整える
心のストレスを消す練習

未 読
整える
ジャンル
著者
枡野俊明
出版社
KADOKAWA/中経出版
定価
1,430円(税込)
出版日
2016年11月07日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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心のストレスを消す練習
著者
枡野俊明
未 読
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ジャンル
出版社
KADOKAWA/中経出版
定価
1,430円(税込)
出版日
2016年11月07日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「ストレス社会」という言葉を聞く機会がますます増えている。街中でも職場でも、見るからにイライラしており、他人に自分の憤まんをぶつけている人がいるが、おそらくその人は別の誰かからプレッシャーを受け、たまったストレスを解消しているのであろう。こういったストレスの連鎖に悩まされている人は多く、身体や心に影響を与えられているようだ。身体を壊してしまう、あるいはうつ状態になってしまう前に、早めにストレスを消すための策を講じることが必要だ。

本書では、禅僧にして庭園デザイナーでもある著者が、禅の知恵を踏まえた様々なストレスへの対処法について詳細に述べている。一般に、多くの人はスポーツや趣味などを通してストレスを解消しているが、あくまでもそれは一時的なものであり、重要なのはそのストレスの減った状態を維持していくことだ。ストレスをためないことを禅の修行のように習慣化することで、いい生活リズムをつくることができる。

著者のところに相談に来る人たちは、かつては50代の人が中心であったものの、最近では30代、40代の人も増えているそうだ。これは社会の仕組みが多様化するとともに、ストレスもより広く蔓延しているということだろう。目に見えないそのストレスについて正しく認識し、自分自身の生活を「整える」ことにより、現代社会を上手に生きていく方法を身につけてほしい。

ライター画像
山下あすみ

著者

枡野 俊明
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授。玉川大学農学部卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行う。99年、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。2006年に「ニューズウィーク」誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。『禅が教えてくれる美しい人を作る「所作」の基本』『心配事の9割は起こらない』など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    他人とかかわりながら生きているかぎり、不安やストレスからは逃れられないが、あまり悩まず、相手をきちんと見きわめることが大事だ。
  • 要点
    2
    忙しく時間に追われるのではなく、自分が主体となって時間を自在に使うためには、いま目の前にあることだけに集中する以外にない。
  • 要点
    3
    寝る前の習慣を変えて自分の心地よいことをしたり、早朝に起きて近くを散歩してみたり、呼吸を整えたりすることで、心の中のストレスをコントロールすることができる。

要約

仕事の悩みを「見切る」「区切る」

きちんと見る、きちんと聞く
portostock/iStock/Thinkstock

他人の考えていることが気になる。誰にでも少なからずそんなことはある。他人とかかわりながら生きているかぎりそこから離れることはできないが、他人の考えをいくら考えても、気にしてみても、それが変わることはありえない。考えることは意味がなく、ムダなのである。

仕事でかかわる相手が心ないビジネストークをしてくることもあるだろう。しかし、心に思っていることは語る言葉の調子や表情に必ずあらわれてくる。表情をよく観察し、口調をよく聞くことでだんだんとそれが見えてくる。言葉の裏をあれこれ考えるより、そこを見きわめることが大事だ。

しんどさは「区切る」

仕事にしんどさを感じやすく、それがストレスになる人は、自分で自分にご褒美を用意するのがいい。たとえば、仕事が一段落したら、自分が楽しめること、好きなこと、心地よいことをする。そうしてご褒美を用意すると、心が大きな仕事を終えた区切りと認識し、気分が落ち着いてくる。

ご褒美でしんどさから解放されたら、次の仕事にも新たな意欲とエネルギーを持って取り組んでいけるはずだ。仕事には当然期限があるが、あえて自分のなかで期限を短縮し、余った日を休みにしてしまうのがおすすめだ。むずかしいことかもしれないが、自分自身が期限の短縮という目標を決めることが、大きなモチベーションとなるだろう。

「その場」で、輝く

「この職場では自分の力を発揮できていない」「あいつはラクな仕事をして高い評価を得ている」と考えてしまうことは誰にでも少なからずある。しかし、自分が活躍できる場所は誰かが用意してくれるわけではない。自分がいるその環境を、自分が活躍できるものに変えていくしかないのである。

自分を輝かせるには、自分だけの居場所をつくること、言い換えれば、自分を仕事やプロジェクトにとって必要不可欠な人間にすることだ。禅語には「随所に主と作れば、立処みな真なり」というものがある。どんな場所でも自分が主体になったら、そこは活躍の場となり、自分が輝いてくる、という意味だ。どんな仕事であっても、自分なりの工夫を加えていくことで自分ならではの色合いを出すことができる。

他者への苛立ちを「手放す」法

感謝という「妙薬」

会社の中には「ソリが合わない」という相手も一人や二人はいるだろう。対等な相手であればソリが合わないというこちらの感情は態度にもあらわれているかもしれない。同僚だからこそマイナス感情を払拭するのは容易いことではなく、それがさらに大きなストレスとなる。

しかし、「ソリが合わない」ということの実相は、多くの場合「あいつはそういうヤツなのだ」と決めつけてしまっていることにある。禅では「あらゆるものには仏性がある」と考える。決めつけを外し、おたがいのなかに仏性(やさしさ、思いやりなど)を認め合うということだ。相手の立場を尊重し、ほめ合う習慣、そして感謝の言葉が「妙薬」となる。

「そんなものだ」
ulkas/iStock/Thinkstock

現在の会社組織は昔に比べて結果が求められ、数値目標を達成しなければ上からのプレッシャーがかかる。そんな組織内事情の中で、「同僚に手柄を横取りされた」というようなケースも少なくない。横取りの中身はさまざまだと思われるが、ゆき着くところは「人間不信」である。「個人主義」といえば聞こえは悪くないが、それがどんどん人と人とのつながりを希薄にし、うつの増加の背景になっているのはたしかだろう。

同僚に理不尽なおこないをされたときには、本来なら詰め寄ってしかるべきかもしれないが、禅ではどんなに理不尽だと感じても、気分が落ち込んでも「そんなものだ」と受けとめ、そのうえで、心を前向きに転じていくことが大事だ、と考える。理不尽な出来事自体は、抗議しようが怒ろうが変わらないので、「そんなものだ」と受けとめる。そして、相手と一線を画したところに自分の心を置くというのは、潔く、相手よりはるかに器の大きいことである。

丁寧に言葉を扱う

誠意のこもっていない上っ面の言葉をかけられることほど、心をザワつかせるものはない。たとえば、部下からのわざとらしいご機嫌伺いは、部下の本音が透けて見え、耳障りになる。ご機嫌を伺ってくるその部下の存在がうっとうしくなり、かかわること自体がストレスになる。

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