
パリ2024オリンピック開幕!
2024年7月26日、いよいよパリオリンピックが始まります! 前回の東京オリンピック2020はコロナ禍中だったこともあり、開催の是非や感染対策など、競技以外にも注目が集まった大会でした。そういった意味では、今回のパリ大会がコロナ後初の五輪と言えるでしょう。
パリ大会では、32競技329種目を実施。開会式はパリ中心部を流れるセーヌ川が舞台となることも、大きな話題を呼んでいます。また競技会場には、ベルサイユ宮殿やコンコルド広場、エッフェル塔スタジアムなど数々の歴史的スポットが選定。競技と一緒にパリの美しい景観も楽しめそうです。
本記事では、オリンピックにまつわる本をご紹介します。書籍に触れ、オリンピック気分を盛り上げていただければ幸いです!
ライター・矢羽野晶子


今回で33回目のオリンピックとなるパリ大会。1896年にアテネで始まって以来、紆余曲折を経ながら世界随一のスポーツの祭典に発展しました。この長い歴史は、アスリートたちの汗と涙でつくられている言っても過言ではありません。
『勝利の神髄1928-2016』は、過去の日本人メダリストたちのバックストーリーに迫った一冊。マラソンの高橋尚子さん、水泳の北島康介さん、柔道の山口香さんなど、メダリストたちがどのような努力をしてメダルを勝ち取ったか。入念な取材をもとに、臨場感たっぷりに描かれています。
シドニー大会(2000年)の女子マラソンで、オリンピック最高記録を出して金メダルを獲得した高橋尚子さん。練習では40kmの走り込みを365日休むことなく続け、さらに標高3500メートル級の高地トレーニングにも挑んだといいます。
オリンピックに人生をかけて臨むアスリートたちの姿は、いつの時代も私たちの心を震わせます。アスリートたちの努力の結晶を、いま一度振り返ってみませんか?


「スポーツの祭典」であるオリンピックですが、様々な負の側面があることも事実です。巨額の開催費用、政治的な思惑が絡む誘致合戦、現地住民との軋轢、大会後は負の遺産となってしまうスタジアムなど、たびたびニュースを騒がせています。
『オリンピック秘史』ではオリンピック120年の歴史を振り返り、華やかな舞台裏で起こってきた泥臭い出来事や、現存する諸問題などを記しています。「多様性を重んじ、スポーツによって平和を築く」という理想を掲げて始まったオリンピックですが、創始当初から「様々な矛盾を抱えたもの」であったそうです。
光が強いほど、影は濃くなる――。強烈なコントラストが美しさを際立たせているのだとしたら、この影は必然なのでしょうか。考えさせられる一冊です。


本書は人気バスケットボール漫画『スラムダンク』を題材に、スポーツにおける「勝利するための考え方」を導き出した一冊です。連載開始から30年以上経っても色あせない同作には、あらゆるシーンに学ぶべき教訓が含まれています。
たとえば主人公・桜木花道は、ランニング・レイアップシュートをマスターするために「置いてくる」と唱えて練習していますが、これには理由があるそうです。
何かを学習する際は、その対象を強く“意識”する必要があります。花道は「置いてくる」と唱えることで、自分がどのように行動すべきかを意識づけているのです。
バスケ経験者の多くは、本作を読んで育ってきていることでしょう。バスケットボール日本代表「アカツキジャパン」の活躍の裏にも、本作の影響があるかもしれません。本書で読んでゲームを見ると、一歩進んだツウな楽しみ方もできそうです。


テニス女子日本代表として出場する大坂なおみ選手。いまや世界屈指のトッププレーヤーですが、かつては実力十分ながら自身のメンタルコントロールに課題があり、なかなか結果につながりませんでした。
そんな大坂選手を変えたのが、本書『心を強くする』の著者であるサーシャ・バイン氏です。2018年シーズンにヘッドコーチに就任してからわずか1年足らず、大坂選手は全米オープン初優勝、そして翌年には全豪オープンを制して世界ランク1位に躍り出ました。
本書では“サーシャ流”メンタルトレーニングの数々が記されています。「大きな野心を持つ」「誰かの真似をしない」「ルーティンを守る」「感情は吐き出す」「孤独を味方につける」「日記で感情コントロールをする」など、いずれも驚くほどシンプル。アスリートでなくとも応用できそうなものばかりです。
サーシャ氏と組んでからはメンタル面で大きく成長し、大舞台で実力を存分に発揮できるようになった大坂選手。すでにサーシャ氏とのコンビは解消していますが、いまも心の奥底には彼の教えが息づいていることでしょう。
なお、日本テニス界のレジェンドでパリ五輪にも出場する錦織圭選手の『錦織圭 マイケル・チャンに学んだ勝者の思考』もおすすめです。2冊合わせて楽しんではいかがでしょうか。


あらゆる団体競技にチームワークが求められますが、その最たるスポーツはサッカーではないでしょうか。
サッカーの面白いところは、どんなにすごいスーパースターがチームにいても、最終的な結果を左右するのは「チーム力」であること。もちろん個人技も重要ですが、勝つためにはすべての選手が自分の役割を果たし、パスや動きを通じて味方と連携することが不可欠です。サッカーには「全体の総和は部分を上回る」という、数学的な論理が働いているのです。
『サッカーマティクス』は、サッカーのチームワークを数学的に解き明かした本。リオネル・メッシ、イニエスタ、香川真司などの一流選手たちが、試合中に見せたチームプレーを数学のパターンに落とし込み、その強さを解析しています。数学には様々なパターンや公式がありますが、プレーに多くのパターンが見られるサッカーは、まさに数学的なのだそうです。
本書を読めば、これまでとは違った視点でプレーや布陣を見られることでしょう。新しいサッカーの楽しみ方を教えてくれる、ユニークな一冊です。


男子400メートルハードルの日本記録保持者で、今はスポーツコメンテーターなど幅広く活躍する為末大さん。シドニー、アテネ、北京と3度のオリンピックに出場し、短距離種目で初の日本人メダリストとなった為末さんは、選手時代、コーチをつけなかったことでも有名です。
本書『Winning Alone』では現役時代の為末さんが、どのような思考を持って頂点を目指していたかが綴られています。為末さん曰く、ある一定の水準以上に達している選手は数がかなり少ないため、データの収集が難しく、自ら科学的思考を持って試行錯誤する必要があるそうです。
一流アスリートの人生には、勝つことへの重圧、スランプ、怪我、燃え尽き症候群、引退など、数え切れないほどの“ピンチ”が存在します。本書では彼らが直面する「孤独な戦い」にフォーカスし、いかに乗り越えるかについて考察しています。
「走る哲学者」の異名をとる為末さんの深く鋭い分析は「さすが」の一言。アスリートならずとも、読んで損はない一冊です。