者たちが11人登場し、編集手法や考え方を語る。

内容は、2009年に編者がモデレーターを務めた「21世紀の編集学校」の講義内容を収録したものだ。データや情報には一部古い部分があるけれども、今でもなお学ぶべき視点が多く含まれるものであり、本書はメディア関係者に読み継がれるバイブル的存在となっている。デジタルメディア、紙メディア両側からの視点を並べて見られることも、本書の特長である。

編者は、広告、メディア業界の第一線で長く活躍している、嶋浩一郎氏。同氏は、メディア環境が激変している昨今、コンテンツそのものをつくる「編集」に加え、そのコンテンツをどのツールを通して、どんなターゲットに訴えるのか、そうしたシナリオをつくる「編集」能力が求められている、という。メディアに関わる全ての方に、一度目を通しておくことをお薦めしたい。企業サイト、PR誌など自社メディアの制作を業務にしている方、メディアに対してパブリシティを仕掛けたい方、出版社に勤める方はとくに、明日からでも試してみたくなる仕事へのヒントを見つけることができるだろう。

熊倉 沙希子

著者

嶋 浩一郎
博報堂ケトル 編集者・クリエイティブディレクター
1968年生まれ。上智大学法学部卒。1993年博報堂入社。コーポレートコミュニケーション局に配属され企業のPR・情報戦略に携わる。2001年から2003年、雑誌「広告」(博報堂)編集長。2004年「本屋大賞」立ち上げ。2006年、既存の広告手法にとらわれない課題解決をめざし、博報堂ケトルを設立。近年の主な仕事に「社長島耕作就任キャンペーン」(講談社/サントリー)、「週刊少年サンデー・週刊少年マガジン50周年」コラボ企画(小学館/講談社)、「Green Road Project」(KDDI)、雑誌「『旬』がまるごと」(ポプラ社)プロデュースなど。カルチャーマガジン「LIBERTINES」(太田出版)共同編集長、インターネット情報配信サービス「赤坂経済新聞」編集長、NPO本屋大賞実行委員会理事。

本書の要点

  • 要点
    1
    老若男女に浸透しているヤフー・ニュースは、150の配信元からのニュースを選びぬいてつくられている。目を引くニュースを入口に、大切なニュースを知ってもらいたいという思いで構成されている。
  • 要点
    2
    ヤフー・ニュース以外のネットニュースは、PV数獲得のためにさまざまな工夫をしてきたが、体制チェックの役割はじめ、それ自体の提供できる価値を追求する道中にある。
  • 要点
    3
    誌面の先の、市場との連携まで編集する「メトロミニッツ」、「ちょっと先」を行くストーリーを懸命に探り、雑誌の世界の開拓者であり続けている「ブルータス」。紙メディアの可能性の模索も続いている。

要約

【必読ポイント】ヤフー・ニュースのつくり方――奥村倫弘(ヤフー・ジャパン 編集本部メディア編集部長)

記事の勝ち上がり戦
scanrail/iStock/Thinkstock

ヤフー・ニュースは巨大な集客装置だ。ヤフー・ジャパンの奥村氏によると、月間で、ヤフー・ニュースのユニークユーザーは6千9百人、PVは約45億PVにのぼるという(要約者注:ここで紹介する情報や肩書はすべて、本書刊行当時のものである)。

ヤフー・ニュースでは、自分たちで記事を書いているわけではない。150の配信元から送られてくる記事から、1日40~50の記事をピックアップして、編集部で読む。そして、読者の関心を予想して、1ページで話題の全体像をつかめるように、過去の記事も含めた関連記事のリンクを貼っていく。できあがった記事のパッケージに、13・5字の見出しをつける。

そして、「海外」「経済」など8つのジャンルの記事をつくっていき、そのなかからトップ画面にふさわしいものを8本選びぬく。いわば記事の勝ち上がり戦だ。

トップ画面には「世の中の動きがわかるニュースが6割、エンタメ的ニュースが4割」というバランス感覚でニュースを出しているそうだ。PVがとれる記事はもちろん大事だが、

それだけを狙わない。面白い記事で人を惹きつけ、知っておくべき記事のページに呼びこむ、というのが、ヤフー・ニュースの在り方だという。

現代の俳句 13.5文字の見出し

ヤフー・ニュースで特徴的なのは、見出しを13.5文字におさめていることだ。人間がパッと見て瞬間的に意味をつかめる文字数は13文字なのだという。

ニュースの見出しは編集部員みんなでブラッシングしていく。たとえば「会社でのメール セキュリティルールと社員の意識の実態」に関する記事につけた見出しは、「6割が会社のメールを私的利用」→「職場PCでショッピングを」→「禁止でも職場PCでショッピングを」というふうに磨かれていった。クリックしなくても内容がわかるようなタイトルをめざし、ユーザーを「釣る」目的の「?」マークはつけない。「編集の妙味は、切り捨てることにある」と奥村氏は語る。

ヤフー・ニュースはメディアか

奥村氏は、あるブログのなかで、ヤフー・ニュースがメディアかどうか討論されているのを読んだ。取材をするのがメディアだと考える人は「メディアではない」といい、たくさんの人に読まれているから「メディアだ」という人もいたそうだ。

そこをはっきりどっちだということはできないが、ニュースを発信する際は、伝えるべきことを伝えるということを大事にしているという。

PVを狙うニュースばかりになってしまっては、読み手が本当に知りたいことを知ることができなくなってしまう可能性が出てくる。

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2010年10月12日
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